「加齢と更年期はどう違う?」更年期のリアルな疑問に専門家がズバリ回答!【更年期ラウンドテーブルvol.1】

一般的に閉経の前後5年を指す、更年期。この時期は、ちょっとした疲れやめまい、生理周期の乱れなどを感じるたびに「更年期?それとも加齢?」と不安になってしまいます。

オトナサローネはこの10年間をよりよく過ごすための社会啓発「アフタヌーンエイジプロジェクト」をスタートしました。

口にしやすい「アフタヌーン」という言葉をご提案しつつ、「私の症状は更年期なの?他の病気?」「どうすればこの不調が軽減する?」「私の症状を相談する相手は?」など医学的知識をわかりやすく届け、最終的に「誰でも不調を口にしやすく休みやすい、脱落せず参加し続けられる社会」を実現するのが目的です。

この一環として、有識者らと読者が同じテーブルを囲んで率直な意見を口にする「ラウンドテーブル」を12月にスタートしました。

1回目はオトナサローネ連載でもおなじみ、「婦人科&漢方の医療専門家」である医師・新見正則先生、薬剤師・笹森有起先生を囲んで更年期の疑問をトーク。

そもそも、更年期と加齢の違いは何? 私は病院に行くべき? どんな治療があるんですか?

診察室では質問しにくい「ホンネの質問」に、先生2人は……?

 

■参加者

鈴木里砂さん(52歳)

夫、息子(高2)と都内在住。東京都からの受託事業運営とZIPARTISTのパラレルキャリア。趣味はおひとりさま活動、アクセサリー作り、美味しいお酒を飲むこと、車いすラグビーボランティア、神社巡り、ダイエット。「更年期は48~50歳がピークで、現在は少し落ち着いてきています。でも、ホットフラッシュ、腰痛や肩こり、頭痛、寝つきが悪く眠りも浅い、イライラ含めて情緒が不安定などの症状は続いています」

 

 

前川祐美子さん(55歳)

 

夫、長男(23歳)、ミニチュアダックスと都内在住。フリーランスのWEB編集者。趣味はクラシックバレエ、ヨガ。「今年の春に仕事が忙しくなりすぎて体調を崩したことで、仕事に対する考え方を変えました。これまでは仕事も生きがいの一つでしたが、『体調崩してまですることはないのでは…』と家族から言われ、仕事は笑顔が保てる量に調整することに。今後もこのペースで長く細く続けていきたいな~と思っています!」
(左)オトナサローネ編集部・井一美穂(51歳)(右)ライター・力武亜矢(51歳)
井一は45歳ごろから抑うつ、不眠など精神神経症状に相当深く長く苦しめられたものの、煎じの漢方で更年期前半を何とか乗り切った。51歳からHRTをスタートしたところ驚くほどに著効、人生が変わる勢い。同じ年齢の力武は性格の前向きさもあってかほぼ自覚症状がないままここまで過ごしてきた。

新見正則先生

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は乳がん患者に対するセカンドオピニオンを中心に、漢方、肥満、運動、更年期など女性の悩みに幅広く寄り添う自由診療のクリニックで診察を続ける。がん治療に於いては、明確な抗がんエビデンスを有する生薬、フアイアの普及も行う。最新刊は「フローチャートコロナ後遺症漢方薬」で、Amazonでベストセラーに。

笹森有起先生

pluskampo株式会社代表薬剤師。青森県出身。東北医科薬科大学を卒業し薬剤師免許を取得。調剤薬局での勤務を6年経験。薬剤師として働く中で漢方薬に出会い、自身の自然治癒力を最大限に引き出し、結果として症状が緩和する漢方薬の効果や考え方、哲学に感銘を受け、フリーランス薬剤師を経て起業。

 

先生、私「四十肩」なんですが、これは更年期?それとも加齢ですか?……答えは意外にも

井一 今日は、更年期が気になる読者のお二人と、更年期に詳しい先生お二人、そして編集部から更年期真っ盛りの二名が参加しての1回目のラウンドテーブルです。新見先生のクリニックの一室をお借りしましたが、ご覧の通り、先生のお家にお招きいただいたかのような感覚。さっそく更年期世代が感じている体の変化や疑問などについて、新見先生と笹森先生に教えてもらいたいと思います。まず、前川さんは新見先生に聞きたいことがあるんですよね?

 

前川 はい。47歳のとき四十肩になって、治す方法や他の人の体験談をネットで調べたら、四十肩で悩む同世代の人がけっこういました。四十肩って更年期の症状でしょうか? それとも単なる加齢ですか?

 

井一 いい質問をありがとうございます。読者アンケートでも「私の不調が加齢によるものか更年期か分からない」という悩みがダントツ1位です。みんな困っています。新見先生、いかがでしょうか?

 

新見 そもそも更年期は加齢で起きる変化の一つですから、大きく言って加齢のくくりです。年齢を更に重ねる期と書いて更年期と呼ぶくらいですから、四十肩に限らず、加齢によって感じる体の変化は、ほとんど更年期だと思っていいでしょう。さらに言えば更年期というのも日本特有の言葉で、海外ではあまり使わないです。

 

前川 えっ、つまり海外の人は更年期を感じない、だから表現する言葉がないということですか?

 

新見 英語で閉経を指すメノポーズという言葉があって、メノポーズ前後にさまざまな体調変化が起きる人はいます。西洋人はホットフラッシュにとっても悩まされるようですが、あくまでもホットフラッシュで困るのであって、更年期という期間でくくる考え方はしていないと思います。アメリカなどでは、メノポーズによる女性ホルモン減少の対策としてホルモン補充ができることが広く知られていて、困っている人は健康維持のためにホルモン補充をしています。

 

前川 海外の女性も閉経前後にさまざまな体の変化は起きるけれど、更年期という期間設定をしていないんですね。

 

 

めまい、滝汗、不眠、うつ… 原因は更年期? 不調の原因を見分ける方法とは?

井一 更年期は加齢の一種ということですが、自分の症状については、やっぱり加齢のせいか更年期なのか知りたいです。先生、何か見分ける方法はないですか?

 

新見 更年期は一般的に40歳~60歳の間なので、60歳になって治った症状は更年期、治らなかったら加齢の影響だったと考えるのは、一つの目安です。

 

井一 えっ?? いますごく納得しましたが、でもちょっと騙された感があるというか、つまり「今私に起きているめまいが更年期なのかどうかは10年後までわからない」ってことですね……?

 

新見 騙してるんじゃなくて、本当にそれ以外の診断ができないんです。ほとんどは終わってみてはじめて診断がつく、そんな症状ばっかりだから更年期障害の診断と治療は医師にも難しいんです。

 

井一 とにかく、あとから遡って、閉経して減った症状は更年期によるものだったと判断、閉経後も残った症状は加齢だったと理解する、こういうことですね。

 

 

▶【後編】どんなものであれ「更年期症状は必ず終わりがくるから大丈夫」と捉えてください

       

【編集部からアンケート】更年期の「サイン」、あなたは何で気づきましたか?
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