
「夫以外の男性」との関係、していないなら不倫じゃないの?
後ろ指をさされる関係とわかっていても、やめられない不毛なつながり。
不倫を選ぶ女性たちの背景には何があるのか、またこれからどうするのか、垣間見えた胸の内をご紹介します。
【不倫の精算#27前編】
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どうして、夫以外の男性と恋愛しちゃいけないの?
44歳のJさんは、夫と子どもがいて自身はフルタイムの勤務をこなしながら暮らしている。
ふたりのお子さんは高校生。毎日勉強に部活動にと、新型コロナウイルス感染症が流行するまでは、毎日楽しそうに通学していたそうだ。
緊急事態宣言が出て外出規制が当然になってからは、家にいることが多くなった。
「でも、自分のことは自分でしてくれるしね、私は気楽なもんよ」
と、Jさんは密を避けて選んだ街中の公園で言った。
その日は、そんな家庭についての話ではなく、彼女がいま熱を上げている既婚男性について聞く予定だった。
「だからね」
テイクアウトで買ったアイスコーヒーのストローをつまみながら、Jさんは続ける。
「彼に没頭できるというか、あの子たちのことをあまり考えなくて済むのよね」
Jさんが思いを寄せる既婚男性とは、もう半年以上親密な関係が続いている。
緊急事態宣言が出るまで通っていたジムで知り合った男性で、LINEのIDを交換する程度には仲良くなったが、“その先”にはいまだ進んでいないそうだった。
「ねえ」
Jさんがこちらを見て言った。
「夫以外のオトコと恋愛したって、別にいいでしょ?」
「カレいいな」と思わせるオトコが使う手練手管
Jさんは、ジムで一緒に過ごしていたときから、彼のことが好きだった。
「引き締まった体もすごいんだけど、ストイックに筋トレする姿がね、またかっこいいの。
マシンの使い方を教えてくれたりアルコールのスプレーをついでに持ってきてくれたり、優しいし。頼れるって感じ?」
彼のことになると、Jさんは饒舌になる。
なんとなく想像して、そのまま
「でも、そんな男の人ってモテそう」
と、以前返したことがある。
「うん、彼を狙っている女性が多いのはほんと。
でも、女の人が寄っていってもね、誰に対しても平等なのよ。
誰かを特別扱いするってことがなくて、ちゃんと一線引いているの」
そこがまたいいのよねえ、ときれいな歯をのぞかせて笑いながらJさんは答えていた。
最初は、単純にいい人だなという好意だけだった。
だが、あるときJさんがうっかりダンベルを足に落としてしまい、それを見た彼がまっさきに駆けつけてくれたことに、Jさんの心は大きく動いた。
「スタッフもいたのよ。
普通、客に何かあったらスタッフがすぐ動くじゃない?
でもそのときは、遠くでマシンをやっていた彼がね、すぐに気がついて飛んできてくれて」
当時を思い出すのか、上気した頬で楽しそうに話すJさんは、人の妻の顔ではなかった。
男性に優しく接してもらうことが、大事にされることが、彼女にとっては心が満たされる瞬間の連続だったのだ。
純粋な好意は、こうやって着実に恋愛感情へと成長していった。
「不倫はしない」と言い切る既婚女性の胸のうちは
「その人は、未婚なの?
彼女は? バツイチとか?」
実は、こういう男性はよくいる。
ジムで筋トレに励み、作り上げた肉体で女性の目を奪う。
自分に興味を持った女性にはとりわけ紳士的に振る舞い、関心を惹きつける。
そうして既婚男性は不倫相手を見つけるのだ。
「うん、結婚はしているって。
子どもはいないけど、奥さんとは順調らしいよ」
大して気にする様子もなくあっけらかんと答えるJさんには、相手が既婚者だという事実はあまり重要でないことのように見えた。
“ああ、やっぱり既婚者だった“と思いながら、続けて言った。
「大丈夫?
不倫になったらしんどいよ」
不倫相手は一人じゃない可能性もあるし、とそこまでは口にしなかったが、こちらの言葉にJさんはまっすぐな視線を返した。
「え、不倫?
そんなのしないよ。
下品だけどさ、やっちゃったらそこで終わりじゃない」
その言葉は、無理をしている響きは決してなかった。そのときは。
やれば終わり。
不倫は肉体関係を結んだ瞬間が健全の最後であって、それからは不毛な感情のやり取りになることを、Jさんは考えていたと思った。
「そうか。
それならいいや。
失礼なことを言ってごめんなさい」
頭を下げると、Jさんは笑いながら言った。
「ううん、心配してくれてありがとう。
でもさ、不倫なんて、相手しだいでもあるんだし」
選ぶ権利はお互いにある。
Jさんは関係をコントロールできているのだな、と安堵した。
それが不穏な空気に変わったのは、たった一ヶ月後のことだった。
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