#99　婚活1年10カ月でやっとわかった「大きな間違い」【40代編集長の婚活記】

彼を好きになった理由

ロンドン「このバーに初めて来たときから、顔は好みっ♡て思ってたのよ」

アサミ「見た目重視だもんね」

マスターの顔をチラッと見た。確かに……人のよさそうな、くまさんのように癒し系の顔。彼は昔からそういう男性がタイプだった。

ロンドン「気になってたからずっと根掘り葉掘りいろいろ聞いてたのよ。だけど他のお客さんがいると聞けないこともあって」

アサミ「やっぱり私が邪魔ってこと？」

ロンドン「いまはちがーう。普段は僕がこの店にくるとだいたい他のお客さんもいるんだけど、今日はね、アサミちゃんが来るまでだーれも来なかったの。1時間くらい」

あら、ごめんなさい。私ったらやっぱりロンドンくんの幸せなひとときを邪魔しちゃったのね。

乙女モードなロンドンくん

アサミ「どストライクの部活じゃない」

ロンドン「そうなの♡　だからね、写真を見せてもらったの！」

アサミ「あー、なるほどね」

ロンドン「体型も好みだったの～♡　すごいいい筋肉」

アサミ「やっぱり見た目だ」

彼の好みはブレてない……。癒し系の顔で細マッチョ。以前から「ラガーマン系のゴリマッチョじゃなくて水泳系の細マッチョが好き♡」と言っていた。そんな彼が宗旨替えするわけがない。私は何を血迷っていたんだろう。

ロンドン「服着てるけど、なにげに胸板厚いのわかるでしょ？　学生時代よりは落ちたっていうけど、なにげにそこそこ残ってた」

アサミ「胸筋、触ったわけ？」

ロンドン「服の上からだし、ちゃんと許可取ったわよー」

うれしそうにキャッキャと乙女モードで話すロンドンくん。かわいい。

マスターはノンケでいま彼女はいないことや、趣味は何だとか、このバーを始めた理由など、マスターに関する情報をいろいろ私に教えてくれた。

本当にマスターに恋してるんだ……。いいなぁ、楽しそう。

恋してる彼を見てわかったこと

私もなんか……「恋したい」かも。

1年10カ月婚活しているけれど、どこか自分の中でちょっとモヤモヤしていた。婚活パーティや婚活アプリが向いていないとか、自然な出会い方をしたいとか……私はこのまま婚活していていいのだろうか、と。

心のどこかで「なにがなんでも結婚したい！」とは、まだ思えていなかったから。

もちろん、結婚したくないわけじゃない。する気はある。

でも、いますぐ結婚したいわけでもない。

こんな気持ちで「婚活する」という行動自体が、そもそも間違ってる……？

さっきまで少なからず、ロンドンくんにドキドキしていた自分を思い出す。好意を持たれてるのかも？と思いながら一緒にいる時間は楽しかった。

私は結婚うんぬんの前に「恋したい」し、「好きになりたい」……かもしれない。婚活歴1年10カ月、40代独女はそのことにやっと気がついたのだった。

【40代独女いまさら気づく⁉　記念すべき連載100回目はコチラ】　

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