義母の「入浴拒否」がついに解決!?覚えておいて。介護拒否や暴言、認知症の「困った症状が自然と消える」4つの方法とは【医師に聞く】

覚えておいて! 介護拒否や暴言、“困った症状が自然と消える”ケア技法【4つの柱】

―――本書の中で「ケア技法」という言葉を見たときは、一瞬「できるかな?」と心配しましたが、特別な技術というよりは、「見る」「話す」など日常的に行っている身近なもので。すぐに「やってみよう!」と思える内容でした。

 本田:このケア技法「ユマニチュード」(※)は、誰もが学べて実践できる具体的な技術です。私たちが好きな人に対して「本能的」に行っているコミュニケーションを、「困ったな……」と感じる方々に対して「意識的」に行います。では、基本となる4つの柱とそのポイントを少しご紹介しますね。

(※)「ユマニチュード」:1979年フランス発祥のケア技法で、認知症をもつ方に対しても有効性が認められている。「相手の尊厳を守る」「ケアを受ける方と深い信頼関係を築く」といった理念に基づき、単に身体のケアをするだけでなく、心を通わせることを重視する。

 

【ユマニチュード「4つの柱」】

1. 見る:相手の正面からアイコンタクトをとります。距離はできるだけ近く、長く見つめます

2. 話す:穏やかな調子で、ゆっくりと抑揚をつけた話し方で、前向きな言葉を選びます

3. 触れる:触れる手は自分は意識していなくても、さまざまなメッセージを相手に伝えています

4. 立つ:人の体は立つことで身体的にも精神的にも、最もその機能を発揮することができます 

 

【ユマニチュードの4つの柱】ポイント

1. 想像以上に狭い「視野」 視野に入って話しかける

声をかけても返事がない、というときには、自分が相手の視野に入っていないからかもしれません。「見る」技術は「見てもらう」技術でもあります。

目の前に突然誰かが出てくるとびっくりするので、3メートルぐらい離れたところから相手の視線をつかむ気持ちで、アイコンタクトをとり、目を合わせたまま近づいていきます。

 

2. 黙ったまま介護をしない 自分が行っているケアを言葉にする

認知症をお持ちの方のケアをするときには、できるだけ手早くすませなくてはとテキパキと無言で行ってしまいがちです。しかしそれでは、「あなたを大切に思っています」というメッセージが相手に届きません。

とはいえ、ケアの間ずっと話し続けるのはなかなか難しいことです。その一方で、ケアのときには私たちの手や体は動いています。この動きを実況することで、私たちは言葉を紡ぎ続けることができます。

 

3. 優しさを伝える「触れ方」 つかむのではなく、広い面で支える

相手に触らずにケアをすることはできません。また、できるだけ手早くしようと思うと、相手の体をぎゅっとつかんで持ち上げることになりがちです。相手をつかむことは、相手に「あなたの自由を奪います」というメッセージとして伝わります。

相手の体の部分を持ち上げる時には「絶対につかまない」と気をつけながら、下から支えることで相手の自由を尊重します。触れる面積を大きくすることも大切です。

 

4. 1日20分「立つ」を目標に 40秒立てれば立位のケアが取り入れられる

40秒立つことができれば、その間に体の一部分のケアができます。

そのために必要なのは、まず「安定して立つ」ことです。足元を広く確保して肩幅くらいの足幅にすると、「支持基底面」という重心を支える床面積を広くすることができます。

毎日のケアの中で何秒立てたかを記録しておくと、立つ時間を少しずつ長くできるようにする目安となり、励みになります。合計で20分立つことができれば、亡くなるその日まで立つ力を持ち続けることができます。

 

 本田:最初は、この4つの柱を基に「形から入る」でOK! ケアを通じて「あなたのことを大切に思っている」ということが伝わると、相手の不安な気持ちは解消されて、良い反応が返ってくるようになります。そうすると、私たちもうれしいですよね。意思疎通が図れるようになれば、介護拒否や暴言などの【周辺症状】も自然と消えて、ケアがスムーズになります。

 

ジネスト:「介護をしに行く」のではなく、「好きな人に会いに行く」とイメージしてみてください。そういった意識を持つと、必ず変化が訪れます。たとえば、お母さんは苦い薬を飲みたくない、でも、良い関係の相手に言われたら「じゃあ、飲むわ」と受け入れてくれるようになりますよ。

 

▶義母の入浴拒否が解決!その方法とは

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