
更年期、ホルモン補充療法の前に「できること」がたくさんあります 更年期♯5
青年期、壮年期などと同じような時期の呼び方として、女性の閉経の前後5年を更年期と呼びます。
日本人の閉経の平均は50歳のため、45~55歳は更年期にあたる人が多数。この時期に女性ホルモンの分泌が急激に減少するため、更年期障害と呼ばれる状態に至る人もいます。
乳がんのセカンドオピニオンを中心に診察する医師の新見正則先生に、更年期とその治療について伺います。5回目の今回は「ホルモン補充療法」、そして先生のご専門である乳がんの治療について。
【更年期とホルモン補充療法♯5】
ホルモン補充療法の前に「できること」がたくさんあります
ホルモン補充療法(HRT)の取材で言うのも何ですが、ぼくはHRTは本人がすごくつらがってるときにだけ、リスク判断上問題がなければ行います。漢方も運動も嫌いですと言われ、そして副作用のリスクを受け入れた場合です。
更年期障害はしょせん加齢の変化に過ぎず、ホルモン分泌が衰えていくアンバランスさにいま身体と心がついていけないだけ。必ず慣れるのですが、人それぞれ時間がかかります。ずっと応援するから慌てずにいろいろ試そうね、というのがぼくのスタンス。これがもしもがんならば慌てないとならないけれど、慌てる必要はないので、順番に1個ずつ試そうねと申し上げます。
乳がんの患者さんたちも治療の過程で更年期障害に至る
乳がんの患者さんの7割以上はエストロゲン感受性が高い乳がんのため、抗エストロゲン剤を飲みます。すると閉経と同様の状態になるため、更年期障害になります。乳がんは1年に10万人が発症し、10年の間治療します。うち死亡が1割。約100万人患者さんがおられるので、ざっくりいって70万人が常時乳がんの治療のため更年期障害状態になっています。
この疑似更年期は乳がん再発防止のための抗エストロゲン剤のせいで起きる状態なのでホルモン補充療法はできません。乳がんの再発リスクが増えてしまうからです。ですから、漢方、ヨガ、運動などで治療していきます。それでじゅうぶんに手ごたえがあるのです。もっとひどい状態の患者さんをぼくは治してきているんです。
乳がんの患者さんに紹介したい「フアイア」
ぼくのクリニックで乳がんのセカンドオピニオンを求める患者さんって、保険診療の5分10分しかない説明に満足していません。なので、自由診療でおひとりあたり30分から60分かけてどんな質問でも受け、あなたの受けている治療はどういう治療だとさまざまな医学的な説明をします。
日本の医療機関はちゃんとしていますから、9割は間違いのない治療を受けています。でも、1割ほどいまひとつな治療もある。乳がんのセカンドオピニオンではその1割に入っていないかどうかの説明をします。そして現在行われている治療、今後の治療の説明をしてあげます。さらに希望者には、明らかな抗がんエビデンスがある生薬フアイアの処方を行います。
初診料は1万3200円、再診料は6600円です。高いと思いますか? でも、この額を払ってでも安心したい人がたくさんいます。そのくらい、5分10分の説明で自分の命を左右されるのは誰でも納得いかないし、不安なんです。
フアイアの内服量は再発防止には毎日3グラム(1ヶ月で3万3000円)、乳がんとの共存を目指す方には毎日6グラム(1ヶ月で6万6000円)を推奨しています。
乳がんのセカンドオピニオンは30分であれば、初診料だけで(1万3200円)で行っています。通常、セカンドオピニオンは30分3万3000円です。
ぼくは漢方専門医で、指導医でもあります。フアイアは顆粒のエキス製剤で、漢方製剤の中で明確な抗がんエビデンスを有する唯一ものです。乳がんのみならず、さまざまながんでの大規模臨床試験が進んでいます。
中国では医薬品の扱いですが、日本では健康食品です。ですが、2年の生存率が14%も上がるのならば、抗がん剤と同等と言えると思っています。それでいてお腹がゆるくなる程度しか副作用がないので、ぼくはこのフアイアの普及が乳がんを含めていろいろな患者さんを助けられると期待しています。
前の記事<<<更年期にイライラするのは当然のこと。悩まなくていいんです
お話/新見正則医院 院長 新見正則先生
1985年 慶應義塾大学医学部卒業。98年 英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は乳がん患者に対するセカンドオピニオンを中心に、漢方、肥満、運動、更年期など女性の悩みに幅広く寄り添う自由診療のクリニックで診察を続ける。乳がん治療に於いては、明確な抗がんエビデンスを有する漢方、フアイアの普及も行う。
https://niimimasanori.com/スポンサーリンク
【注目の記事】
- 「更年期世代は枕がオジサン臭くなる」って先輩が言ってたけど、私の場合はそれだけじゃなくて【マンガ100人の更年期R】#5
- Snow Man宮舘涼太も驚愕「3人に1人が栄養不良」の危機を打破するお弁当のポテンシャルに期待!「これならできそう!」43歳が救われた理由
- 【ユニクロ】ゆるっと着ても野暮ったく見えない。黒ワイドパンツで大人の体型カバー【40代の毎日コーデ】
- 夏の通勤に万能なネイビーパンツ。選ぶポイントは、着心地・ラクラクお手入れ・体形カバー!【40代の毎日コーデ】
- 「予約がとれないブランディングスタイリスト」が50代女性に向けて提言する「自分をもっと好きになる方法」って?
- 女性の毛髪への新アプローチ「S-DSC毛髪再生医療」とは?「毛の成長を促す起点となる細胞の一つを移植する」治療への期待を専門医に聞きました
- 形がきれい!合わせて着るだけで上品見えする【ユニクロ】の黒セットアップ【40代の毎日コーデ】
- 【立ったまま1分!骨盤矯正】体のねじれを整えて、垂れ下がったお尻もぷりっと丸く引き上がった【鬼軍曹ゆか様ダイエット】
- 熱中症「頭が痛くなった」はもう危険スレスレ!昨年の倍搬送されている2025年、「この梅雨明けまえがいちばん危ない」これだけの理由【専門家が解説】
- 48歳独身女性、立ち上がろうとした瞬間「あれ??」。このめまい、もしかして「更年期」なのかな?【マンガ100人の更年期R】
- 「まさか、私が乳がんに?」53歳でがん告知。抗がん剤で動けないつらい日々に、私を支えてくれたものとは
- 大人気【ユニクロ】ワイドスウェットパンツ。オシャレな人が購入しているカラーとは【40代の毎日コーデ】
- 「意地でもシミを増やさない」紫外線対策4つのポイント。「日傘だけでは不十分!?」50代美白のカリスマ美容家さきめぐ先生に聞いた
- 【熱中症搬送数激増中】実は6月下旬からの「高湿度」が最も危険!「さぼると熱中症リスク激増」の意外すぎる習慣とは?
- 「私の老化度、本当に54歳ぶんなのかな?」更年期以降は全員が気にしたい「自分の生物学的年齢」を計ってみたら衝撃的すぎる結果に
- 「体温が1℃下がると太りやすくなる」問題が、更年期世代の女性にとって特に深刻なのはなぜか?「お風呂に入る前たった1分でできるヤセ習慣」とは?【石原新菜先生が解説】
- 超激務ヘアメイク藤原美智子さんが「42歳で思い切って変えたこと」その顛末は?「顔も体も片側だけ引き攣った状態になるまで」働いて
- 「更年期のあと」ってどうなりそうですか?54歳コンビが語る「ここまでは冗談みたいにしんどかったけれど」の話
- 43歳、新しい職場で心が折れた。でも、25年ぶりにピアノを弾いたら胸が熱くなって──そこから私の転機が始まった
- 更年期後に「消える症状」と「そのまま残る症状」って?7万人のデータが教えてくれる「更年期の真実と、これからの人生」
- 更年期、どうやって乗り越える?運動、食事、サプリ、そして注目成分「ゲニステイン」まで、更年期の専門医が教えます
- 今の生活が「しんどい」なら「命の前借り」をしている証拠。知らずに「疲れを溜めてしまう」生活習慣とは【医師監修】
- 【徹底検証Hip Fit】はいて1日23分、ながらで使える手軽なヒップトレーニング!SIXPADの女性向けショーツタイプEMSで「ヒップから健康」は叶う?
- 「1年で約6倍」老化スピードが速い人と遅い人、その違いは?美人女医が伝えたい老化を早める3つの原因【医師監修】