話題のAI(人工知能)で失業する?そんな噂に住職が喝。
今やっている仕事がAIに取られて、海外に出稼ぎに行く日がくるのか?
こんな不安を煽る投稿を SNSなどで目にした人は多いと思います。
AIなどの人工知能が、今後ますます性能がよくなったら、それを搭載した機械が増えて、私たちの仕事もそれに取って代わられるというのです。
例えば、弁護士を例に挙げましょう。今後のAIロボットは、膨大な量の判例を覚えて、的確にその判例を当てはめることができるので、弁護士の仕事がなくなるという話があります。
お医者さんも同様です。患者が病院に行ったら、採血と問診票を元に、まずはAIロボットのお医者さんが診察するという時代がくるかもしれない。そう不安を煽っているのです。
そんなことはあり得ない。
わたしは、そんなことはあり得ないと思っています。
理由としては、こんな話があります。
アメリカのマイクロソフトがツイッター上でユーザーと交流するAIの実験を始めたところ、AIは第2次大戦中のドイツを賞賛しました。「ヒトラーは間違ってない」と言い始めたのです。
慌てて実験は中止となりましたが、このことはAIもまた利己的になることをよく示しているのではないでしょうか。
「利己的な遺伝子」によると
リチャード・ドーキンスの著作『利己的な遺伝子』では、ミームという、自己複製する生物とは違った、遺伝子の様なものを持った物を紹介しています。
簡単な例は、暑い日に団扇で仰ぐと言うのは、絵などよって世界中に広まって複製されていき、エアコンなどに進化を遂げて、人間に寄生しているといえます。
夏の電力消費を抑えるために、設定を28度にしましょうというのも、涼しくなるというミーム(遺伝子の様なもの)が絶滅しないために出してきた生き残り策とも言えるのです。なぜならば、そんなに電力消費が激しいならエアコンの販売自体を制限しようとなっても、やはりエアコンは存在し続けるからです。
ドーキンスによれば、ペンギンは、仲間を落として、オットセイなどがいないことを確認して群れで一斉に海に飛び込むそうです。個体としては、最初に食べられてしまうペンギンはかわいそうですが、遺伝子的には、こうやって多くのペンギンを守ることができます。つまり遺伝子を多く残すことができるので、そうするのです。
利己的であるからこそバランスをとる
このままAIが進化したとしても、ある一定のバランスのところで手を引きます。それは、AIもまた利己的だからです。
仏教語で「自利利他」という言葉もあります。
例えば、AIが一人勝ちして失業者が多くなったら、物が売れなくなります。そうするとAIによる機械を動かす会社が立ち行かなくなる。
そんなこともあるのかと、AIは頭がいいので、さぼりだすことでしょう。人手が必要になって、雇用が生まれて、また物が売れるようになる。
お医者さんのAIロボットは、患者さんがいなくなると困るので、できるだけ長くかかる治療法を選択するようになるかもしれません。それを必ずチェックするお医者さんが必要になります。いずれにせよ、ある程度のバランスでAIの全部取りにはなりません。
考えてみれば、銀行もATMが普及しているのに、いまだにカウンターでないと用事が済ませられない場合があります。
高齢化でスーパーのレジが全自動になっても、そのレジに一人ずつつかないと、カゴの出し入れに人手が必要になるかもしれません。
いずれにしても、人としての基本に立ち戻り、魅力ある人間になれるよう、努力することは変わりないのかもしれません。
皆さんも自信を持って、スキルアップを目指しましょう。
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