義母の「入浴拒否」がついに解決!?覚えておいて。介護拒否や暴言、認知症の「困った症状が自然と消える」4つの方法とは【医師に聞く】

「横」ではなく「正面」から声をかけたら、義母の「入浴拒否」問題が解決

―――先日、4つの柱の中の「見る」を実践してみました。義母の正面からアイコンタクトをして声をかけたら、かなり反応が良くて。だんだん意思疎通が図れるようになり、拒否しがちな入浴にも応じてくれる回数が増えました! 振り返ってみると、「機嫌が悪いのかな」と感じたときは横から声をかけていたような……。そもそも、存在を認識されていなかったんですね。

本田:トイレットペーパーの芯をのぞいている程度の視野が、認知症の方に見えている世界です。認識できる視野がせまいので、ご本人の横や後ろから声をかけては、相手は誰かがそこにいる、という存在を認識できません。

 

自分には相手の姿が見えていても、相手には見えていないことが多いんですよ。だから、3メートルぐらい離れたところから、目を合わせたまま近づく」。そして、「相手の視界の中心に自分がいる」と確認したら、相手の瞳をとらえます。大事なのは、相手に情報をどうやって入れるか?」ということ。これを踏まえると、ケアが良い時間に変わります。そういう意味でも、視覚情報は重要なポイントです。

 

―――何よりも、相手に「見てもらう」ことが大切なんですね。

ジネスト:そのためには、かなり親密な空間まで近づくことになるでしょう。心地よく感じる他人との距離(パーソナルスペース)は、腕1本分とも言われていますが、認知の機能が低下した人には、これをグッと近づける必要があります(目安は、子どもを抱きかかえたときの顔の距離)。

 

私たちは友だちや恋人など、親しい関係にある相手とは近い距離で接しますよね。同じように、ケアのときに親密な空間に入ると、「(この人は)私にとって親しい間柄の人だ」「良い人だ」と思ってもらうことができ、意思疎通が図れるようになります。

 

―――相手に「見てもらう」ことができて、「入浴拒否」が少なくなったのにはビックリです。入浴の時間はいつも不安そうだった義母が笑顔を見せたとき、私も自然と笑っていて! 引き続き、前向きにケアを実践してみます。

 

◆「介護」の捉え方が180度変わる!行き詰まっている方にぜひ一度読んでいただきたい一冊

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■『認知症の方と意思疎通が取れる 介護シーン別 ユマニチュード式「話し方・行動」実践編』講談社刊(税込2,200円)

本書はわたしたちが見ている「今」ではなく認知症の方が見ている「今」に飛び込み、ご本人の不安な気持ちを取り除く技術を「介護シーン別」に徹底解説。パラパラとページをめくるだけでも、見出しやイラストで「困っていること&解決策」がすぐに分かる構成。現在、介護をしている方はもちろん、これから介護をする方にも、ぜひ手に取っていただきたい一冊。

 

認知症ケアの新しい技法として注目を集める「ユマニチュード」。わたしたちが介護をするときに困ってしまう認知症の周辺症状(妄想・暴言・不安・幻覚・不眠・徘徊・・・etc)は認知症の方の不安な気持ちがきっかけになって発症します。

「お風呂に入ってくれない」
「食事を食べてくれない」
「20年前に定年退職した会社に出勤しようとする」
「同じ質問をなんどもしてくる」

など、今困っていることをピンポイントで調べ、対処法がわかる事典的な構成。困ったときにすぐ調べられて、忙しい介護シーンでも使いやすい!

認知症になってから全く意思疎通が取れなかったお相手が、かつての大好きだったご家族の姿を取り戻す。それが「ユマニチュード」のケア技法です。

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【ユマニチュードとは何か】
●フランスで50年近く実践されてきた、“人間らしさ”を尊重するケア技法
認知症である前に尊厳のある人間に対する敬意を最重要視することを前提に、「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの技術を大きな柱に、誰もが再現可能な技法としてまとめられました。寝たきりだった認知症の方がユマニチュードによって立ち上がることができるようになるケースもあり、それは「まるで魔法」と表現されるほどです。

●効果が科学的に実証された
日本では2012年ごろから紹介されはじめ、NHK「あさイチ」など多くの番組で取り上げられました。全国の医療施設・介護施設や地方自治体(福岡市)で導入され、効果が検証されました(ユマニチュードで認知症の行動・心理症状が改善し、介護者の負担感が軽減することが証明された)。

 

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お話・著者:本田 美和子 東京医療センター医師

国立病院機構東京医療センター 総合内科医長/医療経営情報・高齢者ケア研究室 室長。1993年筑波大学医学専門学群卒業。内科医。亀田総合病院、米国コーネル大学老年医学科などを経て、2011年より日本でのユマニチュードの導入、実践、教育、研究に携わり、その普及・浸透活動を牽引する。

 

お話・監修:イヴ・ジネスト 「ユマニチュード」の考案者

ジネスト‐マレスコッティ研究所長。フランスのトゥールーズ大学卒業(体育学)。1979年にフランス国民教育・高等教育・研究省から病院職員教育担当者として派遣され、病院職員の腰痛対策に取り組んだことを契機に、看護・介護の分野に関わることとなった。

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