【緊急公開】マスクの「捨て方」にも注意が必要?改めて「新型コロナの基本」に医師が答えます

こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。

新型コロナウイルスとの生活も、序盤戦が終わり中盤戦に差し掛かったというところですね。

生活の中で生まれる素朴な疑問や質問をよく頂くようになりましたので、今回はそれにお答えしたいと思います。

 

手洗い・消毒編

Q.手洗いのとき石けんはマストなんですか?液体石けんが買えません

A.マストではありません。

手には、皮膚バリア、常在細菌バリア、皮脂バリアという三重のバリアがあります。
外からやって来るウイルスは、この上に付着することしかできません。
石鹸がなければ、水道水で十分に手洗いすることで、流れていきます。

十分な手洗い方は、過去の記事を参考に。
こちらでは、厚生労働省が進める石鹸を使う方法を紹介していますが、石鹸がない場合も同じです。
さっと洗うだけでは、不十分です。

Q.洗ったあとの水のついた手は、服で拭くのはダメ?

A.服はウイルスをトラップしている可能性が。NGです。

マナーの問題でもありますが、基本的に体の外側を覆う服は不潔だと考えましょう。
服の繊維は、空気中のホコリやチリなどをトラップしやすいものですが、誰かがくしゃみしてウイルスを含んだ飛沫が飛んできても、トラップします。

水のついた手で髪の毛を整える人もいますが、髪の毛も同様に色々なものを付着させています。
せっかく洗った手で髪の毛を触ったなら、もう一度洗い直す必要があります。

Q.消毒用アルコールのかわりに焼酎でもいいですか?

A.消毒力に劣るので、代わりにはなりません。

テレビドラマで、焼酎を口に含んで吹きかけて傷口を消毒したりするシーンを見かけたことがあると思います。焼酎は、江戸時代から消毒剤として使用されてきたという歴史があるものの、アルコール度数が低いために効果が劣ります。

一般に「消毒用エタノール」と言われる80%前後のアルコール濃度のものが殺菌力が最も強く、50%以下になると、十分な消毒効果は期待できません。
現在販売されている焼酎は、本格焼酎でアルコール度数45度以下と規定があり、消毒用としては低濃度です。

アルコール消毒剤は、60~95%程度のものを選ぶようにしましょう。
手に入らなければ、十分な手洗いを励行しましょう。

マスク編

Q.マスクは意味がないというけれど、ないよりはあったほうがいいですか?

A.ないよりあった方が安心ですが、エビデンスはありません。

マスクには、予防効果としてのエビデンスがないとされています。
ただし、エビデンスがないのと、一定の効果がないのとは、意味が違います。

例えば、目の前の人が、新型コロナウイルスに感染しており、くしゃみをして、ウイルス入りの唾液が顔面に飛んで来たら、マスクなしではそれを口に運ぶリスクが高まります。
また、人は無意識に手で顔を触りますが、マスクをしていることでウイルスの付着した手で顔を撫で回すリスクを避ける事ができます。
シーンによっては有効な場合もあると考えられます。

Q.マスクは何時間ごとに交換すればいいんですか?毎日捨てるんですか?

A.1日1回の交換を基本として、後はリスクを考えて捨てましょう。

1日1回の交換は、最低限と考えましょう。
例えば、病院などで感染症患者の部屋に入る場合、入退室ごとにマスクを1枚使い捨てます。
例えば、外出時に、目の前でマスクを着用していない人が咳をしていた場合、ウイルス付着のリスクがあると判断したら、マスクを捨てたほうが無難でしょう。

使い捨てマスクが手に入らない場合は、消毒剤をスプレーするなどして再利用することも止むなしでしょう。

Q.布製マスクを洗って使い回してはダメなのですか?

A.1日1回洗うことで使い回すことも可能です。

厚生労働省と経済産業省は、ガーゼなどでできた布製マスクを使う際は、1日1回洗う事を勧めています。
ポイントは、

  • 衣料用洗剤を入れた水に10分間浸したのち、繊維が痛まないように押し洗いをすること。
  • そして、汚れが気になる際には、塩素系消毒剤に浸してから水ですすぐこと。
  • 乾燥機を使わずに、陰干しすること。

Youtubeで公式動画も公開されていますので、ご参考に「布マスクをご利用のみなさまへ

Q.マスクを捨てるときの注意点は?口の側を内側にして包むのが正解?

A.汚染している面に触らずビニールに入れる。

注意すべきは、長時間使用したマスクのオモテ面には、ウイルスが付着している可能性がある事です。
オモテ面を触らないようにして、ビニールに入れるなどして捨てるのが安全です。
感染者がマスクを着用している場合は、口に触れるウラ面が汚染面になります。

新型コロナの生態編

Q.コロナウイルスはどのくらい生きているんですか?

A.空気中で約3時間、プラスチックやステンレスの上では2〜3日間。

米疾病対策センター(CDC)などの共同研究チームの発表によると以下のような生存期間です。
  • 空気中:3時間
  • 銅の表面:4時間(銅イオンはウイルス不活化効果があり)
  • ボール紙の上:24時間
  • プラスチック・ステンレスの上:2〜3日間

参照:New England Journal of Medicine(March 17, 2020)

Q.生活の中で触ってしまう場所、どこで感染リスクが高いですか?

A.公共の場で人が触る場所であれば、いずれもです。

エレベーターのボタン、ドアのノブ、つり革や手すり、インターホンのボタン、机や椅子など、あらゆる場所です。
感染リスクがある公共の場所で、そのような場所に触れた手に付着している可能性はあります。

Q.つり革を直接触らないよう手袋をするといいと聞きました。意味はありますか?

A.手袋自体が汚染されるため、注意しましょう。

手が汚染されるか、手袋が汚染されるかの違いです。
手袋は、繊維の中にウイルスを含むダストなどをトラップしやすいものですし、手のように1日のうち何度も洗うことができません。
マスクと同じように使い回しは避ける方が良いでしょう。

Q.なんでスポーツジムやバーでばかり感染するんですか?

A.密室・密接で集合する事でクラスター感染(集団感染)が起きやすいため。

政府の専門家会議によると、国内で発生している小規模に複数の人に起こるクラスター感染(集団感染)は、通気性の悪い密室で、一定時間、複数の人が密集することで発生しています。
一人の感染が複数の人に拡散する事で起こります。

  • 通気性が悪い、換気が悪い場所
  • 人が密に集まって過ごす空間
  • 不特定多数の人が接触する恐れが高い場所

具体例として、屋形船、スポーツジム、ライブハウス、雀荘、展示商談会、懇親会などが挙げられています。
これらを避ける事で、集団感染を避けることが求められています。

Q.満員電車はでは感染しないのですか?

A.満員電車でも条件が揃えば感染します。

専門家会議によると、満員電車でも、上記の条件が揃う事で感染のリスクがあると発表しています。
同様に、屋外スポーツなどは通気性が良いので、条件には見合いませんが、着替えの場所である更衣室などで条件が揃ってしまい感染が起こる可能性も指摘されています。

噂の疑問編

Q.納豆が品切れていますが、効くんですか?

A.効くというエビデンスはありません。

確かに、納豆を食べる事で、免疫の要である腸内環境の改善には役立ちます。腸内環境の悪化で、全身の免疫応答がアンバランスになることが知られています。
ただし、新型コロナウイルスは新しいウイルスであり、その生態と人との関わりが十分に解明されていません。直接的なエビデンスがある食品は現時点では一つもありませんので、「効く」とは言えません。
生理学的な一般論として、腸内環境を保つことは、免疫機能にとって大切であるには違いありません。

症状があるとき編

Q.普段なら38度を目安に病院にかかりますが、いまは病院のほうがウイルスがいて危険ですか?

A.普段と比較するのはやめて、新型コロナウイルスのルールに則りましょう。

厚生労働省による相談のルールは、以下です。

  • 37.5度以上の熱が4日間以上続く場合
  • 高齢者や基礎疾患あり、もしくは妊婦の場合は2日間以上続く場合
  • 強い倦怠感や呼吸苦、水分が取れない、尿量が少ないなど重篤な症状がある場合

これらを満たすなら、まず、病院ではなく「帰国者・接触者相談センター」に連絡しましょう。

Q.「自宅で様子を見ている」間に死なないか不安です

A.若年者や基礎疾患のない成人では自然治癒することが一般的です。

新型コロナウイルス感染症の発症初期は、風邪と区別がつきにくい症状のみであるため、他疾患との鑑別が極めて困難です。
病院に早期受診するメリットはありませんので、この間は「自宅で様子を見ている」ことが勧められます。
安易に受診することで待合室等で感染が拡大するおそれがあります。

7日間の経過で、8割は自然治癒しますので、恐れ過ぎないことが大切です。
残りの2割が肺炎を引き起こしますが、主には、高齢者や基礎疾患がある人です。
さらに、その中の一部がICUに入るほど重症化します。

ただし、若年者や基礎疾患のない人でも、重症化する例はありますから、重篤な症状が出たら、上記のルールに沿って行動して下さい。

気温が上がり湿度が上がれば、一般的なウイルスは弱まるとされているものの、新型コロナウイルスについては動向がはっきりとしていません。
まだまだお付き合いは長く続く可能性がありますが、日常生活の中でうまく対策して乗り切りたいですね。

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