「老後の貯金が消えてる…!」夫の借金を知った妻が、ついに始めた「離婚へのカウントダウン」
消えた老後資金
もしや、という不安が頭をよぎります。老後のために少しずつ積み立てていた口座の残高を確認すると、そこにあるはずのお金が減っていました。夫が、いつの間にか引き出していたのです。
「どうして老後の貯金を使ったことを黙っていたの?」
Mさんがそう尋ねると、夫は逆に怒鳴りました。
「お前には関係ない。俺の金だ。俺が管理する」
烈火のごとく怒り出したのです。
・家庭の財政情報を妻に知らせない。
・最低限のお金しか渡さない。
・家庭の貯金を勝手に使う。
これは、経済的DVそのものです。
経済DVとは
経済的DVとは、お金を使って相手を支配・コントロールする行為です。殴る、蹴るといった身体的な暴力とは違い、目に見えないため「暴力」と気づかれにくいものですが、その傷は確実に積み重なっていきます。生活費だけを渡して家計の全体像は隠す。妻が家庭の財政状況を知ろうとすると「関係ない」と遮断する。老後のために積み立てていた口座を無断で引き出す。これらはすべて、お金という手段を使った支配です。
Mさんは「妻」であるにもかかわらず、自分の家庭のお金がどうなっているのかを知る権利を奪われていました。クレジットの明細を見ることがなければ、この事実を知らないまま生活を続けていたかもしれません。
「俺が稼いだ金」その言葉によって、何も言えなくなっていたのです。
夫の「見栄」のために、いつも家庭が犠牲になります。Mさんの節約も、子どもたちの学びの我慢も、すべて夫の見栄のために強いられていたのです。外では「いい夫」「頼りになる経営者」を演じながら、家庭の中では妻の発言を封じ、家計の実態を隠す。この二面性こそが、モラハラの巧妙さです。周囲には、その苦しさは伝わりません。
誰かに相談しようとしても、
「でもご主人って、すごく優しい人よね」
と言われてしまう。
そのたびに、Mさんはさらに孤立していきました。
お金の流れを握るのは夫。使い道を決めるのも夫。それなのに、家計を回す責任と精神的な苦しさだけが、Mさんに押しつけられていました。このような状況が長く続くと、「言っても無駄」という感覚が、体に染み込んでいきます。何を言っても変わらない。何を言っても怒られる。その経験が積み重なることで、「自分が何をしても意味がない」という感覚が育っていきます。
心理学では、これを「学習性無力感」と呼びます。感覚が麻痺し、「おかしい」という直感さえ信じられなくなっていくのです。
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