更年期症状で受診するとき「用意しておいたほうがいいもの」って?基礎体温は不要、でもあったほうがいいメモは

「お会いするだけで更年期の沈んだ気持ちが前を向く」「楽しくお話して、気づいたら心にわだかまっていた重いものが消えていました」とファンも多数の産婦人科医・小川真里子先生。現在は福島県立医科大学での診察と併せて、週に一度、東京・JR五反田駅のアヴァンセレディースクリニックで更年期外来もお持ちです。

長年に渡って女性特有のトラブルに向き合ってきた小川先生に、更年期時期の女性へのメッセージをいただきます。今回は「更年期症状で婦人科を受診するときの心構え」について(

【女性の身体、思春期から更年期までby小川真里子先生】

教えて小川先生!更年期で受診するときに「準備しておいたほうがいいもの」って?

‐‐更年期で受診する際、「これがあると診断の助けになる」というような、具体的な準備について婦人科のドクターのお立場から教えてください。たとえば基礎体温はつけていったほうがいいでしょうか?

他に何か別の病気を疑う症状があるのではなく、更年期症状での受診であれば、そこまで準備を頑張らなくていいと思います。気軽に受診してください。基礎体温はなくても大丈夫ですが、月経についてはメモしてきてもらえるとありがたいですね。まだ月経が順調であれば半年分、すでに不順であれば1年分くらいの記録が理想です。月経がいつからいつまであったか、量はどのくらいか、いつもと違いはなかったか、それ以外の出血がなかったかなどをメモしておいてください。

 

併せて、つらい症状、自分に起きたことをメモしておいたり、健康診断の結果、他の病院にかかった際の検査結果があれば持ってきていただけるとありがたいです。ただ、ときどき几帳面に何年分もの健診データを持ってきてくださる方もいますが、直近2年程度で十分です。

 

もう一つ、どんな薬をいつから飲んだことがあるかは教えてください。特に漢方薬は「漢方を飲んだことがありますか?」という質問に「銀色の袋に入っていて数字が書いてあるやつ」というお答えがとても多くて。

 

‐‐ああ、ツムラでもコタローでも、エキス製剤は数字が書いてありますね。色がついてるならツムラかな、というような。

なので、どの漢方を飲んだかは記録していただけると嬉しいです。せっかく処方したのに家に帰ったら同じものがあった、しかも効かなかった、というもったいないケースがよくあります。飲んだ薬、自分で試した治療法や対処法、それらの結果、他の病院で受けた検査の結果、こうしたものはメモして資料としていただけると、よりありがたいです。

 

最近のクリニックではこうした資料はスキャンしてお返しすると思いますので、紙の状態だとありがたいです。よくスマホに書いたメモを見せてくださる方がいらっしゃるのですが、2人で一緒に画面をのぞき込んで拡大しながら見るのはなかなか大変です。健康診断の資料も、紙とデータの両方があるなら紙で持ってきていただけると手間が省けます。

 

医師は私たち患者が持っている悩みに対して「何をいちばん知りたいのか?」

‐‐こうして受け取った過去の資料のうち、データ類で先生方が特にチェックするのはどのあたりでしょうか。これは、何をわかりやすく整えておいたらいいのかという質問でもあるのですが。

まず見るのは血液検査です。一般的な血液の数値そのものと同時に、何を検査しているか、異常がないか。健診結果ならば表紙に重要な項目が書いてあることが多いので、要受診・要再検査になっている項目がないか。あとは乳がん検診、子宮がん検診、子宮・卵巣の超音波検査を受けているかどうかも見ています。

 

血液検査は、私の場合は貧血、血中脂質、肝機能、腎機能を見ます。要再検査であれば、受診したかどうか、再検査の検査結果があればそれも教えてもらえるとありがたいです。

 

‐‐こうした過去の資料のほか、漠然としてうまく説明できるかわからない悩みを相談したいとき、あらかじめメモしておいてお渡しする手があるなと感じました。

そうですね、そうしている患者さんもいらっしゃいます。なので、浮かんでいる不安や困りごともメモしておいてもらえるとありがたいです。ただ、性に関する症状などは、メモにも書きづらいということがあるかもしれません。言い出せなくて「実は」というふうに話が逸れていくことも多いです。セクシュアリティのことなどは書くのもしんどいかもしれません。

 

私は話しにくいことを話しやすい雰囲気の外来にすることを目指しています。そのためにも、問診票ではできる限りで結構なのでご自分の状態を書いていただけるとありがたいです。腟のことなどを直接書きにくい場合、「デリケートゾーン」と書かれる方も結構いらっしゃいます。何かしらきっかけになることが書いてあれば、そこから質問していきます。

 

つづき>>>更年期の不調は「あれも、これも」なので、どこまで何を訴えるのか、加減が難しい。問診票は丁寧に書いて

 

お話/小川真里子先生

福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 教授

1995年福島県立医科大学医学部卒業。慶應義塾大学病院での研修を経て、医学博士取得。2007年より東京歯科大学市川総合病院産婦人科勤務、2015年より同准教授。2022年より福島県立医科大学 特任教授。日本女性医学学会ヘルスケア専門医、指導医、理事。日本女性心身医学会 認定医師・理事。日本心身医学会 心身医療専門医・代議員。2025年11月から福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 教授。東京・JR五反田駅のアヴァンセレディースクリニックで、毎週金曜午前に完全予約制の更年期・PMS外来もお持ちです。

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