【岩井志麻子】こんな男は「やめておけ」!

すぐ暴力を振るうだの、病的な浮気者だの、借金まみれでギャンブル狂いだの、そんなわかりやすいダメ男に近づこうとする女には、私が止めなくたって周りの誰かが必ず「あれはやめとけ」というよね。
でも、そういう男に惚れる女も一定数いる。「仕事はできて人情に厚いから」「彼の才能に惚れてるんで、後はどうでもいい」とかいわれれば、もうどうしようもない。

世間でいう「ダメ男」だとしても

現に私の今の夫なんか、浮気者だわ嘘つきだわ金クレクレだわ、誰からもうらやましがられない男なんだけど、そこがいいとかじゃなく、私にとっては最も重要である愛嬌、可愛げ、安定した機嫌の良さがあるのよ。
ダメ男でも、世話になったり迷惑をかけたりした相手に対し、ちゃんと感謝や謝罪ができるとか。そういう素直さと現状認識があれば、救いようもかばいようもあるわけよ。
そんなダメ男に理解ある私ですら、「そいつはやめとけ」といいたくなる男もいる。

「やめとけ」といいたくなる男

自分をダメ男どころか、異様に自己評価が高く、何もないのに俺様は特別、みたいに思っている男だ。しかし現実には、そうじゃない。誰も、彼をそうは見てくれない。
となると偉い人扱いされるよう何かの分野で秀でる、努力する、ではなく、偉い人扱いしてくれない人を憎み、世の中を恨むようになるのだ。
そうして店員や乗務員といった、自分がお客様になれる立場の人に威張り散らし、無理難題いちゃもんを吹っ掛け、公共の場でわざとマスクをせず咳こんでみせたりする。
あるいは匿名でSNSに有名人無名人問わず誹謗中傷を書き殴り、ときには辞職や自殺にまで追い込む。しかもそれを正義の鉄槌、世直しだ社会運動だといったりする。

 

特別扱いされたい男

自分のダメさを自覚できず、真に向き合うべき問題から逃げ続け、うまくいかないことは世の中のせいにし、身近な人に八つ当たりするしかない男。彼に対し、友人として忠告や心配はいいけど、恋人として妻として支えよう、理解しよう、となったら不毛よ。

だって彼は、憎んでいる不特定多数の他人や、馬鹿にしている世の中から平伏され、愛され、特別扱いされたいのだ。つまり、決して彼が望む世界は訪れず、常に称賛と承認の飢餓状態にある。あなた一人の愛なんかで、満足できるわけないでしょ。