「気のせいじゃなくて、元気になってきたかも」過敏性腸症候群が3つのツボで改善⁉松尾芭蕉も愛用したツボとは【現代の科学で裏付け!】
松尾芭蕉もびっくり⁉経験則が科学で裏付けられる
電気鍼については、別の研究もありました。
東洋医学の世界で超有名なツボに「足三里」があります。足がだるいとき、胃の調子を整えたいとき、なんとなく元気が出ないとき―あるいは、複雑な症状のときも、何度となくこのツボに助けられてきた鍼灸師のお守りのような大事なツボです。
あの松尾芭蕉も『奥の細道』の旅の途中で、足三里にお灸(きゅう)をすえながら歩いた、という話が残っているくらい、古くから愛されているツボです。
私も臨床でよく使います。足がパンパンの人、胃がキリキリする人、元気が出ない人。そんなときに足三里を使うと、みなさん「なんか、ちょっと元気が出てきた気がします」とよく言ってくれます。
で、ここまでは「昔からの経験則」ですよね。ところが最近、スペインから出た論文の中に、こんな話が報告されました。マウスの足三里に鍼をすると、鬱(うつ)を抑えるはたらきを持つエクソソームが増えるが、足三里〝以外〟に鍼をしても、そのエクソソームは増えない――という内容です。
エクソソームとは、細胞がせっせと出している「伝言カプセル」のようなものです。身体には約37兆個の細胞がいるといわれていますが、その細胞たちは好き勝手バラバラに生きているわけではなく、ちゃんとお互いに連絡を取り合いながら働いています。
そのときに登場するのが、エクソソーム。細胞たちはこの小さなカプセルの中に自分の情報をぎゅっと詰め込んで、こう言っているわけです。
「今、こんな状態だよー」
「ここ、ちょっと修理お願いしまーす」
そんな感じに細胞から細胞へ伝言がひっきりなしに飛び交っています。こうしてエクソソームが全身を巡ることで、細胞修復のスピードが上がるのです。それゆえ、鬱病による脳内の炎症や損傷した神経の修復にも効果が期待されています。
つまり、「足三里に鍼をして元気が出る気がする」という患者さんの感覚は、どうやら〝気のせい〟ではなかったようです。何千年も前から「ここを使うと元気が出るんだよ」と言われ続けてきたツボに、現代の科学がそっと「理由」を添えてくれた。
この論文を読んだとき、私はすごく勇気とロマンをもらいました。
ここまでの記事では、東洋医学で用いられてきたツボの働きと、近年の研究結果についてご紹介しました。続く関連記事では、「抜け毛とツボ押し」の関係をご紹介します。
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■著者略歴: 白石明世(シライシアキヨ)
5歳よりクラシックバレエを始め、14歳で中国・上海京劇学院バレエ専科へ留学。上海で出会った「20世紀の革命」と称されるモーリス・ベジャールの作品に強い衝撃を受け、17歳でスイスへ留学。20歳の時に腰痛が悪化し、日本へ帰国。その後、身体と向き合う道を志し、2010年に東京衛生学園鍼灸専門学校へ入学。はり師・きゅう師の国家資格を取得後、鍼灸院での勤務を経て、2016年に原宿で「白石明世身体相談所」を開院。2022年には表参道・骨董通りへ移転し、「EN body conditioning salon」として新たにスタートする。これまでに2万人以上の患者の育毛・健康をサポートする育毛鍼灸師として高い支持を集め、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」出演をきっかけに“予約の取れない鍼灸師”として話題に。「不調の8割は原因不明」とも言われる現代において、東洋医学的アプローチによる施術で、心身の違和感や悩みに寄り添い続けている。
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