副反応に診断書?ワクチン2回目。親が高熱、子は保育園、学校に行ける?

前編に続いてお伝えするのは、都内某区に住む真下サキさん(44歳)ご一家(夫48歳、長女8歳、次女3歳)のケースです。共働きのサキさん夫婦はともに職域接種で、ワクチンはモデルナ製。夫が先行して2回の接種を終え、時期をずらしたサキさんは8月上旬と9月上旬に接種を行いました。小学2年生と年少の娘2人は接種対象年齢に達していません。ワクチン接種とは直接関係しませんが、長女の通う小学校で2度のコロナ休校、次女の通う保育園で1度のコロナ休園をこの半年間で立て続けに経験したそうです。

ここではサキさんの副反応と子の生活に与えたインパクトについて、まだまだ記憶がフレッシュなうちに教えていただきました。後編です。

 

>>「前編9月以降のワクチン接種。親の副反応・高熱で困惑…学校や園は休ませるべき?」

 

ワクチン接種後の発熱は共働き世代にインパクト大

真下さんご一家にとっては前回までが、長女の夏休みがあける前に起きたの出来事。このあとサキさんの2回目接種だけが2学期のスタートとかぶるわけですよね。これからの接種を控える子持ち世帯に何か参考になる情報はありますか?

「実は、夫が2回目の接種をしたころは何もお達しがなかったのですが、その後、私の1回目と2回目の接種の間、お盆をすぎた頃に次女の通う保育園の連絡ボードに張り紙がされました。内容はこうです」

 

“保護者が新型コロナウイルスワクチン接種後に発熱した場合”

ワクチンを接種した病院に連絡をとっていただき、発熱とその他の症状を伝え、医師より“副反応による発熱”と判断された場合は登園ができます。

 

張り紙を目にした率直に思うこと

「正直、ハードルが高いと感じました。このご時世です。ただでさえひっ迫している医療機関に診断をあおぐということに抵抗がありますし、我々の場合は夫婦ともに職域接種です。一体、間に何人の人を介したら、医師にたどり着くのでしょうか。医師の判断とはどのような形式なのかでしょうか。仮に書面ではないとしても、接種翌日の登園時間までに診断をいただける可能性など、限りなく0%に近いのではないでしょうか」

このようにいくつもハテナが瞬時に浮かんだというサキさん。さらに張り紙には、この文書は園を管轄する区の担当者に問い合わせた内容であることが明記されていたそうです。

「長女は夏休み中で民間学童にお世話になっていますが、そちらからの連絡はありませんでした。でも区からのお達しという書面の内容からして、学童も学校も状況は同じだろうと解釈しました」

 

モデルナ2回目の接種に向けて対策は?

親の副反応が子供の通学や登園に影響することを知ったサキさん。2回目の接種に向けて対策はしましたか?

「周囲からも夫からもモデルナの2回目の副反応は重いと散々聞かされていました。38度台後半以上は覚悟せよ。翌日翌々日の仕事はできないつもりでいたほうが無難だと。そのようなアドバイスを受けて、一応ミーティングを入れないよう調整はしました。でも物資的な準備は、接種翌朝の朝食用にパンを調達した程度です。“昔とった杵柄”じゃないですが、激務時代に培った気力で乗り切れるのでは的な気持ちはどこかにありました。あ、そうそう。長女の小学校の2学期スタートが分散登校になって、接種翌日の登校がなくなったことは心が軽くなる要素の1つでした。お弁当デーだったのですがギリギリで回避できました。これで、懸念ポイントが1つ減ったわけです。長女の学童と次女の保育園の登園問題は、考えても仕方ないので一端、頭の中から外しました」

 

2回めの職域接種、順調だったのでしょうか?

さあ2回目の職域接種、謎の腹痛はあったけど

「接種直前、これから体調を崩すかもしれないというプレッシャーがあったのか、激しい腹痛でトイレに駆け込みましたが、何とか予約時間の制限内にすべり込みセーフ。無事に接種を終え、接種後は普通にオフィスで仕事をこなすことができました」

 

この日の退社後の夕刻、サキさんはご家族とともに感染対策がしっかりされている近所の焼肉屋さんで夕飯をとったという。

 

「お肉食べると元気出るので。副反応の負けないように栄養をとっておきたかったのです」

 

気合い注入ですね。サキさんのど根性体質が垣間見えます。

 

深夜1時、サキさんを激しい副反応が襲った

帰宅後、早めに片付けや一連の家事、子どもたちの世話を終え、子供と一緒に8時台に就寝したサキさん。

「就寝する頃、何となく身体がだる重い感覚はありました。アレコレ考えるよりもう寝てしまおう。寝てしまいさえすれば大丈夫とここでも楽観的に考えていました」

 

そして、4時間後の深夜1時。サキさんは今までに感じたことがないような強烈な悪寒で目を覚ましましたそうです。

「身体のなかにまるで冬の海があるように冷たい波を感じ、その海の中心部から凍りついていくような感覚でした。慌てて毛布と布団を引っ張り出してかけましたが、ガタガタ震えがきてもう眠れません。全身を襲う筋肉の硬直も加わって状況は悪化の一途でした」

 

時間がすぎるのをじっと待ち、ようやく3時半すぎにやってきた凪の時間。

「今しかないと、一緒に寝ていた次女を起こさないようにそっとベッドを抜け出しました。厚手のスエットをピックアップし、ベッドサイドにおく水分も確保。体温を計測すると38.9度でした」

 

比較的楽と認識したこの凪の時間帯でも39度に迫る高熱。また、あの悪寒が襲ってきたら動けなくなると思い、トイレも済ませベッドに戻ったサキさん。ここでひとハプニング。

 

「朦朧としていたのでしょう。隣に寝ていた次女の足を踏んでしまいました。『ふぎゃっ』と声を上げる次女に絶望的な気分になりました。ここでもうひとタスクこなせる気力も体力もありませんでした。が、残る力でトントンすると、ほんの数分で彼女はまた夢の世界へ舞い戻ってくれました。心からホッとしましたね」

 

その後も眠れず、悪寒、頭痛、筋肉の硬直と戦い続けたサキさん。ようやく朝をむかえます。身体は動かないながらもその間、家事と仕事の段取りを組み立てていたそうです。

 

「朝食は買っておいてよかった。学校とお弁当もない日なのは偶然だけどラッキー。私の仕事は最低限だけで身体を休ませることに専念させてもらおう。あとは娘の学童と保育園に欠席の連絡をいれなければ…」

 

そして夫が助けてくれた

朝6時、次女起床。

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