「体の丈夫さには自信があった」40代女性。経験したことのない不調に襲われ、キャリアも危うく…。頑張りすぎた女性が陥りがちな「更年期クライシス」とは
閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47~57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
※写真はイメージです
【100人の更年期#140】
◆サキさん 47歳
IT関連会社勤務。出産と育児でキャリアアップを中断。子どもが手離れし再びキャリアアップを目指すタイミングで更年期に突入
40歳で子育てが一段落。キャリア復帰するタイミングなのに経験したことのない病気になり……
IT関連会社で働く47歳のサキさんは、夫と娘2人の4人暮らし。20代の頃は疲れ知らずのバリキャリ(バリバリ働くキャリアウーマン)で、結婚するまでは順調にキャリアアップをしていましたが、30歳で結婚した辺りから、キャリアとの向き合い方が徐々に変わり始めました。
「結婚してからは家庭と仕事のバランスを考えるようになりました。その後、長女を出産したときに、『仕事よりも子どもと一緒にいる時間を優先したい』と強く思ったので、仕事をフルタイムから時短勤務に変えて、育児を第一に考えるようにしました」
そしてサキさんは、子どもと過ごす時間を大切にしながら仕事も続け、子どもにあまり手がかからなくなった40歳のとき、再びキャリアアップについて考え始めました。
そんなサキさんのもとに、社内でもかなり大規模なプロジェクトの仕事が舞い込みました。
やりがいと引き換えに、心身にストレスがかかるビッグプロジェクトです。ストレス耐性には自信があったサキさんでしたが、プロジェクト開始から3カ月経った頃、体に異変を感じ始めました。
「私は子どもの頃から体が強くて、風邪をひくことはほとんどありませんでした。でもこの頃は、1年間に何度も風邪をひいて、人生初のインフルエンザになってしまいました」
1年間に何度も風邪をひく状態が3年ほど続き、ついに臭いを感じることができなくなってしまったサキさん。耳鼻科で副鼻腔炎と診断されて治療を始めるも、一向に回復の兆しが見えませんでした。
不安になったサキさんは、先輩世代の複数の女性に病院情報をリサーチ。そこで得た情報をもとに鍼治療を受けたところ、徐々に嗅覚が戻り、風邪もひかなくなっていきました。
コロナ禍で家族と1日中一緒にいる日々がストレスに。イライラが我慢できなくなってついに爆発!
サキさんが風邪をひいていた頃、世の中はコロナ禍でした。外出自粛が叫ばれ、家には1日中家族全員がいます。家事は夫と分担していましたが、サキさんは、家族がずっと家にいて、在宅業務しなくてはいけない状態にややストレスを感じていました。
加えて、家から出ない生活で運動不足を感じていたサキさんは、長女がやっていたミニバスケットに参加するなど運動する努力をしていましたが、なぜか体はどんどん太ってゆきました。「食べる量は変えていないのに、太ってしまう」その気持ちは、ストレスを加速させました。
そして、生理前にイライラが最高潮に達し、我慢できなくなって爆発! 家族に当たり散らしてしまいました。
「生理前のイライラは若い頃からありましたが、人に迷惑をかけるほどではありませんでした。でもこのときは、本当にイライラが止まらなくて、自分でも歯止めがかからなくて、夫や子どもにきつくあたってしまいました。夫と子どもは、そんな私を受け止めてくれて、何も言わずに家事を手伝ってくれました。感謝ですね」
セーブが効かないイライラの原因が分からないサキさんは、『家族が家にいるからストレスなんだ』と人のせいにしてみたり、そんな自分に対して『私は家族と一緒に過ごせない人間だ』と責めたりするようになり、情緒不安定な日々が続くようになりました。
そんなイライラや情緒不安定を紛らわすように、サキさんは次第にオンラインゲームにはまっていきました。子どもが寝静まった深夜に、ママ友やパパ友とオンラインでプレイするのです。酒とつまみを片手に、ヘッドホンで爆音を聴きながらのバトルゲーム。それは、イライラから解放される、救いの時間でした。
イライラを忘れるためのゲームが新たな体調不良の原因に
深夜のオンラインゲームでなんとか心の平穏を保っていたサキさんの体に、また異変が起きます。
「急に、左耳が聞こえにくくなったんです。特に低い音が聞こえなくなって、テレビや換気扇の音が頭にひびいたり、頻繁にめまいがしたりするようになって、酷いときは救急車を呼ぶほどでした」
病院で検査を受けた結果、急性低音障害型感音難聴と診断されました。原因は、長時間ヘッドホンで爆音を聞いていることが考えられ、ゲームによって寝不足になっていることが症状を重くしていました。
サキさんは、この日を境に半年間続いた深夜のゲームをきっぱりやめました。処方された薬もしっかり飲み、睡眠をしっかりとるよう心がけたところ、聞こえにくさは徐々に回復していきました。ただ、これまで起きた複数の症状から、サキさんは脳に何か異常があるのではないかと思い、脳神経外科を受診することにしたといいます。
本編では、子育てが一段落しキャリア復帰を考え始めた40代で、原因の分からない体調不良やイライラに悩まされていったサキさんの体験をお伝えしました。
▶▶不調が次々と起こるのはなぜ? 複数の病院を渡り歩いてたどり着いた私の「ベスト更年期対策」とは
では、サキさんが更年期の可能性に気づき、治療や生活習慣の見直しを通して心身のバランスを整えていく過程をお届けします。
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