「ラジオ局」ってどのくらい稼げるの?実は意外と安定しているらしい…教養として知っておきたい「ラジオ業界のお金事情」

2026.05.30 LIFE

スマートフォンがあればいつでも動画や音楽を楽しめる今、なぜあらためて「ラジオ」が注目されているのでしょうか。かつての身近なメディアという印象とは違い、若い世代にも支持が広がり、広告やイベントなどビジネスの面でも存在感を高めています。

こうしたラジオ業界の状況を、教養の視点からひもといているのが、元ハガキ職人で現在は映画パーソナリティとして活躍するコトブキツカサ氏です。本記事では、コトブキ氏の著書から、「ラジオ局の収入の現状」について紹介します。

※本記事は書籍『教養として知っておきたいラジオの世界』(コトブキツカサ:著、濱口英樹:監修/日本実業出版社)から一部抜粋・編集したものです

 

ラジオ局を支える収入の現状

民放ラジオ局の売上は、テレビ局よりも広告収入(放送収入)の占める割合が非常に高いのが特徴です。正確な数字は公表されていませんが、2026年1月時点では広告収入が売上全体の大半を占め、残りはイベントやグッズ販売、デジタル配信などの放送外収入が支えています。

電通発表の『日本の広告費2024』によると、ラジオ広告費は2024年まで4年連続で伸長(2024年は1162億円/前年比102%)。総広告費(7兆6730億円)の1.5%で、雑誌広告費とほぼ同等です。

2014年からの10年間で見ると、テレビが1兆9564億円→1兆7605億円(90%)、新聞が6057億円→3417億円(56.4%)、雑誌が2500億円→1179億円(47.2%)とほぼ半減するなか、ラジオは1272億円→1162億円(91.4%)と健闘しています。

業種別では、日常シーンに溶け込みやすいラジオメディアの特徴を生かした広告が増加した「食品」(前年比117.8%)や、コロナ禍からの回復や外出・行楽需要が前年に続き高まった「交通・レジャー」(同116.6%)などが二桁成長を記録。

金額で見ると、全21業種のうち最大は「外食・各種サービス」で206.4億円、2位「交通・レジャー」99.7億円、3位「食品」99.3億円、4位「情報・通信」90.6億円、5位「薬品・医療用品」81.7億円となっています。

一方、ラジオデジタル広告費(ラジオ放送事業者が主体となって提供するインターネットメディア・サービスにおける広告費)は2023年の27億円から34億円(前年比121.8%)に急成長。

さまざまな音声コンテンツを届ける音声メディアへの関心が高まり、radikoを含むデジタルオーディオ広告の増加が寄与しました。地上波ラジオ放送とSNSやポッドキャストなど、デジタルとの展開を融合させた施策の実施によって、今後さらなる拡大が予想されます。

コロナ禍が一段落した20024年はラジオ放送事業者主体のリアルイベントも多数開催されました。番組コンテンツの人気の高まりを受けイベント規模が拡大しており、今後もそうした傾向が続くものと思われます。

 

ラジオ広告の特徴

ラジオ広告の特徴として挙げられるのは以下の4点です。

1.他のマス媒体と比べて単価が安く、コストパフォーマンスがよい(テレビよりも一社提供がしやすい)
2.地域ごと、時間ごと、状況による素材の差し替えなどに柔軟に対応
3.尺のバリエーションが豊富(5〜120秒/基本は20秒)
4.さまざまな展開が可能(生CM、イベント連動など)

なお、ラジオ広告には番組を提供する「タイム広告」と、局が指定した時間に放送される「スポット広告」があります。

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タイム広告は長期的なブランドイメージの形成に向いており、スポット広告は期間・回数・時間帯を柔軟に選べることから短期間のキャンペーンに有利と言えるでしょう。それぞれの特徴は上表のとおりです。

 

ここまでの記事では、「ラジオ局の収益」についてご紹介しました。つづく関連記事では、「ラジオを支える収入の仕組み」をより詳しくお届けします。
つづき>>「ラジオは古い」は勘違い!再びブームになりつつあるラジオを支える「収益」って?熱狂的なファンがもたらす意外な収入源

 

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著者:コトブキ ツカサ(ことぶき つかさ)
映画パーソナリティ/エンタメ評論家。1973年11月16日生まれ。静岡県富士宮市出身。和光大学人文芸術学科中退。日本工学院非常勤講師。学生時代よりペンネーム「イングリティ佐野」として、ロックバンド「筋肉少女帯」のボーカリストである大槻ケンヂ氏の「オールナイトニッポン」などの常連投稿者としても活躍。学業と並行して芸能事務所に所属し タレント活動を開始。2010年からは映画を紹介する仕事を本格的に始め、ラジオをはじめとする数々のメディアで活躍。日本初の「映画パーソナリティ」として確固たる実績をあげている。主なレギュラーラジオ番組に、「コトブキツカサのオールナイトニッポンi」、「うどうのらじお」(以上、ニッポン放送)、「おはよう寺ちゃん 活動中」(文化放送)、「田中みな実 あったかタイム」(あったかファミリー一員:TBSラジオ、)などが、著書に『教養として知っておきたい映画の世界』(日本実業出版社)がある。チャッターボックス所属。

監修者:濱口 英樹(はまぐち ひでき)
ラジオ番組パーソナリティ/構成作家。歌謡曲愛好家として雑誌やWEBに寄稿するかたわら、CD/DVDの企画監修・選曲・解説を担当。ラジオ番組のパーソナリティ・構成作家としても活動。主な著書に『ヒットソングを創った男たち~歌謡曲黄金時代の仕掛人』(シンコーミュージック)、『作詞家・阿久悠の軌跡 没後10年・生誕80年 完全保存版』(リットーミュージック)などがある。

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