
今すぐやめて!炭水化物オンリーランチで「腸がカビだらけ」に?【50歳になる前にやめること#2】
オトナサローネの読者のみなさん、こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。
私は、幼い頃から病気で苦しむ母親の姿をみて、人生を思う存分に謳歌する為には、健康な心身を維持することが不可欠だと痛感し、医師人生を通して日常でできるヘルスケアを啓蒙するようになりました。
この連載では、人生100年時代の折り返し地点、50歳になる前にやめたい悪習慣についてお伝えしていきます。
今回は、女性がやりがちな食習慣の怖いお話です。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#2】
女性がコンビニで選ぶランチは「炭水化物オンリー」になりがち
ランチタイムのチョイスは、パン、パスタやうどんなどの麺類、おにぎり。働く女性のつかの間のランチタイムや、自分のためだけだからと手を抜きがちな主婦のランチタイムは、とかく、炭水化物に傾きがち。
お手軽だし、何より、美味しいんだもん!
それが、本音ですね。
さらに、お昼なら太りづらいからOK!と自分に許すスイーツを追加しようものなら、もう「糖質祭り」です。
炭水化物が「やめられない、止まらない」のはなぜ?
かく言う私も、そもそもは炭水化物・糖質ラバー。
お肉はなくても、炭水化物さえあれば生きていけてしまいます。
それに、あんこものも大好きですから、最盛期は、食パン一斤、赤福餅1箱をペロリと美味しく頂いていた時期が、ええ、ありましたね。
やめられない止まらないは、皆さんご経験済みかと思います。
そう、依存症になるのですよ。
食べたら、もっともっと食べたくなります。やたらに、お腹も空きやすくなって食欲も上がります。
しまいには、渇望レベルに欲するようになり、それ無しには生きていけなくなります。
「腸内のカビ」が脳の誤作動を引き起こす
実は、炭水化物・糖質中心の食事は、腸内のカビ・カンジダ菌が喜ぶエサになります。
カンジダといえば、女性の膣の病気というイメージですが、実は誰の腸内にも暮らしています。普段は大人しい酵母カビの一種なのですが、大好物の炭水化物をたくさん与えられると、悪玉菌化して、腸内で大繁殖します。
このカンジダ菌が依存症をもたらす原因になります。
カンジダ菌が食べ物の中に含まれる糖などの餌を食べて作り出すのが、アラビノースと言う糖類の一種と酒石酸やシトラマル酸と言う有機酸の一種です。
難しい名前は、覚える必要はありません。
アラビノースは、血糖値を上げづらい糖質で、甘味料の一種でもありますが、血糖値が上がらない割には血糖値を下げるインスリンも分泌します。
その為、低血糖を起こしやすいメカニズムがあります。
また、酒石酸やシトラマル酸などの有機酸は、細胞内でエネルギーを生み出すミトコンドリアのTCAサイクルという回路のフマラーゼという酵素を妨害して、エネルギー産生を妨げます。
体内で低血糖を引き起こし、細胞でエネルギーを作ることが妨害されると、体が電池切れのような状態になります。
食後に、体が怠い、重い、疲れやすい、頭が回らないなどの症状がサインです。
すると、脳が、
電池切れ!
→生命の危機!
→もっとエネルギー源を補給しなきゃ!
→糖質を摂らなきゃ!
という誤った指令を送り、さっき食べたばかりなのに、もっと炭水化物・糖質が摂りたくなる負の依存スパイラルを引き起こしてしまうのです。
アメリカでは一般に知られるカビの害
こうしたカンジダ菌の働きは、残念ながら日本の医学ではまだ一般的に知られていません。
不調があって病院に行っても、一般的な検査では検出ができないので、食事やカンジダのせいとは言われず、原因不明のままになってしまいます。
一方、アメリカでは、こうしたカビによる不調は一般的に知られていて、スーパーマーケットでも、カンジダ菌の除菌に使うハーブ類のサプリメントが販売されているほどです。
この分野の権威である、アメリカのグレートプレインズ研究所では、カンジダが分泌するアラビノースや酒石酸、シトラマル酸などが検出できる有機酸検査やカンジダの抗体が調べられる検査を実践しています。
こうした検査は、「バイオロジカル検査」と呼ばれますが、日本でも、研究所所長のウィリアム・ショー博士から学び、これを扱うクリニックでは、アメリカに検体を送る検査を受けることが可能です。
「バイオロジカル検査」で検索してみて下さい。
依存症からの脱却方法は?
これを回避するには、炭水化物・糖質だけのランチをまずやめること。
カンジダ菌は、エサである糖質が増えると喜んで増えますが、エサが減ると勢力が減り、大人しくなります。
大人しければ、恐るるに足らず。
単なる大人しい酵母カビの一種ですから、悪さはしません。
十分に、共生することが可能です。
どちらかといえば、おかずをモリモリ食べてお腹いっぱいにしてから、主食は最後に、ご飯1杯程度まで。
食物繊維が少ない白い穀物、つまり、白米やパスタ、うどん、白いパンなどは、血糖値が上がりやすい上に、その反動で低血糖も起こしやすいので、同じく脳の誤った指令を後押しします。
選ぶなら、血糖値が上がりにくい食物繊維が豊富な黒い穀物として、雑穀米や蕎麦、ライ麦パンなどを選ぶのがマルです。
ご褒美スイーツも、急にやめられなければ、まずは半分にしてみましょう。
急にゼロにすると、離脱症状から反動で過食してしまうリスクもあります。
依存症からの脱却は、徐々に徐々に。
■編集部より/11月11日 より正確に内容が伝わるように、
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」、週1回、土曜の夕方に配信!】
文/内科医・認定産業医 桐村里紗
tenrai代表取締役医師。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。内科医・認定産業医。治療よりも予防を重視し、最新の分子整合栄養医学や生命科学、常在細菌学、意識科学、物理学などをもとに、執筆、webメディア、講演活動などで、新しい時代のライフスタイルとヘルスケア情報を発信。著書『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)ほか。
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