もう、故郷に帰っていいですか?-42歳・栄子の場合(1)-【40女の恋愛事情・story5】

2016.10.11 LOVE

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こっちでも派遣社員として働けるかどうか、それはわからない。

もしかしたらパートのような仕事しかないかもしれない。

でも、収入が下がっても、ここなら家賃もかからない。

やっていけるのかもしれない。

 

でも、まだ、東京に未練がある。

それは仕事のことでも、生活のことでもない。

あの人のこと。

気になるひとがいるから、東京から、離れたくはない。

 

「こっちでもね、まだ独身がいるんだよ。ほら、幼なじみのケンちゃん。あの子もね、まだ結婚してないし」

母は、私の相手のことまで勝手に考え始めている。

「酒屋のシンちゃんは、離婚したんだよ。子どもが3人もいたのに奥さんが連れてっちゃって寂しそうにしてる」

 

狭いこの街で、私は誰かと新しい関係を築いていけるのだろうか。

なんでもすぐに噂になるこの街に私が戻ったら、なんて言われるのだろう。

きっと、都会に疲れた、というようなことを言われるに違いない。

確かに疲れては、いるけれど。

東京にというより、あの人に、疲れているのかもしれない。

 

月に一度、デートするあの人には、奥さんがいる。

故郷に帰れば、もう、会えなくなるから、関係はきっと、終わってしまうだろう。

本当はいけないことだって、わかっている。

もう、終わりにしたほうが、いいのだろうか。

 

■もう、故郷に帰っていいですか?-42歳・栄子の場合(2)に続く-【40女の恋愛事情・story5】/毎週火曜18時更新■

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