体目当ての男に翻弄されて…。勝ち組だったはずの彼女の転落劇とは【不倫の精算 ・リバイバル】(後編)
後ろ指をさされる関係とわかっていても、やめられない不毛なつながり…後編です。
<<この記事の前編:ひみつの不倫、年下男性が「45歳の私の身体に夢中になる」快楽「充実した暮らし」だけど埋まらない部分
「だって、ねぇ、45歳の女の体に夢中になるって、すごくない?」
不倫がはじまった当初、大げさに目を見開いて明るい声をあげるDさんには、夫を裏切っている罪悪感はなかったように思う。
一度寝てしまえば次の約束もホテルに行くのが当然であり、スポーツ教室が終わったあとでこっそり向かったり、ときには「我慢できずに」クルマの中で行為に至ったり、彼との濃密な時間について報告を受けるたび、快楽を純粋に楽しんでいるような、初めての経験に心を踊らせるような高揚感ばかりが伝わってきた。
「気をつけないとね」
それしか言えない。夫から贈られたダイヤモンドのリングは依然として左手で光っていたが、手入れされた指先は年齢を感じさせない若々しい輝きを持っていたが、彼女がいまどんな危険な状態かを考えると、「良かったね」なんて相槌づちは返せなかった。
不倫相手は、小さな製造工業で働く独身の男性で、彼女より8歳も年下だった。
高い収入に努力の成果であるキャリア、優しい夫に趣味と充実した暮らしを送っているはずの彼女が、どうして夫以外の男性におぼれるのか。
「私をよろこばせようと、必死になってくれるの。
早く早くって急かすのを見ていると、かわいいなと思うし、私もまだまだ頑張れるなって」
無邪気な笑顔を見せるDさんを見ていると、どうしても違和感があった。
そして思い出すのが、夫とのベッドの事情をDさんから聞いたことがない事実だった。「求められる自分」を見たがるのはそのせいか、とひそかに勘ぐったりもしていた。
外から見れば「充実した暮らし」も、本人にしか埋まっていない部分のことはわからない。
そこを確認できないまま、Dさんの声を聞いていた。
▶楽しい火遊びのはずだったが…
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