もう、故郷に帰っていいですか?-42歳・栄子の場合(3)-【40女の恋愛事情・story5】

2016.10.25 LOVE

私の人生、何だったんだろう。

今からでもいろんなことを新しく始めることはできる。でも、あの人、妻子のいる彼は。

日頃語られることのないアラフォー女性の恋愛事情をクローズアップした小説、【40女の恋愛事情】

42歳・栄子の場合、1回目2回目に続き、完結の3回目です。

Idyllic rural landscape with road between two fields.

もう故郷に戻ろう。

でも、故郷に戻る私は、なんて空っぽなんだろう。

 

20年も東京で働いていたはずなのに、大した貯金も残っていない。

何か大きな仕事を成し遂げたということもない。

恋人もいないし、特にこれといって趣味もない。

 

母が先日言っていた言葉が、今頃になって胸に刺さる。

「近所の真奈美ちゃんとの子、来年から中学生なんだって。早いね」

「小学校の同級生の絵理ちゃん、こないだ雑貨のお店を開いたんだよ。開店資金ずっと貯めてたんだって」

 

知り合いの近況として何気なく話したことなのだろうけれど、どうしても、今の自分と比べてしまう。

私には子どもどころか、結婚の予定すらない。

お店を開くような資金もない。

何もないことが、急に怖くなってくる。

 

まだ、間に合うだろうか。

何かひとつでいい、これが私、と言えるものを、作りたい。

こっちに帰って来れば時間はできるだろうから、勉強を始めてみようか。

アロマや調理師の資格を取ってみるのもいいかもしれない。

それとも料理学校に通って、結婚準備にするのもいいかもしれない。

 

これから始めたってきっと、遅くない。

人生これからだと思って、1からリスタートすればいい。

まだ、きっと間に合うはずだ。

 

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