「急に足が動かなくなった」仕事中に高齢母から電話で嫌な予感が。数時間後、80歳父に起きた「信じがたい異変」とは【100人の介護】
「急に足が動かなくなったの」母から突然の電話。「ただ事ではない」会社を飛び出した
「住まいは1階に父と母、2階に私たち家族(夫、私、娘、息子)の2世帯住宅ですが、顔を合わせるのは1ヶ月に1回程度。お裾分けやお土産などがあれば玄関にかけておき、特に干渉し合うこともないサッパリした関係でした。でも、こんなふうに良い距離感でいられたのは、二人が元気だったからこそ。それが、ある日を境に大きく変わってしまうなんて、想像もしていませんでした」と、Nさんは当時のことを振り返ります。
2021年11月下旬、仕事中にお母さんからの着信に気付いたNさん。「こんな時間に母から電話? 何かあったのかも」咄嗟にそう思い連絡すると「どうしよう、急に足が動かなくなったの……。お父さんは隣の部屋にいるから呼んでみたけど、なかなか気付いてくれなくて」と不安そうな声が聞こえてきました。
状況がよく理解できないまま、でも「ただ事ではない」という確信は持ちながら、会社に事情を話して早退したNさん。自宅に戻り、お母さんを連れて近くの病院へ向かいます。「まずはレントゲンを撮って、原因を見つけてもらって」と焦る気持ちで診察室に入ると、医師からこんな一言が。
「これは……レントゲンを撮るまでもないですね。症状からして『脊髄梗塞(せきずいこうそく)(※1)』だと思うので、すぐに大きい病院へ行ってください」
(※1)脊髄に血液を送る血管が詰まり、神経細胞が壊死(えし)してしまう病気。多くの場合は突然発症する。症状は、下半身の麻痺や手足のしびれ、背中や腰の強い痛みなど。
脊髄梗塞――初めて聞く病名に動揺しながらも、「とにかく急いだほうがいい」ということは理解して、近隣の総合病院へ。お母さんが脳や脊髄などの本格的な検査を受ける中、Nさんもスマホを片手に必死に病気のことを調べます。
「幸いにも、母はこれまで大きな病気にかかることはなく、健康でした。病院に通うといっても、歯医者と眼科くらい。前日も友だちと外出していたし、元気に暮らしていたんです。だから、何の前触れもなく発症する病気だと分かっても、すぐに受け止めきれなくて……」
こう話すNさん。しかし、それ以上にこの事態に困惑していたのは、Nさんのお父さんでした。
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