「もう、お父さんが怖くて嫌だ」子どもの涙が母を動かした…夫の支配から逃れるためにAさんが始めたこと

2026.06.27 LIFE

家族を恐怖で黙らせることもモラハラです

危険な運転をしても、「事故を起こしていないから問題ない」と考える。

妻や子どもが怖がっても、「大げさだ」と決めつける。

自分が話すときにはすぐに反応を求めるのに、相手の話は平気で無視する。

 

一見すると、危険運転と家庭内での会話は別の問題のように見えます。しかし、その根底にあるものは同じです。

「俺のやり方に口を出すな」
「俺が話すときは黙って聞け」
「お前たちの気持ちより、俺の感情が優先だ」

夫は、家族の安全も、家族の都合も、家族の感情も気にしていないのです。危険運転は、単なる運転の癖ではありません。密室である車内で、妻や子どもが逃げられない状況を利用し、恐怖を与える行為です。家族が「やめて」と訴えるほど運転が荒くなるのであれば、それは恐怖によって相手を黙らせ、支配しているということです。

 

その夜、子どもがAさんのそばに来ました。いつもより口数が少なく、うつむいたまま、なかなか顔を上げません。Aさんが「どうしたの?」と声をかけると、子どもの目から涙がこぼれました。「もう、お父さんが怖くて嫌だ」声を詰まらせながら、子どもは続けました。

「ほかのお父さんは、もっと優しいよ。怒鳴らないし、怖い運転もしない。どうしてうちのお父さんは、いつも怒ってるの?」

 

Aさんは、何も答えられませんでした。

「お父さんも仕事で疲れているから」

「本当は家族のことを大切に思っているから」

これまで何度も子どもに言ってきた言葉が、もう口から出てきませんでした。

 

今日の車の中で、夫は子どもが「怖い」と訴えても運転をやめませんでした。それどころか、「黙って乗ってろ」と怒鳴り、さらに運転を荒くしたのです。子どもは、ずっと我慢していました。夫が不機嫌になると黙る。怒鳴り声が聞こえると自分の部屋へ行く。車に乗れば、後部座席で息をひそめる。

 

Aさんは、子どもを守っているつもりでした。しかし実際には、夫を怒らせないことに必死になるあまり、子どもにも我慢をさせ続けていたのです。泣いている子どもの背中に手を添えながら、Aさんは決意しました。

「この生活を、これ以上続けてはいけない」

夫の顔色を見て、怒鳴られないように言葉を選ぶ。不機嫌にさせないよう、先回りして行動する。家にいても、車に乗っていても、家族全員が夫の機嫌に支配されている。Aさんは、そんな生活に疲れ切っていました。

 

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