43歳「まさか更年期だなんて」始まりは生理不順とPMSでした【100人の更年期#70】

閉経の前後5年を一般に、更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。

私ってもう更年期なの?みんなはどうなの?

オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)

【100人の更年期#70】

リョウコさん 48歳

団体職員。職場には更年期世代の女性が多く働いているにもかかわらず、更年期の話題は「オバサン扱い」とみなされる雰囲気のためタブー。

 

43歳から生理不順が始まり、PMSも悪化。月に2回きたり3カ月こなかったり

現在48歳、事務員として働くリョウコさんは、今でこそ自分が更年期だと理解してホルモン補充療法(HRT)を受けていますが、ほんの1年前までは、自分が更年期だと認めることさえしなかったといいます。

 

「昔、女優の木の実ナナさんが、自身の壮絶な更年期を語った記事を読みました。今も鮮明に記憶していて、いつか自分も迎えるんだな……と思っていたのに、いざ自分が更年期世代になったら、心のどこかで『まだ自分は違う。もっと年上の人の話』と言い聞かせていました」

 

そんなリョウコさんが複数の体の異変を感じ始めたのは、43歳。まず、生理が月2回くるようになりました。初日から出血量が少なく、そのまま1週間続き、終わったと思ったら10日後くらいにまた始まる。この繰り返しでした。

 

「ちょうど職場が変わったタイミングだったので、環境の変化が原因だと思っていました。もともと環境が変わるとストレスを感じる体質みたいなんです」

 

しばらくすると、また以前と同じくらいの出血量の生理に戻りました。ところが、今度は生理が遅れるようになり、3カ月間こないときも。きたかと思えば、経験したことのない下腹部の痛みを感じることも増えました。

 

「生理の異変から1~2年経ったころから、生理前の腹部の痛みがひどくなりました。これがPMS(月経前症候群)なのでしょうか。生理の1週間くらい前から、朝起き上がれないほどの下腹部の鈍痛を感じるようになりました。不思議なもので、真夏と真冬は症状が軽く、それ以外の季節にひどくなります。これは数年続きました」

 

背骨や親指の付け根に激痛が! でも、病院に行っても原因不明と言われてしまう

この頃のリョウコさんは、背骨あたりに神経痛のような痛みを感じていました。そのうち左親指の付け根にも痛みを感じるようになり、徐々に激痛に。しかし、整形外科で診てもらっても体に異常はないと診断されます。痛みがあるのに異常なしといわれたモヤモヤ感から別の病院でも診てもらいましたが、結果は同じでした。

 

神経痛が解決しないままむかえた44歳のある日、再び職場環境が変わったリョウコさんを新たな激痛が襲いました。

 

「とつぜん背中に激痛が走って、そのまま動けなくなりました。診断結果は、椎間板ヘルニアでした」

 

幸い、痛みはブロック注射ですぐに治まり、その後は再発していません。このヘルニア経験から、ある思いがリョウコさんの頭をよぎりました。

 

「ヘルニアは原因がすぐに分かり、治療ですぐよくなったのに、背中あたりの神経痛はいっこうに原因不明で治療の方法も分からない。なぜ?」

 

とはいえ、忙しい毎日の中、痛みの心配ばかりをするわけにもいかないリョウコさんは、痛み止めや栄養ドリンクなどで自分をごまかしながら生活していました。

 

 

生理不順、神経痛、疲れやすい、帯状疱疹、発汗。もしかしてこれ、ぜんぶ更年期症状?

47歳の初夏。今度は背中に帯状疱疹が発症しました。1カ月ほどで治ったものの、あまりにも続く体調の異変に、さすがにおかしいと思ったリョウコさんは、インターネットで自分におきている異変の原因を調べました。

 

「生理不順、神経痛、疲れやすい、帯状疱疹。そういえば38歳のころ2~3回おきた大量の発汗も、これらはぜんぶ更年期におきる症状なんだ!と、遅まきながらやっと気づきました」

 

それまでリョウコさんは更年期は50代が見舞われるものだと感じていました。そのため、38歳の発汗や43歳で始まった生理不順が更年期と結びつかなかったのです。

 

きっと自分は更年期症状に苦しめられている、そう考えたリョウコさんは、自力でのケアや我慢を止め、インターネットで調べた更年期治療法のひとつ、ホルモン補充療法(HRT)を受けることにしました。

 

「ホルモン治療は、お医者さんによって勧める人と勧めない人がいると、更年期の記事などに書かれていたので、最初からホームページにはっきりホルモン治療をすると書かれている婦人科を選びました」

 

ですが婦人科でホルモン値を調べたところ、それほど下がってはいなかったため、医師の判断でHRTは行わないことに。かわりに漢方の「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」を処方されました。飲んでいると疲れがとれる感じはあったものの、背中や指の痛みはなくなりませんでした。リョウコさんは「処方されるものの効果なんてこの程度なんだ」と思っていました。

 

4年苦しんだ激痛がたった3日で消えた。私はこの医療を早く受けたかった

秋になり、今度はギックリ腰になってしまったリョウコさん。整形外科で治療を受けた際に改めてホルモン値も調べたところ、医師から「更年期の影響もあるかもしれません」と言われました。漢方では神経の痛みは取れなかったと話すと、パッチを貼るタイプのHRTを勧められ、始めることになりました。

 

「これがもう、劇的に効きました! しかもたった3日で! 毎日あんなに痛かった背中や指が、朝起きたとき、なんともないんです! 痛みのない毎日がこんなに幸せだったなんて。痛みがなくなったおかげで、気持ちまで明るくなりました」

 

通院を続けていたある日、看護師さんに「肌がキレイになりましたね」といわれたリョウコさん。

 

「HRTを始めてから、気のせいなのでしょうか、肌や髪もつややかになったように感じます。パサパサでまとまらなかった髪が、今はしっかりまとまります。心なしか、シワが減った気もします」

 

更年期は女性なら誰でも通る道。恥ずかしいことじゃない

HRTを始めて3日で辛かった症状が治まったリョウコさんは、更年期の症状に悩む職場の人へも治療を勧めたいと思っていますが、未だに話せていません。その理由は……?

 

「更年期の症状で辛いなんて言おうものなら『甘えている』『我慢するのが普通』と言われる職場なんです。だからみんな、あまり更年期の話題に触れようとしません」

 

具体的にどんなことが起きるのでしょうか?

 

「実はいま、ある女性上司がまさに更年期で。以前はなかったのに、書類を投げつけたり暴言を吐いたりするようになったんです。でも『更年期では?』なんて言ったら何をされるか怖くて、言えずにいます。本人が更年期だと認識して治療してくれたら、みんな楽になれるのに」

 

現在の更年期世代である45~55歳、特に50歳以上の世代は、まだまだ更年期を公表するのが憚(はばか)られる雰囲気の時代を生きてきました。リョウコさん、自分では更年期のことを言い出しにくい環境にありながらも、今回の取材に応じてくれた理由は?

 

「むしろこの環境にあるからこそ痛感することですが……更年期は女性なら誰でも通る道です。恥ずかしがらず、早く認識して、それぞれに合った治療をすることを勧めたい。治療はきっとご家族や同僚、みんなのためにもなるんです。それをみなさんにお伝えしたいです」

 

 

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この記事を書いたのは
漫画家 天野こひつじ

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