眠りの質を高める。お風呂で簡単マインドフルネス

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「禅」の精神がアメリカで研究され、「マインドフルネス」という形になって日本に戻ってきました。グーグル社などトップ企業が社員マネジメントの一環に利用しています。このマインドフルネスの実践の一つが「瞑想」。今回は、お風呂に入っている時間を利用して、集中力と記憶力を高める、マンドフルネス瞑想をしてみます。

 

睡眠の質を高める3ステップ

方法は簡単。お風呂に入って、少し温まったら次の3つを行います。お湯は少々多めにはるといいでしょう。

 

1・浴槽のふちに腕を置き、体重をひじ下でささえてみましょう

下半身はお湯に入っているので、それほど重くないと思います。この状態で30回呼吸を数えます。へその下の丹田という所を意識して、そこに空気が入っていくようにイメージしましょう。

2・腕を動かして胃まで水に浸かり、体重を感じながら30回呼吸を数えます

この時に水圧で押されている感覚を、足の指先から感じてみます。

3・腕を離し、肩までつかって30回呼吸を数えます

腕を浴槽のふちから離し、肩まで浸かったら、膝の上に手を置き、全身をお湯が圧迫しているのを感じて、ゆっくり30回呼吸を数えます。

 

以上3ステップを3回繰り返します。ポイントは、呼吸とお湯の圧迫に集中すること。

いつも頭の中が考えごとでいっぱいなタイプの人は、これを根気よく続けると、ある日お風呂に入りながら考えごとをしなくなったことに気づくでしょう。そうなれば、十分にリラックスして入浴できたことになります。

 

本来は入浴も修行?!

禅の修行道場の入浴は、基本的に毎日ではありません。4と9のつく日が、入浴できる日と決まっています。4日、9日、14日、19日、24日、29日です。

昔の暮らしが基本になっているので、水と薪をたくさん使うお風呂は貴重なものとみなされます。汚いと思われるでしょうが、つい60年くらい前まで、どこの家も似たようなもんです。

その入浴法も一つ一つ厳しく決まっており、まずはお風呂を先に頂きます、という挨拶からせねばなりません。「開浴(かいよく)お先に失礼致します。」と声をかけてから浴室に向かいます。家族ならば「お風呂先に入るね」の一言を掛け合うということです。

浴室に着いても、脱いだ物の置き方から、座る場所、体を洗う時間、風呂に入っている時間まで決められています。

1年目の修行僧は背中を丸めることは許されず、姿勢良く湯船に浸かります。

この間、浴室は三黙堂の一つに数えられており、会話をすることは許されません。ついつい鼻歌でも歌いたくなりますが、そうはいきません。

 

「100まで数えてお風呂を上がる」こと

そこで思い出すのが、子どもに与える課題。

 

皆さんは、子どもの頃、100まで数えてから上がりなさい。と言われたことがないでしょうか。

 

100まで数えると、兄弟で話をしていても自然と数に集中します。会話もしなくなり、自分の体が温まったかどうかに気を配ります。

 

これは、どうみても、禅の修行の簡略版です。つまり、お風呂に入れることに感謝し、瞑想し集中力を高める修行だったのです。それに、少し動きも入れて、水圧の変化を感じながら、瞑想できる様にしたのが、冒頭の方法です。

 

「いま、ここの、自分」に注目して呼吸を整えるのが、ポイントです。そして、思い浮かぶ考えに良し悪しの判断を挟まずに、そういうものかなと思って呼吸に意識を戻します。

 

お風呂で、そのように頭を休めることができたら、眠りの質も変わってくることでしょう。どうぞ皆さん、積極的にお風呂でマインドフルネスに挑戦して見てください。

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臨済宗 建長寺派 能満寺住職

松本隆行

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