落ち込みやすい人は自分を「過大評価しすぎ」かも⁉ 人材育成のプロが教える、「自信がない」という悩みの正体

2026.08.20 WORK

落ち込みグセがある人は自分を過大評価している

少し刺激の強い話をします。人によっては「そんなことない!」と反発したくなるかもしれません。でも、ここが「自分を受け入れる」うえでの最大のポイントです。心の準備はいいですか? いきますよ。

落ち込みグセがある人ほど、自分のことを“デキる人”だと過大評価しています。

「いやいや、過大評価どころか、自信なんてないし、自分に厳しくて自己評価は低めですよ」と思うかもしれません。ですが、落ち込むということは、あなたのなかに自分に対する“期待”があるということです。

「自分はもっとうまくできるはず」という理想があるからこそ、現実とのギャップにショックを受けているのです。

 

落ち込みのメカニズムを整理しましょう。人はなぜ落ち込むのか?それは、期待していた結果と、現実の結果にギャップがあるからです。

「うまくいくと思っていたのに、失敗した」
「評価されると思っていたのに、されなかった」
「できると思っていたのに、できなかった」

つまり、落ち込みの正体は「期待はずれ」です。では、なぜ期待はずれが起きるのか?それは、期待値が高すぎるからです。そして期待値が高いということは、「自分なら、これくらいはできるはずだ」と思っているのです。つまり、自分を過大評価しています。

落ち込むのは、期待しているから。期待しているのは、自分を過大評価しているから。この仕組みで落ち込みが発生します。

極端な話、キムタクや長澤まさみさんと結婚できないことで思い悩み、落ち込む人は(普通は)いません。自分にその可能性があると“自己評価”していないからです。落ち込むということは、「自分にはその可能性がある」と無意識に信じているということなのです。

 

虚像の自分と現実の自分には差異がある

誰のなかにも、「こうありたい」という理想の自分が存在します。そして多くの場合、“その理想の自分でふるまっているつもり”になっています。でも、周囲の人が見ているのはあなたの理想像ではなく、「現実のあなた」そのものです。私は、この理想の自分を、「虚像の自分」と呼んでいます。

問題は、この虚像の自分と現実の自分を区別できていないこと。それにより、無意識に現実より高すぎる自己評価を持ってしまうことです。

多少のギャップは問題ないのですが、その差が大きくなり、虚像の自分に取り憑かれてしまうと、「自分はもっとできるはずなのに」「もっと評価されるはずなのに」と、理想との差に必要以上に落ち込むことになります。また、現実の自分に対しても、常に不足を感じるようになってしまいます。

 

虚像の自分と現実の自分

虚像の自分と現実の自分

私自身、昔はひどい落ち込みグセがありました。失敗をするたびに、「なんで自分は、こんなこともできないんだろう」と自分を責めていました。

でも、この言葉をよく見てください。「こんなこともできない」──これは、「本来の自分ならできるはずだ」という前提があるから出てくる言葉です。つまり私は、虚像の自分に取り憑かれていたのです。

 

ここまでの記事では、「自信」は揺らぐのが当たり前の感情であることと、落ち込みグセの背後にあるメカニズムについてご紹介しました。つづく関連記事では、一生懸命やっているのに評価されない原因となる「認識のズレ」について取り上げています。
つづき>>「偉そう」「怒ってる?」よかれと思った行動が誤解を招く…⁉ 5000人を見てきた専門家が語る「評価されない人」の共通点

 

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■著者:白石慶次
非認知能力トレーナー/MQ開発者/Podcastパーソナリティ。株式会社OnLine 代表取締役。大学卒業後、システムコンサルティング会社に入社。多様な大規模プロジェクトに携わる一方で、人材育成業務にも従事。富士通ラーニングメディア認定講師として活躍したのち、30歳のとき企業研修講師として独立。一般企業に加え、官公庁・自治体、学校法人、医療法人でも研修実績を持つ。新卒時、大企業に就職できなかった劣等感から、ビジネス書や自己啓発書を読み漁り、さまざまな資格も取って仕事に打ち込む。それでも状況が好転せず悩んでいた折、“非認知能力”に出会い、スキルやノウハウだけが人生や仕事の成果を決める要素ではないと気づく。その後、非認知能力の研究と実践を重ね、「大人の非認知能力育成プログラム」を開発し、これまで5,000名以上に提供してきた。大学との産学連携・共同研究により、講座の有用性について学術的な検証も進めている。

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