「本気の不倫」にハマった妻の愚かすぎる離婚願望【不倫の精算#16】(後)

2021.02.04 LOVE

自分の趣味を認めてもらえた。夫には言えない喜びをはじめて感じた既婚妻は。前編の続きです。

「夫にはわかってもらえない…」前編はこちら

【不倫の精算#16後編】

これまでの記事はこちら

彼は独身。それが既婚妻の油断を誘う

はじめての約束のときに、彼が独身であることを打ち明けられたCさん。

「独身でよかったと思いました。

お互いに既婚だったら絶対に気を使うだろうし、彼のほうは自由に会える身なんだっていうのが、私さえ何とかできればいいと思って」

と、最初から油断していた。

 

それからはLINEで頻繁なやりとりが始まった。

 

描きかけのイラストを送ったり、好きなマンガやアニメの話で盛り上がったり。彼との時間はCさんにとって大切な日常となった。

 

「もちろん、仕事は今までどおり頑張ったし、家事も子供のことも変わらずやっていたと思います。

彼と話すことが楽しみで、そのおかげでむしろ前よりストレスが減っていたかも」

 

Cさんは、自分の絵を称賛してくれる彼、自分の仕事や家庭の状況を気遣ってくれる彼、次の約束をこちらに合わせてくれる彼にどんどん惹かれていった。

 

会うのは決まって土曜日の午後、Cさんの仕事が終わってから夕方までの時間だった。そのうち仕事帰りのランチから一緒に過ごすようになり、お互いに

「もう時間が来ちゃった」

「帰りたくないね」

と言い合えるほど心が近くなった。

 

恋愛感情を持つのは自然であって、ある日どちらからともなくホテルに行く提案が出て、ふたりは結ばれた。

「コソコソしないといけないけど、彼のほうは気楽ですよね、独身だから。

私さえ隠せればいいんだ、とそのときは思っていました」

これが、不倫関係を受け入れてしまう決定的な油断だった。

 

彼への恋愛感情と比例して大きくなる「離婚したい」気持ち

そのあとは会話するより体をつなげることに情熱が向き、

「早く彼と会いたい、抱きあいたいって、そればかり思うようになって。

彼から

『どうしてあなたは結婚しているんだろう』

『俺だけのものにしたい』

って言われるたびに、離婚したいって強く思うようになったんです」

と、Cさんはうつむきながら話した。

 

肉体関係を持ったあと、加速度的に仲が深まるのは独身者同士の恋愛も同じだが、不倫は必ず「好きな人が既婚者」という大きなつまずきを抱える。

 

既婚者側は「離婚するか、離婚せずに関係を続けるか」どちらかを選べと迫られるのだ。

 

煩悶を繰り返した挙げ句に、一方的に離婚を強行しようとしたり、反対に不倫相手との関係を終わらせたり、もしくは「離婚すると嘘をつきながら体を求める自分」を正当化する場合もある。

 

とにかく、自分の気持ちと向き合うことを避けられない。

 

Cさんは「夫と離婚する」選択肢に傾きつつあるが、それをクリアするには想像を超えた苦労があることを、じわじわと実感している渦中であった。

 

目の当たりにする「離婚の実際」と、自分の下心

「私は専門家ではないので、実際のところは弁護士に確認しないとダメですが」

と前置きしてから、相手が納得しない離婚の場合は、調停や裁判で認められる離婚事由が必要であることとその内容、離婚の理由でよく挙がる“性格の不一致”は第三者から見て理解できるものでないと難しいことなどを伝えた。

 

Cさんは黙って頷いていたが、「離婚調停」「裁判」「離婚自由」などの言葉に明らかにネガティブな気持ちになったのは、眉をひそめる様子でわかった。

 

「好きな人ができた、というのは離婚の理由になりますよね」

と小さな声で尋ねるCさんに、

「そうですね、それが理由で夫婦関係を続けるのが無理なら、正直に話して離婚をお願いするしかないですね」

そう答えた。

 

するとCさんは顔を上げて、

「慰謝料を請求されるでしょうか」

「これは、彼の本名や勤め先なども明かさないといけないのですか?」

「不倫じゃなくて、プラトニックな交際だと認めてもらうにはどうすればいいですか?」

と矢継ぎ早に口にした。

 

「……」

それらの質問にすぐ意見を返すことはできるが、

「夫に彼氏の存在が知られることは、構わないのですね?」

と訊くと、Cさんの顔色が変わった。

 

「いえ、できれば隠したいのですが……」

視線を外しながら答える声は、また小さくなった。

 

自分の描く「うまい絵」が通用するかどうかは誰にもわからない

Cさんの葛藤はわかる。

 

「不倫相手の存在は絶対に知られることなく、何か別の理由をつけて配偶者と離婚したい」。

 

それは不倫相手に本気になった人間の多くが抱える願いそのものだ。さすがにCさんは離婚の原因を夫に持っていこうとはしていないものの、不倫を隠したまま離婚することの罪悪感が大きいのだ。

 

どう取り繕っても、「不倫相手に本気になり、夫を騙して離婚しようとする自分」が客観的な姿であることは、自覚している。

 

相談を受ける私に対して

「好きな人ができたことは離婚の理由にできるか」

「不倫の彼の存在は隠したい」

と矛盾したことを口にする姿は、離婚というネガティブな一大事を自分の側がトリガーとなって引き起こすことへの恐怖が伝わった。

 

「プラトニックな恋愛の証明」など現実でうまくいった例を知らないが、「いつも通り」に過ごしている夫が妻に好きな人がいることを知ったときどんなカードを出してくるか、Cさんも誰も、想像がつかない。

 

後ろめたい背景があるまま、それを隠して離婚をしたい人の多くが、このように自分に都合のいい絵を描くことは本当に多い。

 

だが、その通りに現実が進むかどうかは誰にも約束ができないものであり、その覚悟をまず決めることが先だと、Cさんの不安げな表情を目の前にしながら思った。

 

 

不倫は悪いこと、とわかってはいるけれど、その責任を負う覚悟はない。

それは「責められたくない」と思う自分を捨てられないからであり、真実を隠すのなら、相応の痛みを想像しなければならない。

描いた道筋の甘さは必ず大きな穴を生むことを、不倫する人間は忘れてはいけないのである。

 

前編はこちら

 

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