寝ても疲れが取れない人。医師が警告する「やめるべき」夕飯の習慣とは?
「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。
どうも夜に眠りが浅い、夜中に起きてしまう。
その原因は、血糖値かも知れません。糖尿病ではなくても、血糖値は食事によって乱高下しがち。夜の糖質オフは、睡眠のためにも必須です。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#57】
端的に言って、睡眠の質を左右する「糖質」を夕飯で食べすぎないこと
オトナサローネでも、繰り返し血糖値について話題が出ているので、皆さん、糖質の摂り過ぎにはすでに気をつけておられるかも知れません。
糖質の摂り過ぎによる血糖値の乱高下は、睡眠の質も低下させてしまいます。
理由はないのに、夜中に覚醒してしまう。
眠りが浅くて、質が悪いので、翌日が辛い。
睡眠の質に悩む原因はいくつもありますが、夜の炭水化物や食後のデザートを控えたら、睡眠の質が改善するかも知れませんよ。
夜中に目が覚める人。低血糖を起こすと、睡眠が浅くなります
実際に、24時間の血糖モニタリングを行っている患者さんに、睡眠管理アプリで睡眠の質を調べてもらうと、夜に低血糖が起きた時間帯には、睡眠が浅くなっていることもあります。
私自身も、調子に乗って糖質を摂り過ぎた夜は、途中で目が覚めやすいと感じています。
ちょうど食後4〜5時間くらいの血糖値が下がってくる時間帯に、覚醒すると、体が緊張状態となっていることを自覚します。
低血糖はいいことなし。緊張と興奮を引き起こして眠りが浅くなる
糖質の多い食べ物を食べると、血糖値が急上昇し、その後低血糖になることがあります。急激に血糖値が下がることで、体は「危機!」と感じ、血糖値を上げる交感神経を刺激します。
この時に、興奮作用のあるホルモンの分泌も刺激されてしまうので、覚醒してしまうことになります。
睡眠は、リラックスしないことには維持できませんが、逆効果なんですね。
食直後は眠くなり、寝付きはよくても、数時間で覚醒してしまうことになります。
さらに、血糖値は睡眠のエイジングケアまでジャマをする
他にも、血糖値が睡眠の質をジャマする理由があります。エイジングケアに欠かせない、成長ホルモンの分泌です。
睡眠開始から30分程度で、細胞を修復し回復させるための成長ホルモンの分泌が起こります。
これがうまく分泌できないと、細胞の老化が促進し、疲労を持ち越してしまいます。
ところが、血糖値が上がると、成長ホルモンの分泌は低下してしまいます。
食後2〜3時間が血糖値のピークですが、例えば、9時に夜ご飯を終え、11時に寝ようとすると血糖値が高いままなので、成長ホルモンの分泌が妨げられてしまいます。
質の良い睡眠のために。夜ご飯の食べ方5つのルール
質の良い睡眠を継続し、しっかりとエイジングケアをし、疲労を回復するためにも、夜ごはんの糖質の摂り方には日中以上に注意したいところです。
- 夜はおかず中心にしてご飯は軽く1杯程度まで
麺類は糖質の量が多いため、ご飯がベターです - 白米よりも雑穀米
同じご飯であれば、白米よりも食物繊維の多い雑穀米をよく噛んで食べること
食べる量も抑えられますし、食物繊維が血糖値の上昇を緩やかに - おかずは食物繊維の多い食材をふんだんに
根菜類、きのこ 類、海藻類、豆類などをもりもり食べましょう - デザートは日中に、夜はグッと我慢を
砂糖を含む甘いものは、特に夜には控えたいところです。
夜に血糖値をあげると太りやすくもなりますので、燃焼の良い日中に済ませておきましょう。 - 入眠時刻の3時間以上前には夕食を終えたい
11時に寝るのであれば、8時より前に食事を終えたいところです。
理想的には、4時間あけると、血糖値のピークを避けられ成長ホルモンの分泌をジャマしません。
最近は夜のお付き合いもなく、家で食べる人が多いと思いますので、今のうちに早めに食べる習慣をつけておくと良いですね。
質の良い睡眠は、心身にとって一番効果的なセラピーです。
夜の糖質に気をつけるだけで、睡眠の質が改善することもよくありますから、思い当たる方は工夫してみてくださいね。
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