「防災セットにラジオ」は常識だけど、正直なぜ?福山雅治も出資した「コミュニティFM」の重要な役割とは
若い頃、お気に入りの番組を楽しみにラジオをつけていた人も多いのではないでしょうか。今ではスマートフォンやSNSが情報源の中心となりましたが、実はラジオは今も地域に欠かせない存在として役割を広げています。
特に災害時には、身近で信頼できる情報源として人々の命を支えてきました。それでも、ラジオがどのように地域と結びつき、どんな価値を持っているのかを意識する機会は少ないかもしれません。こうしたラジオの役割を丁寧に解説するのが、元ハガキ職人で映画パーソナリティとしても活躍するコトブキツカサ氏です。
本記事では、コトブキ氏の著書から、教養として知っておきたい「コミュニティFMの役割」と、ラジオが地域社会を支える理由をご紹介します。
※本記事は書籍『教養として知っておきたいラジオの世界』(コトブキツカサ:著、濱口英樹:監修/日本実業出版社)から一部抜粋・編集したものです
地域住民の命を守る役割も果たすコミュニティFM
コミュニティFM局は1992年の法改正により全国に拡大し(2025年時点で約345局)、地域の災害情報やローカル文化を発信する重要なメディアとして機能しています。2011年3月の東日本大震災では、コミュニティFMが地域住民に情報を届ける大きな役割を果たしました。
コミュニティFMの存在意義は、地域社会に密着した情報発信とコミュニティの結びつきを強化することにあります。地元のニュース、イベント情報、天気などを迅速に伝えることで地域住民の生活に貢献。特に災害時は、災害情報伝達手段として避難勧告などをリアルタイムで届け、命を守る役割を果たします。
そして、地元の文化、伝統、音楽、アーティストを紹介することで地域のアイデンティティを強化し、住民の誇りや愛着も育んでいるのです。
また、地元の人々が、リスナーとしてだけでなく番組制作にも参加することで、大手メディアでは取り上げられにくい地域の声、例えば地元の課題(環境問題、子育て、高齢者支援など)などが反映され、対話を促進する場や、コミュニティの一体感が生まれる場にもなっています。
地元企業や商店、イベントの広告・告知を通じて地域経済を支援する役割を担う点も大きな特徴です。
廃局した地域に新たな放送局が復活するケースも
CQ(シーキュー)は、東京都渋谷区全域および港区・新宿区の一部を放送区域とするコミュニティFM放送「渋谷のラジオ」(87.6MHz)を運営するNPO法人で、2015年3月に設立。放送は2016年4月にスタートしました。かつて渋谷区で放送していた「SHIBUYA-FM」(78.4MHz)が2013年に廃局して以来、約3年ぶりに同地区にコミュニティFMが復活した形となります。
開局にあたっては出資者の一人にシンガーソングライター・俳優の福山雅治が加わり、代表理事をクリエーターの箭内道彦(2020年7月に西樹氏に引き継ぎ、現在は名誉局長)が務め、番組審議会には亀田誠治(音楽プロデューサー)や高橋靖子(スタイリスト)らが参加するなど、著名な人物が関与し、渋谷区商店会連合会の協力も得て運営。
地域密着型の情報発信にとどまらず、音楽や文化など多面的な情報も取り上げ、地域住民や関係者との連携を深めています。
コミュニティFMは単なる放送局ではなく、地域の「繋がり」を作り、住民の生活を豊かにする重要なインフラです。特に日本では、地方の過疎化や高齢化が進む中、こうしたメディアが地域の活力を維持する役割を担っているのです。
ここまでの記事では、「コミュニティFMの役割」についてご紹介しました。つづく関連記事では、最近伸びている「ポッドキャスト市場の現状」をお届けします。
つづき>>ポッドキャストで年収30億円⁉ハリウッドセレブも注目する「デジタル版ラジオ」の仕組みと収益を解説
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著者:コトブキ ツカサ(ことぶき つかさ)
映画パーソナリティ/エンタメ評論家。1973年11月16日生まれ。静岡県富士宮市出身。和光大学人文芸術学科中退。日本工学院非常勤講師。学生時代よりペンネーム「イングリティ佐野」として、ロックバンド「筋肉少女帯」のボーカリストである大槻ケンヂ氏の「オールナイトニッポン」などの常連投稿者としても活躍。学業と並行して芸能事務所に所属し タレント活動を開始。2010年からは映画を紹介する仕事を本格的に始め、ラジオをはじめとする数々のメディアで活躍。日本初の「映画パーソナリティ」として確固たる実績をあげている。主なレギュラーラジオ番組に、「コトブキツカサのオールナイトニッポンi」、「うどうのらじお」(以上、ニッポン放送)、「おはよう寺ちゃん 活動中」(文化放送)、「田中みな実 あったかタイム」(あったかファミリー一員:TBSラジオ、)などが、著書に『教養として知っておきたい映画の世界』(日本実業出版社)がある。チャッターボックス所属。
監修者:濱口 英樹(はまぐち ひでき)
ラジオ番組パーソナリティ/構成作家。歌謡曲愛好家として雑誌やWEBに寄稿するかたわら、CD/DVDの企画監修・選曲・解説を担当。ラジオ番組のパーソナリティ・構成作家としても活動。主な著書に『ヒットソングを創った男たち~歌謡曲黄金時代の仕掛人』(シンコーミュージック)、『作詞家・阿久悠の軌跡 没後10年・生誕80年 完全保存版』(リットーミュージック)などがある。
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