「くるみ」でも「ござ」でもないですよ!「胡座」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「胡座」です。
「胡座」の読み方は?
「胡座」の漢字に似た雰囲気がありますが「くるみ」は漢字で「胡桃」と書きます。「胡座」は「胡桃」と違い、植物の名前ではありません。
「胡座」の意味は以下の通りです。
両ひざを左右に開き、足首を組んで座ること。また、その座り方。
出典元:※
正解は……
「あぐら」です。それぞれの音読みで「コザ」と読んでも正解です。「趺坐」とも書きます。
「胡座」の漢字に含まれる「胡」には以下の意味があります。
①えびす。中国の北方・西方に住む異民族。
②でたらめ。うたがわしいこと。みだり。
③ながいき。老人。
④あごひげ。
⑤なんぞ。なに。いずくんぞ。疑問・反語を示す助字。出典元:胡|漢字一字|漢字ペディア
「胡」の読み方は
- 音読み コ・ゴ・ウ
- 訓読み えびす・でたらめ・みだ(り)・ながい(き)・なん(ぞ)・いずく(んぞ)
で、漢字単体では「あぐら」の読みに当てはまる読み方がありません。なぜ「胡」と“すわる”などを意味する「座」で「あぐら」と読むのでしょうか。
由来を調べてみたところ、「大修館書店:漢字文化資料館」のホームページに興味深い内容が記されていました。それによると、『古事記』に登場する「あぐら」は「胡床」と書き、今でいう椅子を表していたのだとか。「胡」の①が意味する民族の習慣だった椅子を「胡床」と書き表した言葉が、日本の民族の習慣である地べたに足首を組んで座ることを表す言葉へと変化し、その過程でなぜか民族を表す「胡」だけは変化せずに残り、「胡座」となったと考えられています。
「もしかして、冒頭で登場した『胡桃(くるみ)』の由来も……」と思った人がいるのではないでしょうか。調べてみたところ、「胡桃」の漢字とは異なりますが、木村陽二郎『図説花と樹の事典』(柏書房、2005年)によると、「くるみ」という和名(日本での呼び名)は呉の国から伝えられたことからクレミ(呉実)が転じたもの、との記述があります。
呉は
1 中国春秋時代の呉(ご)の国。転じて、中国のこと。
2 広く、中国から伝来した事物に冠していう語。他の名詞の上に付いて複合語をつくる。出典元:小学館 デジタル大辞泉
のことです。
一次情報ではありませんが、中国北方の国を表す「胡」と、くるみの形が桃に似ていたことから、「胡」からきた「桃」のような食材として「胡桃」の漢字を当てたという説もありました。
※あぐら|言葉|漢字ペディア
参考文献:「胡座」と書いて、どうして「あぐら」と読むのですか?
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