コンビニ持ち帰り弁当は8%。では、従業員が休憩室でお弁当を食べたら8%?【税率クイズ】

元国税局職員 さんきゅう倉田です。

吉本で芸人をしています。芸人の働き方も多様化していて、みんな自分の特技や趣味を活かして、仕事を得ています。

 

ぼくは、村上龍さんの『半島を出よ』(幻冬舎)を読んでから趣味を捨ててしまったので、趣味はありません。すべて仕事になりました。

 

一方で、特技はどうかというと、自分で「これが得意です」と言うなんて烏滸がましいとは思うのですが、強いて言うなら、税金の話やお金の話が得意かもしれません。税金やお金の情報を整理して、知識として伝えることで米びつとしています。

 

まちがえやすい!意外な軽減税率

ご存知の通り、週明け、10月1日から軽減税率が始まります。消費税が10%になるけれど、飲食料品と新聞の購入は8%にするという制度です。

軽減税率が、毎日のようにテレビで紹介される理由は、それが複雑、かつ、国民の生活に深く関わる制度だからです。実例から、軽減税率を正しく理解して、レジで混乱することのないようにしましょう。

別の記事で外食は食べ物や飲み物の購入ではないので10%です、と述べました。しかし、外食なのか購入なのか曖昧な取引がたくさんあります。今回はクイズにしてみました。

 

軽減税率クイズ

 

問1 フードコート

あなたは、ダイエーのフードコートでロコモコ丼とコーラを買いました。店員さんに料理を運んでもらったり、水を用意してもらったり、注文を聞きに来てもらったりするような、サービスの提供は受けていません。

さて、フードコートで食べるロコモコ丼とコーラは、消費税何%で買うことができるでしょうか。

 

問2 たこ焼き屋

あなたが井の頭公園を散歩していると、協栄高校の赤城がたこ焼きの屋台を営んでいました。屋台には椅子やテーブルがありませんが、目と鼻の先には公園のベンチがあって、そこで座って食べることができます。

さて、赤城から買うたこ焼きを公園のベンチで食べる場合、消費税何%で買うことができるでしょうか。

 

問3 従業員用の休憩室

あなたはマルエツで働いています。

あなたが働くマルエツにはイートインスペースがないので、お弁当を買った客に対し、店内飲食か持ち帰りかを聞くことはありません。

しかし、従業員用の休憩室には、当然、椅子やテーブルがあり、従業員が店内で購入したお弁当を食べることができます。

さて、あなたが休憩室で食べるために買うお弁当は、消費税何%で買うことができるでしょうか。

 

 

クイズのこたえと解説

問1
10%
これは外食に当たります。フードコートのようなセルフサービスの飲食店は、客に椅子やテーブルといった飲食設備を利用させてロコモコ丼とコーラを飲食させています。この場合、軽減税率の対象となりません。

 

問2
8%
飲食設備があるかどうかで、外食かそうでないかを判断します。「飲食設備」とは、椅子やテーブルなどですが、赤城がたこ焼きを買う客のために用意したものはなく、公園内の誰でも利用できるベンチしかないようであれば、飲食設備はないことになります。よって、持ち帰りであろうとベンチで食べようと、軽減税率の対象となります。

問3
8%
従業員専用の休憩室は、客が利用しないことが明らかです。このような場所の椅子やテーブルは、飲食設備に該当しないため、従業員が休憩室で食べるためにお弁当を買ったとしても、軽減税率の対象となります。

もちろん、自宅に持って帰って、お父さんや子供に食べさせる場合も、軽減税率の対象です。

 

 

全問正解できたでしょうか。
公園のベンチがある屋台や従業員用の休憩室のみがある場合の取扱いは、僕ですら国税庁のQ&Aを見るまで、答えが分かりませんでした。何を「飲食設備」とするのかは、ルールを考えた人次第でラインが動くからです。

 

個人ですべてを覚えることはむずかしいと思います。ある程度は、お店や勤務先に任せて身を委ね、納得がいかないときやいざというときのために、いくつかのポイントを押さえていただければと思います。

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