更年期世代の女性たちは、できるだけ早く「時間の使い方」も見直してほしい【高尾美穂先生の更年期の話#6】

雑誌の連載、テレビのコメント、ポッドキャスト……いつ、どこで触れても、同じようにあたたかく清々しい気持ちを受け取れる。そんな産婦人科医の高尾美穂先生に、普段からそっと心を支えてもらっている人も多いのではないでしょうか。

高尾先生をお招きして、主婦の友社の雑誌『健康』×オトナサローネ発の社会提言『アフタヌーンエイジプロジェクト』コラボレーションイベントのお話会が開催されました。

そのお話を7日連続で配信中。

 

更年期世代の女性たちは、できるだけ早く「時間の使い方」も見直してほしい

時間は誰にとっても平等に1日24時間です。

 

更年期の体調の悪さを自覚している人はこの限りある時間の使い方を見直してもらいたいです。

 

まずは睡眠時間の確保です。こう言うと、「でも高尾先生はいいよね、お家にネコちゃん3匹しかいないし」って声が聞こえてきそうです。わかります。でも、ここであきらめちゃいけない。

 

「調子が悪いから、自分の時間が欲しい」と、ご家族に伝えてください。お子さんに「お母さんはいま調子が悪いから、協力して欲しい」「夜8時を過ぎたら、自分でご飯をチンして食べて、食べ終わったらお皿を洗って欲しい」と言葉で伝えてみてください。パートナーや家族には、察する、おもんぱかるなんてことは期待しないで。更年期の調子の悪さを経験することがないからです。

 

「察してもらえる」とは思わず、言葉で伝えることです。なぜかというと、「言わなくてもわかってくれるんじゃないか」という期待はたいてい裏切られて、イライラする結果となるからです。

 

ゴミ捨て、お風呂掃除も、「そのくらい察してよ」ではなく、具体的に「何をどういうふうにやってください」と言葉でお願いしてください。たとえば「お風呂いれて」というお願いだとしたら、もう一段階詳しく、「浴槽の内側を、洗剤とスポンジでザラザラがなくなるまでこすって、最後に全体をお湯で流してから、栓をして、お湯を張って」と説明できたら、相手もそのほうがラクかもしれません。そのかわり、お願いをする以上は完璧なできばえでなくても目をつぶることが大事です。

 

このように、ちょっとずつでも暮らしのルーティンを変えていくことで、自分自身が調子よくいられる努力をあきらめずにしてみてください。少しでもごきげんで過ごせれば、それはお子さんにとっても絶対いいですし、パートナーもハッピーです。言語化して、わかってもらうための努力をあきらめないこと、本当に重要です。

 

こうした努力をコツコツ続けていくことで、社会があたたかな場所に変わっていくんじゃないかなと思っています。たとえば妊婦さんや松葉杖の人に席を譲りやすいのは、外見からもわかりやすいからです。もしもちょっとイマイチそうな人がいたとして、「きげんが悪いのかな」と思うのと「体調が悪いのかな」と思うのでは、かける言葉が違うはずです。こうした想像力が大切です。そして、家庭があたたかくなれば、職場など社会もあたたかくなっていくと思うんです。

 

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お話/高尾美穂先生

産婦人科専門医。女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガドクター。東京慈恵会医科大学大学院修了。同大学付属病院産婦人科助教を経て2013年より現職。

 

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