「認知症の親が別人のようで辛い」。まず最初に知っておけば介護する側もラクになる。「同じことを何度も聞く」など困った症状が出る原因とは【医師に聞く】

認知症介護のファーストステップは、「昔のお父さん、お母さんは戻ってこない」ということを受け入れること

―――認知症(中等度)である義母の介護を始めて4年になりますが、本書を読み終えたあと、「介護の時間が“良いもの”に変わるかもしれない」と希望が持てました。書かれていたケアも具体的で分かりやすいうえ、「見る」「話す」「触れる」などシンプルだったので、さっそく実践しています。

本田 美和子先生(以下、本田):そう言っていただき、うれしいです! この本をつくったのも、「(介護を受ける側とする側が)お互いに良い時間を過ごしてほしい。その手段として活用してもらいたい」という想いからなので。

 

―――介護はある日突然やってきますが、特に認知症の場合は家族がショックを受け、前に進めないこともありそうです。何から始めたらよいのでしょうか?

本田:まずは、「認知症はどういう病気か」を知ることですね。認知症の症状は、記憶障害などが主となる【中核症状】と、介護拒否や物盗られ妄想などが起こる【周辺症状】の大きく2つに分類されます。介護をしている方は、この【周辺症状】でお困りになっていることが多いでしょう。

 

急に怒り出したり、突然どこかに出かけてしまったり、こういった状況は「脳の機能の変化」によって生じているもので、本人にはどうしようもできないことなんです。寂しいことかもしれませんが、「昔のお父さん、お母さんは戻ってこない」ということを受け入れる。これが、認知症の方の介護をするうえで大事なファーストステップですね。

 

―――私は、すぐに受け入れることができなくて。幻覚や暴言などの症状があったとき、「お義母さん、どうしちゃったの?」とモヤモヤしたり焦ったり、複雑な心境でした。

イヴ・ジネスト先生(以下、ジネスト):あなたにとって大切な存在と、意思疎通が図りづらくなる……。「違う人になってしまった」と思い、悲しみや戸惑いがあるでしょう。でも、認知症は徐々に進行していくものなので、今まで通りにコミュニケーションを取っていると、それは本人にとって「不安が募るやりとり」になってしまいます。そんな不安な気持ちから、あらゆる周辺症状が起こる。これが認知症の特徴です。

 

▶「同じことを何度も聞く」、その理由は

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