40代女性のたしなみに!京都のお店で懐紙をオーダーメイド

毎日の暮らしの中で、「おやつ」に「お十時」(朝ごはんと昼食の間に一服しつつ甘いものを楽しむ時間)などスイーツの時間がありますが、お出かけした時にも楽しいスイーツタイムは多いもの。外出先「ちょっといかがですか?」とおすそわけしてもらった小さなお菓子をそっと懐紙にのせて受け取る…、そんな上品さを嗜みたいのが40代の女性です。普段の暮らしになかなか馴染みのない懐紙ですが、自分の名前が入れられるオリジナルの懐紙があると聞いて、さっそく京都へ行ってみました。

京都の懐紙専門店「辻徳」

京都の四条堀川にある「辻徳」は明治43年創業の懐紙専門店。創業時から長く紙にまつわる仕事を生業としてきた「辻徳」は、もとは3代続く金銀紙原紙専門の老舗。現在の専務がお茶を習い始めたことがきっかけで、古典柄からモダンなものまで日常的に使える懐紙を幅広く取り揃えるようになりました。懐紙部門を立ち上げたのは2007年。約100種の柄を揃えたオリジナルの懐紙、懐紙淹れなどを販売されています。ショップのある建物は創業者の辻徳治郎さんが建てられたもの。洋風の佇まいがステキです。


店内に入ると店内には懐紙がズラリ。「絵柄は100種以上ございますが、季節を意識したデザインのものも多いので、常時並んでいるのは50~60種くらいですね」と話してくださったのは、辻亜月子さん。透かし柄が美しく上品な漉入れ懐紙、淡い藤色や山吹色などの色が付いた色懐紙、季節や通年使える柄が入った懐紙、柄が浮き上がるように見える立体的なデザインの型押し懐紙、さくらの柄や猫の足跡を切り抜いて、色つきの懐紙と合わせて使う型抜懐紙、花びらのような形をしたひとひら懐紙、などユニークな懐紙がたくさん!また、ひと回り大きなサイズの男性用のの懐紙も揃っています。

「辻徳」の人気懐紙BEST3

そんな懐紙の「辻徳」での人気のデザインベスト3を伺いました。人気ナンバー1は「リボン懐紙」。こちらは、今年1月にはカタログで1000点近く売れた商品。白地に赤いリボンがキュート。少し洋風なところも若い女性にも人気のようです。人気第2位は、「さくらの型抜懐紙」。「桜のデザインは、春のイメージも強いのですが、一年を通して人気ですね。やさしい桜色と花の形に型抜きされたデザインがかわいらしいと評判です」と辻さん。こちらの懐紙は、桜模様の懐紙入れと合わせて購入されるお客さまも多いのだとか。そして第3位は、「宝尽くし」。「おめでたい柄なので、ちょっとした贈り物にも喜ばれています」。色使いも少しカラフル。打出の小槌や巻きものなどおめでたいモチーフが楽しい!

懐紙に名前を入れてもらえるんですよ!

「辻徳」の懐紙はオリジナルデザインのほか、レイアウトからずべてデザインしてもらえるおまかせオーダーメイドや自分でレイアウトできる「懐紙工房」があります。京都の本店でいろいろ購入したわたしですが、自分だけの懐紙もいいなあと思い、既成の懐紙に名前を入れるオーダーメイド懐紙を注文してみることにしました。名入れ懐紙は「辻徳」ホームページから注文すれば自分でレイアウトしたオーダーメイドを作ることが可能。お好みの懐紙を選んだら、書体や色を選び、入れたい位置も指定できます。20枚600円~とお手頃な価格でオーダーできるのも魅力。いちばん人気のリボン懐紙に「miho」という文字をオーダー。デザインの修正は3回まで校正できるので、「ちょっとイメージの書体と違うかな?」とか、「名前の位置を変更したい」なんて訂正も可能。デザインが確定すれば約1週間後に手元に届きます。

包む、メモる、さまざまな使い方を!

さて、その懐紙、みなさんはどんな使い方をされていますか? 今回の取材で辻徳亜月子さんにおすすめの使い方を伺いました。
茶道具の一つである懐紙は、お茶席に招かれた時に、お茶菓子をのせていただくのが一般的。ただ、懐紙のことをよく知ると、決して茶席専用の紙ではないことが分かります。「懐紙というのは、漢字の通り”ふところにいれて携帯する紙”のことを言います。 その昔、着物がまだ一般的な普段着だった頃は、懐紙を常に懐に入れて持ち歩き、 現代でいうところのティッシュペーパーやハンカチ、メモ用紙などのような役目を持っていて、生活になくてはならないものだったのですよ」と辻さん。
「辻徳」はその懐紙の原点に着目され、自由な発想でさまざまな用途に使える紙として懐紙を使うことをおすすめしてくれています。例えば、お酒の席でコースター代わりにしたり、心付けを渡すときにお札をむき出しにせず、懐紙に挟んで渡す、という大人のたしなみにも。また食事の時に口を拭いたり、汁受けにしたり、箸袋にしたり…も。そのほか、メモ用紙や一筆箋としても活躍。さらには、マスキングテープと相性がいいので、お菓子を入れる袋を作るのにもおすすめとのこと。辻さんは「はずしたアクセサリーを包むのにも最適。小さなピアスが行方不明…なんてこともなくなりますよ。ぜひ一度お試しください」と話してくれました。辻さんは、上記のような使い方のほか、「外出先ではハンカチ代わりにも使います」。「神社の参拝の時に手を清めたあと、懐紙で拭くのもよい使い方だと思います。少しもったいないかなとも思いますが、引き出しに眠っている懐紙がある場合はおすすめですよ」。
一枚の懐紙が「のせる」、「書く」、「拭く」、「包む」など、幅広いの用途に対応。多目的に使うことができるすばらしい懐紙は、毎日持っていると何かしら使い道があることにも気がつくはずです。
「辻徳」にはいつも持ち歩きたくなるようなデザインの懐紙が勢揃い。あふれるほど物があるこの時代に、あれもこれもと持ち歩くのではなく、「懐紙」を使う。そんなシンプルでプチ贅沢な暮らしをはじめてみませんか。


辻徳
京都市下京区堀川通四条下ル四条堀川町271
☎075-841-0765
営業時間11:00~18:00
日曜定休
http://www.tsujitoku.net/

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