認知症の方を身体拘束するしか手段はない?「薬を断固拒否」「点滴の針を勝手に抜く」疲弊する介護現場、一体どうすれば【医師監修】
今や「検査と薬だけじゃ守り切れない」高齢者の健康。そこに必要な“ケア”の存在
―――さっそくですが、「認知症のケア」について考えるようになったきっかけを教えてください。
本田 美和子先生(以下、本田):医師としての出発点は、ちょうどこの「国立病院機構東京医療センター」(当時の国立東京第二病院)でした。内科医として少しずつ経験を積み、高齢の方とも接する中である思いが湧いてきたんです。
「皆さんそれぞれ病気を抱えているけれど、たとえすべてが治らなくても、少しずつからだの悩みが改善されれば、気持ちも変化する。徐々に楽しい生活が送れるようになるかもしれない。そういう部分が大事なんだ」と、高齢者医療に対する希望や可能性も感じるようになって。
そんなとき、航空会社が発行しているクレジットカードの会員誌に、面白い記事を見つけます。パリに住む日本人のライターさんによるもので、「あるテレビのドキュメンタリー番組で、『ユマニチュード』という認知症ケアがあることを知った。ケアをする人も受ける人も、皆が素敵な笑顔だった」という内容でした。それを読み、「なかなか興味深い」とその記事を保管しておいたんです。
―――医療現場に取り入れる必要性を感じたんでしょうか?
本田:いえ、まだそこまでの強い思いはなくて。でも、何となく気になってその記事を冷蔵庫に貼っておいたので、1日1回は目にする“存在”でした。
それから数年後、ここ(国立病院機構東京医療センター)の総合内科の部長から連絡があり、「今や高齢の方の健康は、検査と薬だけじゃ守り切れなくなっている」と。「一緒にやってほしい」と声をかけていただいたとき、真っ先に浮かんだのが、ユマニチュードに関する記事だったんです。
▶点滴の針を抜き、薬も断固拒否!一体どうすれば?
この記事は
ライター
小林真由美
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