「これが更年期の始まりか」と感じた51歳。生理不順とは無縁な私に周期の変化が…【100人の更年期#62】

閉経の前後5年を一般に、更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。

 

私ってもう更年期なの?みんなはどうなの?

 

オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)

【100人の更年期#62】

 

ノリコさん 57歳
夫と娘との3人暮らし。ヘルスケア関係のサロンで働きながら、歌手や雑誌の美容モデルとしても活躍中。

 

52歳、これまで体験したことがない急な発汗。友人に「顔が真っ赤」と言われ恥ずかしくなった

こんにちは、私は現在57歳の女性です。今日は私の「更年期の始まり」から今に至るまでの、長いお話をさせてくださいね。「これからの未来にこんなことが起きるんだな」と心の準備をしていただけたら、と思います。

 

私は若いころは生理不順とは無縁でした。でも、51歳になった辺りから、生理が数カ月に1度になったり、周期が短くなったりするようになりました。そんな生理不順が1年ほど続き、52歳のとき、ついにホットフラッシュが始まりました。

 

あるとき突然、急に体が熱くなって、汗が噴き出てきました。上半身が汗でびっしょり。隣にいた友人から「顔が真っ赤だよ」と言われて、恥ずかしくなりました。

 

これまで経験したことがない症状ですし、ホットフラッシュという言葉は知っていたので、すぐに「これが更年期のホットフラッシュ!?」と思いました。

 

ホットフラッシュの頻度は日増しに高くなり、ついに15分に1度まで頻発するようになりました。私はサロンで接客の仕事をしているため、頻発するホットフラッシュには本当に悩まされました。お客様に汗がとんだらどうしようって、いつも不安がつきまとっていました。

 

私は子宮筋腫の経過観察もしていました。あまりにホットフラッシュが強くなると、もしかして女性ホルモンのバランスが大きく崩れて、子宮筋腫にも悪影響を及ぼすかもしれない……?

 

そう考えて、病院の婦人科へ行って漢方薬を処方してもらいました。

 

漢方薬を飲むも治まらないホットフラッシュ。次にとった対策は…

それから漢方薬を1カ月飲みましたが、症状は治まりませんでした。それどころか、夜中もホットフラッシュがおきるようになりました。冬なのに、暑くなって布団をはいで寝て、そして寒くなって目が覚めて、布団をかけて寝るとまた暑くなって目が覚めて、の繰り返しで、眠れない日々が続きました。

 

寝不足が続いて疲れが取れなくなったため、再び婦人科へ行きました。すると、今度は女性ホルモン(エストロゲン・黄体ホルモン)を補充する2種類のパッチを処方されました。それぞれ数日置きに貼り替えて使うタイプで、飲み薬より肝臓への負担が少ないそうです。

 

使い始めて1週間くらい経ったころからホットフラッシュの回数が減り、そのうち治まりました。心も体も楽になる救世主的なパッチだったので、55歳までの3年間、続けました。生理も、本来はたぶん53歳頃に閉経するはずだったと思いますが、ホルモン補充をしたせいか、55歳まで続きました。

 

なぜ3年間でホルモン補充療法をやめたのか。それには子宮筋腫が関係していました。

 

 

55歳で閉経。夫から「女じゃなくなった」と言われ…

55歳のある日、子宮筋腫の定期健診をしました。そこで、もともとあった筋腫が大きくなったことを告げられました。

 

ホットフラッシュの治療としてホルモン補充療法を始める前に、主治医から「エストロゲン(女性ホルモンの一種)の補充は、筋腫が大きくなるリスクがある」と言われていたので、そのぶん驚きや不安は少なくて済みましたが、主治医の助言もあり、この時点でホルモン補充は止めることになりました。

 

ホルモン補充を止めたとほぼ同時に、生理も閉経。夫から「女じゃなくなった」と言われ、イラッとして、つい「そんなこと言うもんじゃない!」と怒ってしまいました。夫は冗談のつもりだったと思いますが、女としてはショックですよね。

 

ただ、ホットフラッシュも生理もない毎日は、それはそれで快適でした。

 

なぜ!? ふたたびホットフラッシュが始まった!

快適な日々は、そう長くは続きませんでした。閉経から半年経ったころから、再びホットフラッシュが始まったのです。さらに、以前は感じなかった膝の痛みも出てきて、歩くのが辛くなりました。体が思うように動かなくなると、今度は気分まで鬱っぽくなって、不安はつのるばかり。私は再び主治医に相談しました。

 

ところが主治医の判断は「ホルモン補充は、長く続けるものではない。貴方の場合は子宮筋腫の心配もあるので、これ以上しないほうがいい」とのこと。私は、なすすべがなくなってしまいました。

 

長く続けないほうがいいことは、自分でもわかっています。でも、体調が悪い日々を続けることのほうがもっと辛い。そこで、他に治療方法がないか、セカンドオピニオン(第二の医師の意見)を探すことにしました。

 

手詰まりになった治療法。救ってくれたのは自分と同じ更年期世代の女性医師だった

インターネットや口コミなどから探し当てたセカンドオピニオンの先生は、私の症状をみて、ピル(飲み薬)でホルモン補充療法をしましょうと提案しました。

 

あくまで私の想像ですが、前の先生は男性で、今度の先生は女性で私と同世代なので、ホルモン補充療法のリスクを背負ってでも楽になりたい更年期の苦しみを、理解してくださったのではないかと思っています。治療ができると分かっただけで、心がずいぶんと軽くなりました。

 

そしてピルを飲み始め、2週間ほどでホットフラッシュや膝の痛みは徐々に治まっていきました。体が楽になると、気分も明るく前向きになるんですよね。いろいろな治療の考え方があると思いますが、私は、ホルモン補充療法を再開して本当によかったと思っています。

 

通院も、始めは2週間おきだったものが徐々に期間が長くなり、今は3カ月に1度でよくなりました。いつかはホルモン補充のない生活に戻ることを夢見て、少しずつ薬の量を減らしていきたいと思っています。

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