「朝起きたら、まさか私が熱中症?」38歳女性社員が襲われた「寝たまま熱中症」の恐ろしさ、どう避けるのか

記録的な猛暑が続く中、例年よりも警戒したいのは熱中症。どう対策するべきなのかを神奈川県済生会横浜市東部病院の谷口英喜先生にお話しいただいた記事『熱中症「夜寝ている間」「プールで」「時差発症」もあり得る。「しっかり寝て、朝ごはんを食べることです」』には大きな反響がありました。

 

記事を配信した翌日の火曜、夜になって同僚から「すいません、今日熱中症で1日倒れていました」とメールが。え? 祝日の昨日じゃなくて、平日の今日? 「それが、朝起きたらいきなり熱中症になっていたんです、びっくりしました。今やっとメールが打てるようになって」……それはまさに、谷口先生が警鐘を鳴らしていた「寝たまま熱中症」。まさに同僚に起きていたなんて!!

 

その実体験を詳しく聞きました。

 

楽しかった3連休が終わり、のんびりと就寝した月曜夜。しかし…

こんにちは、主婦の友社の広告営業メンバーの田崎あかり(仮名)です。いま38歳、夫と娘10歳の3人で都下のマンションの10Fに住んでいます。3連休最終日の7月17日(月)深夜から翌日の18日(火)朝にかけて、娘と2人で「寝たまま熱中症」になったお話をさせてください。

 

今月のはじめ、娘の小学校では運動会の練習中に軽い熱中症で児童が数人倒れました。その中の1人が娘で、熱中症はいちどなるとかかりやすくなるとも聞いたことがあるため、その後は水分補給に気を付けていました。でも、まさか私がなるとはまったく想像しておらず、3連休中もあれだけ報道されていましたが完全に他人事でした。

 

17日(月・祝)の昼間は娘とのんびりとショッピングモールに出かけて過ごしました。3食食べましたし、お水も飲んで、体温の上がるようなアクティビティもしていません。蓄積した熱による時間差発症ではないと思います。

 

私はエアコンの風が苦手で、先週までは窓を開け扇風機の風で寝ていました。でもこの連休の暑さでさすがに窓を閉め、エアコンをかけて寝るようになりました。17日夜もエアコンを26℃設定でつけ、娘は22時半ごろ、私は23時半ごろ寝ました。

 

我が家は10Fの西向きで、築5年ほど。気密が高く、冬場も暖かいのは嬉しいのですが、夏場は熱がこもって出ていかないので相当暑い。とはいえ、南向きではないので朝から暑いということは去年までならありませんでした。

 

この、「去年までなら」という認識が甘かったですね。

 

起きた瞬間「明らかに普通の状態ではない」。恐ろしい、寝たままこんなことが起きるだなんて

18日(火)朝6時半ごろ、私は激しい頭痛で目が覚めました。半身を起こすと、部屋は完全にサウナ状態、蒸し風呂になっています。どうやら夜中、娘が寒いと感じてエアコンを消していた様子。まだ暑さにもエアコンにも身体が慣れていないのです。

 

慌てて隣に寝ている娘を起こそうとしますが、娘の名を呼ぼうにもろれつが回らず、同時に激しい吐き気に襲われます。そんな中、娘が自分で起き上がり「ママ、頭が痛い」と訴えました。吐き気があまりに強く、私一人だけなら食中毒と迷ったかもしれませんが、娘も同じ症状を訴えたことで「あ、これ、熱中症だな」と自分の置かれた状況が理解できました。

 

枕元にお水を置いて寝ているので、すぐに飲みました。でも、即座に強烈な吐き気に襲われます。慌ててトイレに駆け込もうとするのですが、立とうとしても足に力が入らず、思うように立ち上がれません。必死に頑張ってよろよろと起き上がりましたが、今度はもう世の中がぐらんぐらんに揺れて、めまいがすごい。どう考えても普通ではないんです。

 

やっとの思いでトイレにたどり着いて吐こうとしますが、食事してから10時間以上たっていますし、もう水分しか出ない。そうこうするうちすっかり目の覚めた娘が「ママ、頭が痛いし、すごくだるい」と訴え始めました。

 

娘のほうが身体も小さいし、症状がひどくなりそうなものですが、実際は娘のほうが症状が軽く、経口補水液を飲ませてしばらく寝ていたら元気になりました。2時間目までは寝かせていましたが、元気いっぱいでもう学校に行きたいと言うので3時間目から登校させました。遅刻する場合は親が校門まで送らなければいけないのですが、私は玄関まで立ち上がって送るので精いっぱい。そもそも、会社に対しても欠勤のメールを1本送るのが精いっぱいでした。取引先から電話がかかってきていますが、その電話をとることができません。

 

寝ても寝ても頭痛が取れないし、何を飲んでも即座に吐いてしまう。「もう身体に水分が入っていかない」

娘が登校するまでは私も水分をとりながら一緒に寝ていたのですが、とにかく頭痛がひどい。鎮痛剤も飲みましたが、いっこうに治まる気配がありません。このまま寝ていても自力ではどうにもならないのだなということがわかってきました。かかりつけの内科に電話をかけて相談したところ幸運にも14時の予約がとれましたが、この電話も起き上がってかけることができず、寝たままかけました。

 

14時までの間、がんばって水分をとりましたが、飲んでも飲んでも全部吐いてしまい、ずっと気持ち悪い。水でも経口補水液でも、身体が水分を受け付けてくれないんです。こうなってしまうともう治せないんだな、人間の身体ってあっけないなと強烈な頭痛と吐き気とだるさとめまいの中で思いました。ただ、死ぬかも、命が危ないかもとは思わなかった。そこまで考える余裕もないくらいに、とにかく痛くて辛くて苦しかったからでしょうか。

 

14時、内科にはいずるようにしてたどり着くと、先生はひとめ私を見て「熱中症ですね」。すぐさま点滴を打つことになりました。朦朧としながら点滴がはじまり、どうやら私はそのまま寝てしまったようです。

 

次に目が覚めると時計は15時過ぎでした。周囲を見回し、次の瞬間に気付きました。あっ、頭痛がきれいに消えている!! これには本当に、本当に驚きました。あれだけ辛かった頭痛が、鎮痛剤を飲んでも収まらなかった頭痛が、点滴でこんなに収まるなんて! ありがたいことです。ただ、まる1日たった今もまだ強い倦怠感と吐き気は残っています。食欲は夜にやや回復して少しだけ口に食べ物を入れ、今朝は朝ごはんを食べられました。

 

夜中に2回起きて水分をとっていた娘は、症状が軽かった。水分補給が生命を分けることを痛感

なぜ娘のほうが症状が軽かったのか。帰宅した娘から話を聞いてわかりましたが、娘は22時半に寝たあと、夜中に2回トイレに起きたみたい。部屋の外に出て、2回とも水を飲んでるんですね。あれだけ部屋が暑くなるということは、娘はおそらくかなり早い時点でエアコンを切ってしまったのだと思います。たとえば夜中の1時か2時にはもう切っていたのでしょうね。でも、水分を補給したうえ、部屋の外に出て身体を冷やしていることで、症状がひどくならなかったのだなと思います。

 

88歳の祖母がひとりで鳥取に住んでいるのですが、この炎天下でも毎日畑仕事をするし、年よりだからエアコンどころか扇風機も嫌いで、締め切った部屋に一人、しかも暑いことにあまり気が付かない。まさに典型的な熱中症ハイリスク群ですから、電話をかけるたびにおばあちゃん気を付けてねと何度も何度も話していました。でも、そんな祖母より私のほうが先に熱中症を経験しました。

 

みなさん、熱中症はひとごとだと思っていると思います。私がまさに、完全にひとごとだと思っていました。でも、こんなにあっけなく誰でもなってしまうんです。たまたま私と娘は命をとられる前に目が覚めましたが、もう数時間寝ていたら危なかったことでしょう。

 

都内だから、家の中だから、熱中症になるようなことをしていないからと思っていても、このように私たち母娘は熱中症になりました。今年の夏は普通ではないと考えたほうがいいと思います。本当に気を付けてください。

 

 

 

【医師より】リアルな報告です。誰もが陥る可能性のある寝たまま熱中症

 

 

 

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