二度目のベッドでは、私からローションを差し出した【40代、50代の性のリアル】#13(後)

2021.07.03 LOVE

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でも、15年ぶりに…。涙が出てしまった理由って

「それより問題は、ブラジャーだったんです!」

 

……勝負下着下着ではなかった?

 

「それどころか、ブラトップです。私にもこういうときは勝負下着だというイメージがあったのですが、子育てに追われた15年間ブラトップしか着けたことがなくて、その日もそれ。でも勢いも手伝ってホテルに行っちゃいました。生活感がにじみ出た自分をさらけ出しても、この人なら大丈夫って思えたんです。幼なじみの話をたくさんしたのもあって、懐かしさのようなものを彼に感じていたのかな」

 

15年ぶりの、セックスである。かつてセカンドバージンという言葉もよく聞かれた。はじめてではない、だが緊張の度合いとしては同じくらい、もしかするとそれ以上かもしれない。

 

「気持ち以上に身体が緊張しちゃって、ぜんっぜん濡れなかったんです。15年ぶりということも話していたし、彼はとてもやさしくしてくれたのですが、せーの! で挿入したらアイタタタ……ッ!! となりました。目に涙がにじんで、彼は『痛かった?』と心配してくれたんですけど、違うんです。痛みではなく、人に抱かれる安心感や肌のあたたかさを感じたら泣けてきて。20代で経験したセックスは、子どもを作るためだったり元夫の性欲を満たすためだったりで、自分が愉しむということをまったく考えてなかったなぁ、私はさびしかったんだなぁって考えていました」

 

この人の気持ちが伝わってきた。肌をとおしてわかること

ノブオさんもちょうど、離婚から1年が経ったころだったという。ヨシミさんが感じていたのと同じぬくもりを、彼も感じ取っていたのではないか。

 

「私は看護師という仕事柄、肌のふれあいや表情で、その人の本音のようなものがわかるんです。たとえば何かの処置中に『痛くないです』と患者さんが言っても、言葉のとおり受け取るんじゃなくて、動作や表情で本当は痛いんだろうなと読み取る。この夜、肌をとおして彼のことをやさしい人だな、と思ったんです。だから濡れなくて痛かったんだけど、満たされました」

 

ヨシミさんは最初、ひと晩かぎりの関係でもいいと思っていた。けれど、もう一度セックスを試してみたいという気持ちがわいてきた。自分はちゃんと気持ちよくなれるのか。ノブオさんを誘い、待ち合わせ場所に向かう。バッグには、セックスローション(潤滑剤)が入っていた。

 

「産婦人科に勤務する友人から教えてもらったんです。彼の前でローションをバーンッと出して、『あなたとのエッチはよかったから、もう一度これを使って試したい!』と伝えました。私は看護師なんだし、もう開き直っちゃおう、と。これで最後かもしれないと思っていたから、こうしたい、もっとこうしてほしいということもはっきり伝えて……そしたら、痛みはゼロではないんだけど、とてもスムーズにできました」

 

息子も気がついた、私のほんの少しの変化

そこから1年以上、週に一度は必ず会い、セックスを重ねている。けんかすることもある。彼は離婚してまだ日が浅く気持ちに揺れがあり、ヨシミさんも15年ぶりの恋愛で心に歯止めがかからないことがあった。いまは、けんかできる相手だからこそ、セックスも楽しめると思っている。

 

大学生になった息子には恋人ができたことを話していないが、「お母さん、最近あんまり怒らなくなったね」と言われた。母親からも「最近、肌の調子がいいんじゃない?」と声をかけられた。

 

「男性も女性も年を重ねると欲求がなくなって、セックスしなくなるし、できなくなると耳にしていたんですが、それってただの思いこみだったんですよね。彼との出会いでそこから、パンッ!と解き放たれた気分です。その影響で、英語の勉強をはじめました。20代のころは英語が得意だったんですけど、すっかり離れていたので、もう一度話せるようになりたいと思って。スポーツジムにも通っています」

 

私たち二人、けんかもするけれど

再婚は考えていない。

 

「自分で稼げる仕事もあって、この先ひとりでも生きていける。会いたいとき、したいときに、彼と過ごす。そんな関係のほうが相手に期待もしすぎなくて、私には合っているみたいです。けんかは相変わらずよくするけど『これ以上言い合ったら、いいエッチができなくなるよ!』ってやめるんです。仲直りエッチは、また格別ですからね」

 

ノブオさんのことは”親友”でもあると思っている、とヨシミさん。男女としてつき合うだけだったら、いつか別れるかもしれない。親友だったら別れなくていい。「ひとりじゃない」という実感がある。

 

いろんな人と会えるけど、誰と会えるかわからないマッチングサービス。幼なじみの元夫という、思いもかけない出会いもある。そこからどのような関係を築いていくかは、自分次第ということなのだろう。

 

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この記事を書いたのは
フリー編集&ライター 三浦ゆえ

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