40代で「やってよかった」4つのこと【岩井志麻子のおんな欲】

2021.03.30 LIFE

五十も半ばを過ぎて四十代を振り返ってみれば、あの頃はまだ若かった、これに尽きる。
三十五で離婚して上京したときは、とにかく環境が激変で、三十代はあっという間に終わった。五十代に入ると、なんだかもう前向きなあきらめの境地だ。

40代で私が「選んだ」こと

考えてみれば四十代で韓国人と再婚し、岡山にいた息子を引き取り、芸能事務所に入った。あと、犬を飼い始めている。どれもやってよかった、選択はすべて正解だった。
これ、三十代のときだったらと想像すれば、どれもなかったわと断言できる。

生活も不安定で、まだ自分は若い女のつもりだったから、再婚するならまずは安定した相手を求めたはず。十八も若い金なしバイト、言葉があまり通じない相手は選ばない。

息子は恋しくても、やはり生活の安定、というより情緒不安定だった自身を考慮すれば、すべて安泰な岡山の父方にいる方が本人にとっても幸せと考えただろう。

芸能事務所のスカウトは受けたとしても、変な勘違いをして作家を廃業し、タレントとして生きようとじたばたしてズッコケた、あるいは喧嘩別れした可能性が高い。

そしてあの頃はあちこちの男を追っていて、ワンコなぞ飼う余裕はなかった。飼っても二の次で、可哀想な放置をしてしまったかもしれない。

 

もし50代に入っていたら

では今度は、これらの四十代でやったことを五十代に入って直面していたらと想像すれば、やっぱり今の夫と正式には結婚してない気がする。彼は若いんだから、超年上が縛るのは可哀想だし、絶対に若い女に取られると警戒して。

息子はすでに成人し働いて彼女もいるんで、ほどよい距離感でいた方が楽しくやれるんじゃないかと思うし、実際そうなっている。

芸能事務所には、とにかく安定を求めて入るだろうが、本業はあくまでも作家なんだからと変なプライドに縛られ、あんなことできない、それは嫌と我儘いってたかもしれぬ。

ワンコは、今から飼ったらしんどいかな、ちゃんと最期を看取ったり看病したりできるかな、みたいな躊躇いがあるだろう。

 

こうやって改めて書き出してわかったが、まだまだ新たなことに挑戦してしくじっても取り戻せるし、四十代ってガッツとあきらめの、ほどよいところにあるんだよ。

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この記事を書いたのは
作家 岩井志麻子

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