「ご承知おきください」は上から過ぎ!ちょうどいいメールの丁寧語って?

先日、ある会議の時間変更があり、メールで連絡を受けました。「以上の理由によりやむなく変更といたします。ご承知おきください」。

確かに相手側にとってはやむを得ない事情のようなのですが、召集されている人たちも暇ではないわけです。現に私の場合は次の会議への移動の関係から、その会議を中座しなければいけませんでした。

この「ご承知おきください」という言葉により、私は「下に見られている」という感覚を抱いたのですが、今日はこの「ご承知おきください」について。

 

「承知しました」はOKで「了解しました」がNGなわけ

承知
1 旨をうけたまわって知ること。知っていること。
2 聞き入れること。承諾。
3 打ち消しの意を伴って、とがめずに見逃すこと。許すこと。

「承知」は、「承知しました」に代表されるように、「わかりました」の意味で使われることが多いですよね。私の友人で鉄道会社に務める人がいるのですが、「これ、よろしくね」とか「何時にどこどこね」というと「承知!」と返してきます。これ、実は正しい言葉選びをしているのです。

 

同じような意味に「了解」があります。こちらの方は「承知」よりも上の立場の人が使う言葉なのです。なぜかということを簡単に説明すると、「了解しました」はただの丁寧語で、「承知しました」は謙譲語だからです。

 

ビジネスシーンでは上下関係が複雑ですが、例えばこれがホテルのフロントなどのように、ある意味主従関係がはっきりしているシチュエーションでは、その差は歴然です。ホテルのフロントで「了解しました」という言葉は聞いたことがないでしょう?

 

それくらい「承知しました」はへりくだったことばなのです。「かしこまりました」に近いかもしれませんね。

 

「ご承知おきください」は配慮も要求する

さて、この「ご承知おきください」ですが相手に「承知」を強要していると考えると、とてもわかりやすいと思います。一見「ください」もついていますし、丁寧な言葉のように感じますが、言い換えれば「承知しておいてくださいね」と言っているようなものです。つまり、相手に「配慮」も強要しているのです。

 

先ほどの会議の例で言うと、
「以上の理由によりやむなく変更といたします。ご承知おきください」
は、大げさに書くと、
「こんな理由で、仕方なく会議の時間を変更せざるを得ない状況なの。事情を理解して、私たちに配慮してね」
このような感じになるでしょうか。

 

あまり気にしない人もいるかもしれませんが、気にする人がいる可能性が少しでもあるのであれば、使わない方が無難です。

 

「了解いただきたい」ときのメールの表現2つ

「ご承知おき」には2種類の使い方があります。先ほどの、会議の例のように、その場で「こうなったことを理解してほしい」という場合と「すでにご存知かと思いますが」のニュアンスで使う場合です。前者は「ご承知おきください」とは使わずに、理解と協力を求める文に変えた方がいいでしょう。

 

改善前
「以上の理由によりやむなく変更といたします。ご承知おきください」

改善後
「以上の理由によりやむなく変更といたします。ご迷惑をおかけしますことを、お詫び申し上げます」

または

「以上の理由によりやむなく変更といたします。どうかお含み置きください」

のように「含み置く」を代わりに使っても良いでしょう。「承知」は謙譲語ですが「含み置く」はその意味はありませんので、相手に使っても失礼にあたりません。

 

「すでにご存知かと思いますが」のニュアンスで使う後者の場合は、次のようになります。

 

「皆様におかれましては、すでにご承知おきのことと存じますが」

このような場合は「承知おき」は使えます。それでも他の言葉に置き換えた方が無難です。

「皆様におかれましては、すでにご存知のことと察しますが」

 

以上のように「ご承知おきください」は、相手に対し「知っておいてほしい」と伝えるだけでなく、「配慮してください」という意味まで添えてしまいます。目上の人には失礼にあたります。
他の言葉に置き換えたり、そもそも伝えていなかったことをお詫びしたり、そのような対策をしっかりとりましょう。

 

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