一日一日を大事に過ごすための「覚悟」10 訓【坂東眞理子さんに聞く②】

2022.08.01 LIFE

坂東眞理子さんの新著『女性の覚悟』は、人生100年時代を生きる女性たちへのエールがいっぱい詰まった一冊です。覚悟といっても、まなじりを決し、悲壮な気持ちで頑張れというものではありません。「人生の主役は自分であり、責任は自分にある」と考えること。「この覚悟さえあれば、じたばた迷わない。とにかく自分の足で、しっかり歩んでいこうと思います」。そう語る、坂東さんのスペシャルインタビューの2回目です。

 

PROFILE
昭和女子大学 理事長・総長 坂東眞理子 (ばんどう・まりこ)

●1946年富山県生まれ。東京大学卒業後、総理府(現内閣府)入省。内閣広報室参事官、男女共同参画室長、埼玉県副知事などを経て、98年女性初の総領事(オーストラリア・ブリスベン)。2001年内閣府初代男女共同参画局長。05年昭和女子大学副学長、07年より同大学
学長。16年から現職。『女性の品格』は320万部を超える大ベストセラーに。

 

「自分で考え自分で動く!」

「何も面白いことがないなぁとか、私の人生こんなものとか、あきらめてしまったらそれまでです」
幸運が降ってくるのを待っているのではなく、自ら動くことが大切だ。
「誰かがお膳立てをしてくれるだろう、誰か頼りになる人が現れるだろうという甘い幻想は捨てましょう。自分にできることは何だろうと自分で考えて、アクションを起こすしかないんです」
けれど、何をしていいかわからないという人も、実際多い。

「自分の意見を言わずに親や夫の期待に応える女性が好ましいと思われていた時代が日本では長かったこともあり、自分は何をするか考える習慣がついていない女性も少なくありません。でも、何かしたいとモヤモヤ思っているなら、きっと何か見つかるはず。まずは、やればできると自分を励まし、人生でやりたかったこと、挑戦してみたかったことを考えるところから始めてはどうでしょう」
やりたいことをやるための準備も必要だ。

「心身の健康と活力を維持するために食事、睡眠には気をつけて。自分の健康だけでなく、家族関係の安定も欠かせません。年齢を重ねてからも、子どもの心配をしている人がいますが、子どもたちがまがりなりにも経済的に自立したらそれでよしとしましょう。夫にも自立してもらわなくてはなりません。ただ、自分と未来は変えられるけれど、本人が変わりたいと思わなければ人を変えることはできません。そのためにも妻が仕事で外に出るというのが最も有効だと思います。要は実力行使です」

 

1「人生の責任者になる」

60代、70代、80代、ことによったら100歳を超えて生きるかもしれない時代。「それぞれの時期を充実して過ごすために、女性には自分の人生を生ききる覚悟が必要になってきます。人生の責任者は最終的には自分です。他人にしがみつかず寄りかからず、人のせいにしない生き方を目指しましょう」

 

2「自分をいたわる」

「皆さんは、自分なりに精いっぱい働き、これまで生き抜いてきたはず。もっと頑張れと自分にむち打つのをちょっとやめてはどうでしょう」。人生の後半では不得意なことには目をつぶり、得意なこと、好きなものに集中してもいい。「好きなことをしていたら元気と意欲が湧いてきますから」

 

3「むつかしい人にならない」

年を重ねると、自分では意識しなくてもむつかしい人に見られがち。「自分の意見ややり方に固執してきゅうきゅうとせず、許容範囲を広げ、ほめ上手なお人よしになりましょう。人に親切にすると、いつか自分にそれが返ってくる。情けは人のためならずということわざは、ほんとだなと思います」

 

4「家事・育児・介護はシェア」

「これらを今も女性が主となって奮闘しているのは、家の中のことは女性が担うべき仕事だという、アンコンシャス・バイアスが働いているからです。夫婦、きょうだいで助け合い、社会的サービスも利用して、誰かにだけ負担が多くかからないようにしましょう。そのためにもその分野の情報をきちんと集めておきます」

 

5「穏やかな老後が幸福とは限らない」

「穏やかな老後が幸せというのは人生70年時代の発想です。平均寿命が延び、人生100年といわれる今、30年も40年ものんびり隠居暮らしをするわけにはいきません。自ずとおひとりさまの期間も長くなります。好きなことだけをするといった老後は、もはや幻想です。最後まで自立した女性として生きる覚悟が必要です」

 

6「足るを知るな」

お金や資産など物質的な個人の欲望については知足安分でいいと思いますが、人の助けになりたいとか次の世代を応援したいなど、人間としての成長については足ることを知らず、大欲をもち、自分の全力を振り絞る生き方が素敵だなと思います。もうこれでいいなどと自分を甘やかさないで進んでいきましょう」

 

7「気より頭を使うと疲れない」

「年齢を重ね、新しい職場に入ったとき、みんなに好意をもってもらおうと気を使いすぎて、疲れきってしまう人もいます。でも、気を使ったからといって尊重されるわけではありません。それより、頭を使い、新しいスキルを身につけ、いきいきと働くほうがずっと評価されます。気疲れもせずにすみます」

 

8「モノは捨てても人は捨てない」

「環境が変わると、合わなくなる人もいます。長いつき合いの中で行き違いが起こることもあります。それでも私はこちらから人間関係を切ることはしません。人は大事な資産ですから。縁がなければフェードアウトすることもありますが、柔らかくつながっていくのが豊かな人生の重ね方ではないかと思います」

 

9「生涯働く」

若さや体力は衰えているかもしれませんが、自分の可能性を信じて活動しましょう。学び直すのもいい、ボランティアも結構。でも何より、働いて多少なりともお金を稼ぐことで、社会に必要とされる実感を得られるのではないでしょうか。私も80歳までは現役で働き続けたいと思っています」

 

10「成功不成功は人の価値とは関係ない」

「職場での成功不成功は、仕事の能力とも、ましてや人としての価値とも関係ないと思います。時の運や巡り合わせで、業績が上がらなかっただけですから。たとえ出世しなかったにせよ、働き続けた人には職場を支えてきたという無形の資産があります。定年後の新しい職場ではそれがきっと役に立ってくれます」

 

 

『女性の覚悟』
 坂東眞理子・著 1350円(税込) 主婦の友社

後半期の人生をより輝いて生きるために、自分の人生の責任者である覚悟をもとうと坂東さんは呼びかける。覚悟が決まれば、自ずと自分がやれることがわかってくる。自分の人生を誰より自分がいとおしみ、これからの日々を大切に生きようという、女性へのエールが詰まっている一冊。

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▶▶前はコチラ:50歳からの生き方指南「女性の覚悟」【坂東眞理子さんに聞く①】

取材・文/五十嵐佳子 『ゆうゆう』2022年8月号より転載

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この記事を書いたのは
OTONA SALONE編集部長 浅見悦子

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