「更年期障害と認定されたくない」47歳女性が、診断をためらう理由

46歳ごろから生理が乱れ、突然顔から汗が噴き出すようになったトモコさん(47歳)。一方で、トモコさんには以前から「疲れやすい」という悩みがありました。その背景にあったのが、妊娠中に判明した橋本病。その後、甲状腺機能低下症となり治療を続けていましたが、一時は薬への不信感から治療を中断してしまったこともあったといいます。

育児と転職が重なった時期には、帰宅すると倒れ込むほどの疲労に悩まされました。そして専門医のもとで治療を再開し、ようやく体調が安定してきたころ、今度は医師から「更年期障害の時期だから、女性ホルモン値を調べますか?」と聞かれます。その瞬間、トモコさんが気づいたのは、自分の中にある意外な抵抗感でした。

<<前編:「ママ、お顔がびしょびしょだよ?」47歳、高齢出産と甲状腺。疲れやすいのは努力が足りないせいじゃなかった

 

妊娠中に発覚した橋本病。「持病」を持つ精神的ショック

私は妊娠中の41歳、検査で甲状腺の病気の一つ、橋本病と判明しました。甲状腺に慢性的に炎症が起こる自己免疫疾患で、現在の医学では原因は判明していません。成人女性の約10人に1人が素質を持ち、その中の4~5人に1人が甲状腺機能低下症に進むとされます。

 

甲状腺は身体の代謝率を制御する甲状腺ホルモンを分泌します(日本内分泌学会)。橋本病はその甲状腺に慢性的な炎症が起こる自己免疫疾患です。橋本病があっても甲状腺機能が正常な場合もありますが、甲状腺ホルモンの分泌が低下して「甲状腺機能低下症」になると、疲れやすさや寒がり、むくみ、体重増加などの症状があらわれることがあります。

 

もともと私は性格が元気な割に身体が疲れやすいタイプでした。どこからが橋本病だったのか、もう自分ではわからないのですが、自分のなまけ癖やメンタルの問題で疲れるのかと思っていたら、疾患が原因だったんですね。

 

今でも疲れやすいのですが、正直すでにどこからが更年期なのかもわかりません。疲れやすさが長く続く場合は、更年期だけと決めつけず、医療機関に相談することも大切です。

 

大学の先輩にも妊娠中に橋本病が判明した人がいて、最近よく情報交換します。私は病気が発覚した当初は「ちょっと薬を飲めば治るだろう」と軽く考えていましたが、その後甲状腺機能低下症の状態になってしまい、この先一生服薬が必要になりました。もう治らないんですね。一生薬を飲まないとならない持病ができてしまったことがとても悲しかった。

 

専門医にかかるのは大切。薬は飲み方もかなり重要です

その後、42歳で甲状腺機能低下症だと診断されてから3年もの間、私は専門性の重要さに気づかず、専門外の医師にかかっていました。「薬は1日のいつ飲んでもいい」「食べ合わせの悪い食べ物もない」と聞いて鵜呑みにしていたんです。

 

レボチロキシンは食事や一部の食品・薬剤によって吸収が影響を受けることがあるため、医師の指示に従い、できるだけ一定した条件で服用することが大切だと知りました。「低下症は一生治らない」ことも教わっていなかった。

 

指導がなかったせいで、せっかく服薬しても低下症の症状である「疲れやすさ」が改善せず、「薬なんて効かないな」と不信感が高まり、1年ほど治療を休んでしまいました。この時期の疲れやすさといったらそれはもう半端なかったので、今となっては悔やんでいます。

 

というのも、当時、育休中に勤務先が事業撤退してしまい、産後4か月でいきなり転職を余儀なくされて。仕事があるだけラッキーでしたが、とにかく初めての育児と新しい仕事が同時に降ってきて、夜帰宅するなり倒れこむレベルに疲れ果てて。あまりのしんどさに「セサミンとか、黒酢卵黄にんにくでも定期購入して飲もうか…」と真剣に考えていたくらい。

 

もうだめだと思い詰めるギリギリまできてやっと、自分が治療をサボっていたことを思い出しました。ちゃんとした専門医を探して、話を聞いてみようと思いなおし、やっと今かかっている専門医に出会いました。案の定、きちんと指導を受けたら、疲れやすさは劇的に改善されたんです。不調が強ければ強いほど、その分野の確たる専門医にかかることはとても重要だなと実感しました。

 

でも「更年期障害」とは診断されたくない、複雑なオンナゴコロ

最近の定期通院で、「どうですか、おかわりないですか」と聞かれたとき、「薬は効いていると思うけれど、疲れるし、暑くなるし、生理がダラダラ長引きます」と訴えてみました。すると、「もう更年期障害の時期だから、女性ホルモン値を調べますか?」と聞かれました。

 

このとき気づきました。私、更年期障害だと認定されるのはイヤなんだなと。

きっと、認定されるのも、薬が増えるのもイヤなんだよね。

 

いま、仕事だってそんなに激務ではないし、ストレスも低い。人生の中でいちばん好きなことを好きにやらせてもらっているので、このままこの状態を続けて、いつか終わるときまでうまくやりすごしたい。

私、30代のうちはもう結婚も出産もないなと思っていました。

でも40歳で今の夫と出会い、41歳で結婚し、すぐ妊娠、出産。貧血で倒れて、がりがりにやせて、それでもオーガニックフードをかついで都内を歩いて、ここまでうまくやりすごせたのだから、更年期も同じようにうまくやりすごせるといいな。

 

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