「お金に苦しんだ私だから言える」梅宮アンナが語る、子どもを自立させるために大切なこと#4

2023.06.16 WORK

愛娘・百々果さんに対するお金教育、どうしてますか?

——百々果さんのお小遣い制度はどんな感じですか?

 

高校生までは、欲しいものや、行きたいところがあれば申告してもらって、そのつどお金をあげていました。でもお金の使い方で叱ったことはありません。

 

なぜって、娘世代の特徴なのか、私たちの世代に比べて、ブランドものに憧れて身につけたがるということもないし、友達と旅行に行きたいとか、いいレストランで食事をしたいという欲もあまりないようですし、とても堅実ですね。実際、何か欲しいものないの? って聞いても「別にない」って返ってくるんです。

 

私はアルバイトの経験がすごく楽しかったし、お金の価値や世の中のことを知る上でもいい経験だったので、娘にもアルバイトをしてほしかったんです。でも学校がアルバイト禁止だったので、その願いはかなわずじまいでした。

 

それに百々果はバレーボールに夢中だったので、アルバイト禁止じゃなくてもそれどころじゃなかったかな。

 

でもね、そのおかげで、私も第二の青春を体験できたんですよ。私はクラブ活動というものを一回も体験したことがないから、百々果の試合の応援に行くたび、手に汗にぎるほど夢中になって声援を送って、すっごく楽しかった。あんな経験をさせてもらえたことを、百々果に感謝してます。

 

——百々果さんは、バレーボールの実力を買われてアメリカの大学からスカウトがきたとか。

 

そうなんです! でもね、百々果は「私は背も低いし、アメリカで自分が通用するかと言ったら難しいと思う。それに、朝から晩まで練習漬けで、他のことは何もできない学生生活はもういいかな」と言って、そのお話を断ったの。あの子、地に足ついているのよね。

 

 

「私の娘は、父の娘にもなっているんです」法定相続人になるため梅宮辰夫氏の養女になった娘

――相続を円滑に行うために、百々果さんは辰夫さんの養女になっているんですよね?

はい、その通り、百々果が18歳のときに私の父、梅宮辰夫の養女となり、法定相続人になりました。早めの遺産相続、父の終活のひとつですね。このとき、百々香に、今から自分の財産の管理を自分でするか、20歳まで私が預かっておくか、どちらか選ばせたんです。

 

本人が、自分で管理したいっていうので、あとはノータッチ。財産を何に使おうが、すべて失おうが彼女の責任です。

 

ただ一度だけ、口を出したことがあります。それは、彼女がFX(外国為替証拠金取引)をやろうとしたとき。かなりギャンブル性が高い取引なので、じいじが一生懸命働いて稼いだお金をそこにいきなり使うのはやめて、将来、自分で稼いだお金でしなさいともアドバイスしたら理解してくれました。

 

――百々果さんのお金回りは? お小遣い制ですか?

 

今、百々果はアメリカで勉強しているのですが、人生で初めてのアルバイトにもチャレンジ中なの。カリフォルニアの、おすし屋さんでウェイトレスをしてるんです。アメリカに行ったときに顔を出したらすごく頑張っていた。

 

「ママ、カリフォルニアロール好きじゃないでしょ。お願い頼んで」と言われたので、「??」と思いながらオーダーを入れたら、それをバックヤードに持って行って、みんなで食べてるの。もちろん、そんなことが許されている職場とはいえ、しっかり、ちゃっかりしてるなって感心しちゃった。

 

それにね、百々果が職場の、先輩方にすごくかわいがられているのもわかってうれしかったです。

 

実は、私、アルバイト先の方々に、百々果のことをすごく褒められたんですよ。「サービスがこまやかでスマートだ」、「余計なことを言わない」「現場をよく見ているのでお客さんから評判もいい。言葉づかいや対応もしっかりしている」って。

 

これは、小さいときから、高級店から気さくなファミリーレストランまでたくさん外食をし、その都度、サービスのよしあしについて語り合ってきたことが関係あるのかなと思って。子育てに無駄なことってないんだなってうれしかったですね。

 

――そんな外食のたびに、お二人はレストランでどんな話をされてきたんですか?

 

オーダーを取るタイミングとか、席への案内の仕方とか、メニューの説明とか、ちょっとした声掛けとか。あの人はすごく感じがいいねとか、顔を上げたら、すっとテーブルの方に来てくれるとか、そういったこと。

 

そして今は、彼女にこんなアドバイスをしています。

 

「来年21歳になって、お酒が扱えるようになったらチップがもっともらえるレストランにステップアップして、あなたはもっと稼げるようになると思う。でもそうなると嫉妬もされるでしょう。とにかく腰を低くして、謙虚に、自分の言動にはくれぐれも気をつけるようにね」って。

 

人から買う念の怖さは、私を見てきて感じている子なんだけれども……。調子のいいときほど腰を低くということは、ことあるごとに言ってるかな。

 

つづき▶梅宮アンナ、娘に「口すっぱく」言ってきた3つのこと「あいさつ」「言葉づかい」意外なもうひとつは#5

 

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取材・文/斯波朝子(オフィスCuddle) 撮影/廣江雅美

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