ご存じでしたか?更年期以降の女性の骨はどんどんもろくなっていく。「腸活がとっても重要になる」理由って

女性のほうが男性よりも起こりやすい「骨粗鬆症」。更年期をさかいに、発症する確率が増加していきます。骨を強くするためには、カルシウムをとったり、運動したり、とさまざまな方法がありますが、近年注目されているのが腸内環境と骨粗鬆症の関係。腸活を行うことで骨の健康管理にもつながることがわかってきているんです。

今回は、更年期の女性が骨粗鬆症になりやすい理由や、腸内細菌と骨粗鬆症の関係、骨を強くするための腸活について、ウンログの腸活うんち専門家・長瀬みなみがわかりやすく解説していきます。

 

更年期の女性は骨粗鬆症になりやすい

更年期をむかえた女性は、女性ホルモンのバランスが乱れることで骨粗鬆症になりやすいことがわかっています。その原因となるのが、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの減少です。エストロゲンは、月経や妊娠・出産と関わりが深いホルモンですが、実は骨の形成を促進したり保護したりする働きも担っています。更年期にエストロゲンが減少することによって、骨密度も低下してしまうのです。

女性は、男性と比較すると、もともと骨量が低く骨粗鬆症のリスクは高いです。「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2015年版)」によると、大腿骨頚部の骨粗鬆症有病率は、40歳以上の男性で12.4%、女性で26.5%と発表されています。更年期をむかえる40〜50代を境に、女性の骨粗鬆症の有病率は右肩上がりに増加し、70代では大腿骨頚部の骨粗鬆症有病率が40%を越えています。

 

骨粗鬆症は腸内細菌と関係している可能性

近年では、骨粗鬆症と腸内細菌が関係している可能性があることも示唆されています。腸内環境や腸内細菌と健康の関係性については日々研究が進められていますが、骨の代謝にも関与していることがわかってきています。

例えば、骨を形成するために必要な栄養素のひとつが「ビタミンK」です。ビタミンKには、ビタミンK1とビタミンK2という2つの種類があります。ビタミンK1は植物が作り出すもので、ビタミンK2は微生物の発酵によって作られます。つまり、私たちのお腹の中にいる微生物・腸内細菌もビタミンK2を発酵によって作り出しているのです。

2021年に国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所が発表した研究成果報告書によると、腸内細菌の作り出す短鎖脂肪酸が、骨の代謝を促進して骨密度の低下を抑制するという考えが示されています。研究の中では、腸内の短鎖脂肪酸の濃度の上昇と骨密度の低下抑制が認められていることが報告されています。

 

腸活で骨粗鬆症リスクを下げる

更年期を迎えた女性も、日常的に腸活を取り入れることで骨粗鬆症が予防できる可能性があることも最近の研究では明らかになってきています。先にご紹介した短鎖脂肪酸と骨密度の関係性の研究の中では、難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)の摂取による骨密度の変化について報告されています。

この実験では、閉経後の骨粗鬆症モデルマウスに対してレジスタントスターチを混合したエサを与え、腸内環境と骨密度の変化を評価しました。結果、腸内ではビフィズス菌や抗炎症成分が増加し、6週後には骨密度の低下が優位に抑制されていることがわかっています。

この研究では、難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)による腸内環境改善と骨密度の低下抑制に関する実験が行われましたが、難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)が直接的に骨密度の低下を抑制するわけではありません。腸内環境に対して生活のアクションを変えることで、腸内細菌の働きを変化させた結果、骨に対する効果が生まれたと考えられます。

閉経後の骨粗鬆症リスクを下げるためには、日常的に腸活を実践することが大切です。

 

更年期後も元気に活動するためには腸活!

更年期や閉経をさかいに有病率が増加する骨粗鬆症と腸内環境に関してご紹介してきました。骨の状態は目ではわからないもの。知らなければ放置してしまいそうですが、骨折してからでは手遅れです。

骨粗鬆症予防のためだけに健康管理や食生活を変えることは難しいですが、腸活ならば骨だけに限らず全身の健康のために効果を発揮してくれます。腸内環境を改善して、元気に活動していきたいですね。

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