
中学受験する6年生女子、生理痛を我慢しないでほしい。できれば夏前にはいちど受診して相談を
初潮の平均年齢は前倒しが進みました。現在更年期の私たちの世代が初潮を迎える直前、1982年の平均初潮年齢は12.65歳でしたが、2011年には12.23歳へと早まっています。ちなみにまで、明治初頭は14~15歳でした。
かつては「鎮痛剤は使わないほうがいい」「月経痛は我慢するもの」的なムードもありましたが、この30年で医療は激変。どうやら私たちが思っている「生理の常識」はかなり時代遅れだと思ったほうがいいようです。
勝どきウイメンズクリニック 院長 松葉悠子先生に「昨今の子どもの生理事情」を伺いました。
前編記事『「まだ小学生の娘がひどい生理痛を訴えています。どうすればいい?」私たちのころとは圧倒的に違う「生理のときの医療」を改めて学ぶ』に続く後編です。
中学受験する6年生は、できれば夏休みより前にいちど来院してほしい
――たとえば中学校受験の入試を念頭に、月経周期をピルでコントロールする人がいると聞きましたが、本当ですか?
小6のみならず、最近は小4、小5でも来院しています。そもそも、月経が始まったらピルを使ってもOKですし、月経をほぼ止める黄体ホルモン製剤を出すこともあります。
もともと中学生の患者さんは結構いるのですが、ずっと月経痛を我慢した挙句受験直前になってようやく来院する小学6年生を見ると、12月や1月ではなく6年の4月からコントロールを始めてもいいなと思います。
受験時の月経コントロールはむしろ、もっとポピュラーになっていいと思います。投薬はケースバイケースですが、入試まで時間があるならジエノゲストにするかもしれませんし、あまり時間がないならピル。昨今の婦人科は、月経関連のトラブルにはこうして積極的に介入したほうが、副作用はゼロではないものの将来がよいという考え方に変わりました。
なお、私の娘は現在高1ですが、中2からジエノゲスト(黄体ホルモン製剤)を服用しています。ジエノゲストは子宮内膜を薄く保つので、排出するものが生まれない、結果月経を起こさないという仕組み。子宮内膜症の素因がある人にとっては、不妊症の予防になると思います。排卵を起こさないということは、子宮と卵巣になるべくダメージを与えないということでもあります。
――こうした積極的な治療を子どもに受けさせたい場合、どのように病院を選べばいいですか? 近所のクリニックがここまで親切に対応してくれるのか不安があります。
婦人科界隈は大きくいって「産科・がん腫瘍・不妊治療・女性医学」の4分野に分かれています。産婦人科ってお産をする人のものですよね?と聞かれることがありますが、しない人も行ってOKです。ただし、産科のみのクリニックだと婦人科分野の対応が不十分なことはあるかもしれません。
そのほか、医師が若すぎたりご高齢すぎたり、あるいは専門性が高すぎる大規模病院の勤務医だったりすると、HRTのようなホルモン製剤の投与に慣れていないこともあるかもしれません。ご近所のクリニックの医師が女性のウェルネスにどのくらい興味があるかを確認してからアポイントを入れたほうがいいでしょう。
まずはホームページに書かれている診察内容に、月経困難症、月経痛、ピル、更年期障害などの文字があるかどうか。特に今回のケースでは月経痛、月経困難症をよく診ますと書いている先生がよいでしょう。いい対応をしてもらえないと治療を行う気持ちになれませんから、安心して悩みを話せる医師に巡り合うまではいくつかかかってみてもいいと思います。
娘さんたちは今後とも、たとえば性行為を経験すれば何かしらの疑問が生まれたり、子宮頸がんワクチンの接種を受けたりと、婦人科と接触する必要が出てきます。そんなときに心理的なハードル低く受診できるかかりつけ婦人科を探しておいてあげることは、親がしてあげられる大切なプレゼントかもしれませんね。
前編>>>「まだ小学生の娘がひどい生理痛を訴えています。どうすればいい?」私たちのころとは圧倒的に違う「生理のときの医療」を改めて学ぶ
お話/産婦人科医 松葉悠子先生
勝どきウィメンズクリニック 院長。金沢大学医学部医学科卒業後、東京大学医学部付属病院、日立製作所 日立総合病院、東京都保健医療公社 豊島病院、恩賜財団母子愛育会 愛育病院などに勤務。
勝どきウィメンズクリニック(産婦人科・婦人科)
東京都中央区勝どき2-10-4 宮野海運ビル4F
03-3536-7723
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