この私から加齢臭が…?40代が今すぐ変えるべき5つの生活習慣って
こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。
この連載では、人生100年時代の折り返し地点、50歳になる前にやめたい悪習慣についてお伝えしていきます。
更年期を迎えると、女性ホルモンの働きが低下して、女性でも加齢臭が発生します。
私はニオイの専門家としてTVに出演する機会が多いのですが、スタジオの反応からも、毎回女性のメンタルと香りの深いつながりを感じます。
「私も女として終わりね」とネガティブにならず、この加齢臭をポジティブに捉えることも不可能ではありません。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#34】
更年期を迎えると「体臭は変化する」ものです、安心して
「加齢臭」といえば、「おじさん」のニオイというイメージですが、それは逆差別かも知れません。
確かに、男性ホルモンの働きで、男性の方が皮脂が多い上に、酸化しやすいため、加齢臭が発生しやすいのは事実です。
が、女性であっても、女性ホルモンが低下する更年期には、加齢臭が発生します。
加齢臭とは、皮脂の中のパルミトオレイン酸という脂肪酸が酸化してできた「ノネナール」と言うニオイ成分です。
皮脂の酸化を抑えていた女性ホルモンの働きが低下することで、加齢臭が発生します。
卵巣機能が低下し、閉経することは、女性にとって避けられない人生のプログラムで、体臭の変化もそれと同時に起こります。
自分から「加齢臭」が発生すると言う事実で、自信を失いがちになります。
加齢臭って「イヤなニオイ」のことだと思い込みがちだけど…
加齢臭は、悪臭と思われがちですが、実際に市場調査をしてみると、これを「悪臭」と感じる人は少ないことが分かっています。
皆さんが加齢臭と思っているニオイは、ミドルエイジの男性に発生する枕臭の原因である「ミドル脂臭」や「汗臭」など、その他のニオイかもしれません。これらは、実際にかぐと不快を感じることが分かっています。
一方で、加齢臭は、「枯れ草」「古本」「ろうそく」などと表現される独特のニオイですが、「不快」と感じる人は、決して多くないようです。
でも、表現をみると、ちょっと、ひなびたイメージですよね。
若い頃のピチピチしたイメージとは違います。
10代〜20代女性特有の甘いSWEET臭とは?
製薬会社の研究によると、10代、20代の女性の体臭には、若い女性特有のピーチやココナッツのような甘い香り、その名もSWEET臭があることが分かっています。
ラクトンC10、C11という香り成分ですが、なんと、30代になると、途端に激減します。
確かに、自分自身を振り返ると、20代の頃は、自分の服からなんとなく甘い香りがしていました。
が、今は全くしませんね!
20代から30代の体臭変化は、SWEET臭がなくなること。
そして、30代から40代の体臭の変化は、加齢臭が発生し始めることです。
若さだけが価値じゃない!香りにも円熟味が必要なんです
でも、よく考えてみて下さい。
確かに、SWEET臭は、若い女性にとってはアドバンテージかも知れませんが、40代や50代に「ピーチ」のイメージっていかがなものでしょう。
フレグランスを選ぶにも、ピーチは選びませんよね。
フルーツの甘ったるい香りは、大人の女性がまとう香りにしてはミスマッチな感じがします。
香りは、オーラのように、その人に漂います。
年齢を重ねた年代は、精神的な成熟と共に、纏う香りも熟成感があるものが似合います。
加齢臭じゃなくて「熟れ臭」です!コニャックのようなイメージ
そこで、「加齢臭」。そもそも、名前が悪いので、イメージが悪いのですね。
体臭にノネナールが加わることで、立体感が増すとも考えられます。熟成感が加わるため、「熟れ臭(うれしゅう)」とでも言っておきましょうか。
敢えて、ノネナールの香りを深みの材料にして、フレグランスを提案するフレグランススペシャリストの方もいらっしゃいます。
ですから、自然なプログラムとして起こる体臭の変化は、決してネガティブなだけではありません。
加齢臭と相性のよいのは「さっぱり系」アロマ。「いい香り」に変えて
ノネナールと相性が良いのは、シトラスやローズマリーなどさっぱりした香りとされています。
あまり甘ったるい香りと合わせると、逆に不快に変化する場合もあります。
香水は万人受けしませんが、アロマスプレーなどは使いやすいですね。
マスキング効果として、ノネナールの香りを和らげる働きもあります。
臭ってから使うよりも、事前に衣服などにスプレーしておくことで、安心して活動ができるのでおすすめです。
この5つに当てはまる?生活習慣を整えることも大切
自然なプログラムだけでなく、生活習慣の悪化も加齢臭を悪化させます。
皮脂の酸化によって発生するため、
1・甘いものの摂り過ぎ
2・揚げ物や加工食品など劣化・酸化した油の摂り過ぎ
3・アルコールの摂り過ぎ
4・運動不足
5・体重の増加
これらは、血液中の中性脂肪を増やし、酸化させ、加齢臭を悪化させますので、ヘルスケアも大切です。
生活習慣を整えた上で、変化する体臭は、ネガティブな変化ではないかも知れません。
若さだけが価値ではありませんから、自分がこれまで積み重ねた年月や経験に自信を持って生きたいですね。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」、週1回、土曜の夕方に配信!】
文/内科医・認定産業医 桐村里紗
tenrai代表取締役医師。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。内科医・認定産業医。治療よりも予防を重視し、「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、新しい時代のヘルスケアを様々なメディアで発信している。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」他メディア出演多数。著書『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)他。
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