平均を無視した瞬間、人は「おデブ」のままになる…【人生最後(かもしれない)ダイエット戦記 Vol.2】
医師はシビアに宣告する
このように人生を規格外の楽しさで過ごしてしまった私ですが、オトナサローネ編集部の美女2人以外にもダイエットをすすめた存在がいます。それはかかりつけのA医師です。彼はここ10数年、健康診断やちょっとした病気などでお世話になっております。現在も健康でいられるのは彼のおかげだと言っても過言ではありません。
今年の初めあたりのことです。私は体調を崩し、A医師の診断を受けました。その際に「念のために血液検査をしておきましょう」とすすめられたのです。私はアラフィフの中年なので、隠れている病気や更年期障害を疑ったのかもしれません。
かくして一週間後に血液検査の結果が出ました。
A医師が血液検査の結果を厳かに言ったのです。
「やせたほうがいいです」
「せ、先生! とうとう私も生活習慣病の仲間入りで、塩分制限と糖質制限と…」
「その心配はありません。ただやせたほうがいいだけの話です」
「え、塩分制限とか糖質制限とか…」
「(話を聞いてくれよ…)塩分制限はやめてください。血液中の塩分がかなり不足しています。糖質制限も無用です。血液の数値では糖尿病になれない体質です。鋼鉄のすい臓と言いたいくらい問題なし。ただやせたほうがいい、というだけです」
「は?」
「つまりですね、コレステロール値と中性脂肪に問題あり、ってことです」
「せ、先生、つまり…私は高脂血症に…」
A先生は本当なら大きなため息をつきたかったかもしれません。でもビビりな相手を怯えさせるリスクを避けたのでしょう。クールでした。
「まだ服薬するレベルじゃありません。ただやせればいいレベルです」
「ダイエットですか…」
「ま、そうなりますね」
「食事制限ですね」
A先生は初めて私をにらみつけてから、自分が浮かべてしまった表情を恥じたように笑顔を作りました。そして言ったのです。
「運動してください」
「運動…だけ、で、いいん、ですか…」
「運動だけ・で・いいんです。今のうちに手を打っておかないと、本当に高脂血症の薬を飲んでいただくようになります。そうなる前にやせてしまえばいいんです。それで大丈夫ですよ」
にこやかにA先生はおっしゃいました。その笑顔は「わかったなら帰れ」というメッセージが込められていたのです。私も帰るしかありません。しかしA先生のにこやかな顔とセットになった「やせてください」という宣告がずっしりとのしかかってきたのでした。
体重や体型の規格外さが徐々に健康を壊し始めていることは確かです。血液検査での数値と医師であるA先生の言葉は重いものでした。とはいえまだダイエットすることに現実味を感じていなかったことも事実なのです。
そして私は……。
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