約6割の日本人が間違えている日本語「敷居が高い」

バラエティ番組でもよく見かける「日本語の誤用」。やっぱり日本人だもの、ちょっとは気になりますよね。しかも、誤用には世代差があるらしい? 文章力養成コーチが「よくあるまちがい」をこっそりご指摘します。今回は「敷居」と「ハードル」です!

「敷居が高い」本来の意味を知っておきましょう

 

【敷居が高い】

先方への不義理などで訪問しにくい (三省堂ウェブディクショナリー)

相手に不義理なことをしているために、その人の家に行きにくくなる、また、その人に会いにくくなる状態を言う語 (現代国語例解辞典)

 

そう。お店がどうなのかではなく、こちらの心の問題なのです。

例えばこんなシチュエーションならOKです。

 

隣の家に生えている柿の木が、我が家の庭に実を落とすので、こっそり食べていた

ところが、さきほど「柿が沢山実りましたので、取りにいらしてください」と言われた。

敷居が高くて、とても行けないわ。

 

こんなふうに使っていたらNG

自分には高級すぎるなど、身分不相応な店に対して「あの店は敷居が高くて入れない」などのように使う誤用が増えているようです。

「敷居が高い」の意味について尋ねた文化庁の調査結果は以下のとおりです。

 

例文:あそこは敷居が高い。

(ア)相手に不義理などをしてしまい、行きにくい・・・・42.1%

(イ)高級過ぎたり、上品過ぎたりして、入りにくい・・・45.6%

(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・10.1%

(ア)、(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・0.3%

分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.9%

年代別では、40代を境に、50代以上では本来の意味である「相手に不義理などをしてしまい、行きにくい」、30代以下では「高級過ぎたり、上品過ぎたりして、入りにくい」を選んだ人が多くなっています。

 

出典:平成20年度文化庁「国語に関する世論調査」より

http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/h20/

年代別のグラフもありますので、自分の年齢では正答率がどれくらいか見てみましょう。

 

敷居はもともと低いものです!

敷居とは、門の内外を仕切る戸や障子、ふすまなどを開け閉てする為に、地面や床に渡した溝付きの横木のこと(講談社『語源辞典』)

つまり、もともと低いものです。高かったらつまづいてしまいます。

これを高く感じる。つまり、入りにくいという心理状態を表しているのです。

確かに、入りにくい心理状態という点では、高級ブティックなども近い状況かもしれませんが、本来スーッと入れる場所に入りにくい、この「本来」というニュアンスを落とさないように覚えたいものです。

いつも出入りしていたあの店、あの人の家に、入りづらくなった。

それは、相手が格調高いからではなく、こちらに入りづらくなるような不義理があったということ。

そう覚えれば「あの店は敷居が低くて入りやすい」という二重に間違えた文も、誤用だと気づくでしょう。

 

では、ハードルが高いはどうでしょう?

「ハードルが高い」という言い方も存在します。

「この仕事は、あの子には少しハードルが高いんじゃないかしら」

これはなかなか興味深い言い換えですね。

この場合は、練習を積めば「乗り越えられる」という雰囲気が漂っています。

ただ、格調高いお店に入るのに、練習を積むというのもおかしな話ですよね。

しかも、なんだか入るのにみっともない格好になりそうです。

では、「身分不相応で入りにくい」時には、どう言ったらいいのでしょう。

そうですね、そのまま「身分不相応で入りにくい」「高級そうで入りづらい」と言えばいいのです。

 

間違わないようにするために例文を書いてみましょう

上に書いた例文を参考に、本来の意味での「敷居が高い」を使用した例文を考えてみましょう。

一文でも書けば、忘れにくいものです。

例 あの呑み屋のつけをもう2年も払っていない。今さら敷居が高くて入れやしない。

 

自分のレベルを上げて敷居をまたごう!

今日は「敷居が高い」について勉強しました。例文も書けましたか?

もうこれで、この言葉は言い間違えませんね。

でももし、後輩がこの言葉を間違って使っていたらどうしますか?

「先輩、あのお店、敷居が高くないですか?」

「あら、あのお店は自動ドアだからそんなことないんじゃないかしら。」

後輩の言い間違いをさらっと受け流す、そんなレベルの高い女性を目指しましょ!

 

(文/国語教師・文章コンサルタント・文章力養成コーチ 松嶋有香)

スポンサーリンク

大切なものを失くしたとき。喪失感から立ち直る3ステップ

人は生きていく過程で、時として、大切な何かを失うことがあります。それも、予期していなかったかたちで、突然に、です。すると、絶望のあまり茫然自失の状態になったり、…

心がつらくなったら。ストレスが軽くなる10分の「リフレーミング」を

あー!悲しい、という気持ちで心がいっぱいになってしまったこと、誰でもありますよね。もう涙が枯れるまで泣いたりしたこと、ありますよね?たとえば、大好きな恋人との破…

魔法の1フレーズで激怒もスッと収まる「アンガーマネジメント」

突然ですが、みなさんのメンタルは「健やか」ですか?私たちは生活を続けている限り、さまざまなストレスから逃れることはできません。でもストレスを感じた時に早めになん…

あえて「空気を読まない」。もっとのびのび生きるためのコツ

世に言うKY、つまり空気を読まないで行動することは、果たしてそんなに悪いことでしょうか?ちょっと窮屈に生きているあなた、今までの思い込みや常識を捨てて、むしろ空気…

人生がつらい人は「つらい呼吸」をしている。身体を軽くする呼吸法

「恋人や夫と価値観があわない」「同僚とうまくいかない」など、常に人間関係の悩みを抱えている人。また、「肩と首がいつも痛い」「朝起きたときから背中が重い」など、体…

ねたみや劣等感でいつも苦しい人。つらさをプラスに変換する4つのコツ

いろいろな場面で、誰しもが経験する「どうしてあの人ばかり…」と思ってしまう「妬み」という厄介な感情。このマイナス感情に支配されずに、どうやって上手く付き合ってい…

出世も未婚も原因に?人生でもっとも大変な「40-50代の危機」を乗り越える

人生の中で、公私共にとても忙しく、もっともストレスが多いとされる中年期。仕事や家族などのさまざまな問題を抱え、精神的にも肉体的にもバランスを崩しやすくなる時期で…

恋愛力が自然に上がる、マインドフルネス3つの愛ポイント

若い頃は、自分の行動パターンも柔軟に変えることができます。が、仕事に慣れてきて、出会いの機会も少なくなってくると、その数少ない「魅力ある異性」に合わせて色々変え…

眠りの質を高める。お風呂で簡単マインドフルネス

「禅」の精神がアメリカで研究され、「マインドフルネス」という形になって日本に戻ってきました。グーグル社などトップ企業が社員マネジメントの一環に利用しています。こ…

10の質問であなたの「幸福度」がわかる…知っておきたい自尊心のこと

人によって、人生に前向きな人と後ろ向きな人がいますよね。その違いは一体なぜ生まれるのでしょう?それは、ずばり自尊感情(自尊心)の程度によります。自尊感情が高いか…

1つ結びもサマになる!「ぎりぎり結べるボブ」がいま40代に人気|ボブヘアランキング

今年の秋冬ヘアは、柔らかさを意識した、ちょっと女っぽいシルエットが人気です。カラーは引き続き暗めが旬。中でも注目度の高い「女っぽいボブ」の人気スタイルは? そのアレンジは? ボブにまつわる人気記事ラン…

メルカリ初心者はまず100均でコレ買って!「ラクラク梱包アイテム」5選

さて、そろそろ季節も変わり、絶好の断捨離タイミングですね!そんなときフリマアプリを使って不要なものを手放す方もいるのではないかと思います。「フリマアプリって興味はあるけれど、何を用意して始めていいかわ…

間違っている人が多い!洋食でライスを食べる時、フォークを持つ手はどっち?|オトナの常識ランキング

わかっていそうで意外と知らない「マナー」。クイズ形式のテレビ番組にはつい見入ってしまいますよね。オトナサローネでも「オトナの常識」シリーズが大人気ですが、一番読まれているのは…?実は、お葬式や結婚式の…

「なまぬき」ではありません!「生抜き」の正しい読み方、知っていますか?|人気記事5選

40代働く女性のサイト、オトナサローネでただいまの人気記事を、配信先もあわせて1週間分集計。今週は、「漢字の読み間違え記事」や「ファッション記事」が人気でした!それでは、人気記事トップ5をご紹介していきま…

酒飲み必見!「飲んでも不健康にならない」お酒の組み合わせ方は?

ホームパーティーへの差し入れやお世話になったかたへの贈り物に、お酒を選ぶ機会は多いもの。今回はお酒好きな女性の間で人気が高まるナチュラル&オーガニックなお酒を種別にご紹介します。おすすめのマリアージュ…

不調を自覚し「自分に必要なコスメ」を作った開発者。40代に大切なことって?

一般に、閉経の前後5年を更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。オトナサローネは同世代…

きゃくいん?かくいん?「客員」の本来の読み方は……|みんなが読み間違えやすい日本語10選

オトナサローネで人気の「漢字記事」。よく使うけど実は読み間違えやすい!単語10選を、一気にご紹介していきます。是非参考にしてみてくださいね!①蒲魚「かまとと」です。なぜ「蒲魚」が“知っているくせに知らない…

40代の蓄積疲れには「○○すること」が大切。切り札は糖質3:たんぱく質1

日ごろ、体を酷使している相手には、きょうの疲れを翌日に持ち越さないためのリカバリーアイテムを贈ってみませんか?どれもすぐ食べたり、飲んだり、使えるものばかりだから、喜ばれることまちがいなし。【オトナの…

40代独女、たまたまバーで隣に座ったオトコがまさかの…|今週の人気記事ランキング

40代働く女性のサイト、オトナサローネでただいまの人気記事を、配信先もあわせて1週間分集計。今週は、「恋愛記事」や「マナー記事」が人気でした!それでは、人気記事トップ5をご紹介していきます。(9月2日~9月8…

「まだ夏服着てるの?」と言わせない!秋入り口のコーデって|今週の人気コーデランキング

オトナサローネで人気の【毎日コーデ】記事の中から、今みなさんが注目しているコーデをピックアップ。お買い物に行くときは、是非参考にしてみてください!ここ1週間は、みなさん【秋コーデやオバサンに見えないコ…

スポンサーリンク

スポンサーリンク

注目の記事

LIFEに関する最新記事