「外に出られる気がする」引きこもりだった長女が動き始めるまで

2026.04.26 LIFE

自室から出てきて食事を一緒にとれるように。Aさんと長女に起きた変化とは

これまでAさんは、「どうすれば良くなるか」をずっと考えてきました。学校に行けるようになること。社会に出られるようになること。親として当然の願いです。けれど、「成長の順番」という考え方を知ってから、Aさんは関わり方を少しだけ変えてみることにしました。最初に意識したのは、「まず信頼から」ということでした。

 

長女が落ち込んでいるとき、以前なら「大丈夫」「またやり直せるよ」と励まそうとしていたそうです。しかし、その日からAさんが口にしたのは、まったく違う言葉でした。「つらいんだね」それだけにとどめるようにしたそうです。正解を教えようとするのではなく、まず受け止める。すると長女は、少しだけ話し始めたといいます。劇的な変化ではありません。けれど、それまでより会話が続くようになりました。

 

Aさんはそのとき、はじめて気づいたそうです。「私はずっと、この子を無理やり前に進ませようとしていたんだ」と。

 

その後、Aさんはもう一つのことを意識するようになります。大きな課題を一度に求めないこと。代わりに「ちょっと頑張ればできそうなこと」を探すようにしました。

 

例えば、長女が外出することを嫌がるとき、以前なら「少しでも外に出ないと」と言っていたそうです。

 

その日からこのように声をかけ続けたそうです。「大丈夫。まずはいつかご飯を一緒に食べられたら嬉しいよ」と。ご飯は自室に引きこもって食べていたので、このように新しい枠を設けたのです。強制の空気を漂わせないように。すると長女は1週間後から、リビングに出て一緒に食事をとるようになったそうです。外から見れば、小さな出来事かもしれません。けれど、本人が自分で選び、動き、枠をクリアした。その視点を、Aさんは少しずつ理解していきました。もちろん、順調な日ばかりではありませんでした。調子が良い日もあれば、また落ち込む日もある。

 

以前のAさんなら、その揺れを見るたびに不安になっていたそうです。「このままで大丈夫なのかな」と。それでも、Aさんは思い出すようにしていました。

 

成長には順番がある。

 

今は、信頼を作る段階なのかもしれない。今は、承認の段階なのかもしれない。そう考えると、関わり方も少し変わってきました。長女が落ち込んでいるとき、Aさんはただそばにいることも増えました。そして、ほんの小さな変化を見つけたときに言葉をかけるようにしたそうです。「さっきより顔が楽そうだね」「今日は少し話せたね」すると長女の表情が、少しずつ変わっていき、ある日、こう言ったそうです。

 

▶「成長の順番」を実践。長女が放ったひと言は

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