パンプスがキツくて痛い、自称「幅広甲高さん」は注意!ゆったりめの靴ならなんでもいいというわけではない【プロが解説】

幅広甲高だと思う方は手を上げて〜!

自分は幅広甲高だと思っている方は、ご自身の足をもう一度よく見てみてください。次のような特徴に当てはまっていますか、いませんか?

幅が広く甲が高い、つまりは小判のような足底面の形をして、足自体が厚みのある大きめの足

本来の幅広甲高の足というのは、こういった足のことをさします。

 

あれ?!自分の足はそうでもないかも……と思われた方も多いのではないでしょうか。
そうです、ご自身の足の特徴を誤って認識されていたのです。

 

ですから足の特徴を把握しておくためにも、靴づくりの専門家や計測を行っているシューズショップ等で、自分の正しい足のサイズを測ってもらうのをおすすめします。

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実は、パンプスには甲の高さはあまり関係ない?

パンプスはストラップなど無ければ甲に触れるところがありませんので、実は「甲高」はあまり関係ないのです。

しかし、パンプスは甲の部分が大きく空いているのが特徴です。そのため、甲高の方もそうでない方も靴が足に触れる少ない箇所がピッタリと足に合っていないと足が前に滑ってしまうなど、簡単に問題が起きてしまいます。

 

“幅広甲高対応”を謳うパンプスは、どの部分が甲高に対応しているのかよく確認してみてください。なんとなく売り文句として記載されている可能性もあります。

 

ちなみに本当に「甲高」な方は、指の厚みが厚い場合が多いようです(例外的にそうでないことも)。他にも足の特徴は、人それぞれ違います。

 

甲高な方もそうでない方も、パンプスの足をホールドしている部分のフィット感は、靴選びにはとても重要といえるのです。

 

 

本当に足にあったパンプスはキツめ?!

一方で「幅広」は、甲の厚みは関係なく、逆三角形のような足のバランスになっている足のことをさします。

 

ただ、足に靴が触れると痛くなりそうだから……という理由で、幅広の足とは言えない方でも、あえて緩くて幅が広い靴を選んで履いていることも少なくありません。

 

そのように自分の足に合っていない、幅の広い靴を履いてしまうと何か問題が生じるのでしょうか?
実は幅の広い靴をはいてしまうと、足が前に滑って指が詰まったり、過度に体重が足指にかかってしまったりして、足のトラブルが起きやすくなります

 

ですので、パンプスを履いたときに足先が前に滑っていかないようにしなければいけません。靴が足をしっかりととらえるためには、足の指の付け根とかかとの2箇所がフィットしている必要があります。

 

オーダーメイドでパンプスをつくるときも、かかとのフィット感は重要。パンプス製造時、かかと部分にカウンターと呼ばれる固めの芯材を足の形に合わせて形作り、しっかりとかかとをホールドできるようにします。柔らかいとかかとを捉えられません。

これくらいかかとは、足と靴が合っているどうかを決める重要な部分なのです。市販のパンプスを試着するときも、ヤワヤワのかかとはやめて、固めのフィット感を意識してみましょう。

 

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もうひとつ大切なのが、足の指の付け根。ここは骨の関節がしっかりとしています。

ですからパンプス製造時は、足の付け根の骨を捕まえるように形作ることで足が前に行かないようにします。つまり、足の幅よりもゆるめな靴を履いていると、この骨を捕まえる機能が無くなってしまいます。すると、足が前に滑って行くので指が詰まったり、体重が過度に指先にかかったりします。そうして足のトラブルが起きてしまいます。

 

足の指の付け根とかかとでしっかりと足を捕まえることが、足に合うパンプスとしては必要な条件です。足に合うパンプスは、皆さんが思っているよりも小さくてキツめに感じます。

 

市販の靴でも小さめサイズの靴を選び、きつすぎる所はメンテナンスショップなどで伸ばして履くことで、オーダー靴に近い状態に持ってこられます。
ぜひご自身の正しい足のサイズをお店などで測り、靴選びの基準を最新にアップデートしてみてください。

 

 

株式会社crossDs japan 代表取締役 諏訪部 梓

プロフィール:
1984年生まれ。ガンダムが好きで、ロボットを作りたいとロボット造りが学べる国立沼津高専に入学、NHKのロボコンに参戦。2002年大会ではチームリーダーを務め、地区大会優勝、全国大会ベスト4の成績を修める。国立長岡技術科学大学の経営情報工学科に進学、ITと経営について学び、2007年からITコンサルタントとして小売業を中心に10年以上、顧客の経営革新や最新IT技術を使った取り組みに携わる。ITコンサルの時に3Dプリンタの特許が切れ、手軽に3Dプリンタが使えるようになり、3Dプリンタを使ったもの作りにチャレンジしようと考えオーダパンプスにたどりつく。

 

個人専用に木型(靴型)を3D計測データを使い、3Dプリンタで製作するオーダーメイド3Dシューズの提供サービスAYAME|菖蒲を2020年2月にスタート。同世代の靴作りの仲間や靴職人60年以上の大ベテランを率いている。オーダーパンプスを修理付きのサブスクという新しい利用の仕方で消費者に提供中。パンプス以外に紐靴、スニーカー、ブーツなども3D製作している。男性ではあるが、日頃から製品研究のためにパンプスを履いて仕事をしている。工房にはパンプスを求める男性客の来店も増えてきている。

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