「モラハラだとは気づきませんでした…」巧妙な言葉で妻の心を静かに破壊する「サイレントモラハラ」の恐怖

夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。幸せになれると確信し結婚しても、結婚後にモラハラだとわかり苦労している方が多くいます。

 

仕事を持って経済的に自立している女性であっても、子どものためにと離婚を思いとどまり、モラハラに苦しみ続けるケースも。そんな女性たちの悩みについて、長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。

 

暴言を伴わないモラハラは気づかれにくい分だけ悪質度が高い

モラハラというと、「お前なんて価値がない」「あんたのことを好きな人はこの世にいない」「本当に役立たず」「家畜以下」というようなひどい暴言を言うことで知られています。しかし、そうした一般的なモラハラに見られる「相手に対する暴言」「悪態」のないモラハラもあります。

 

このような、暴言を言わずとも妻が苦しくなる空気感を出し、妻を思い通りにコントロールしようとするモラハラ行為のことを「サイレントモラハラ」といいます。

 

今回は暴言を言われていないので自分の夫のモラハラに気づかず、「夫が怒るのは自分のせい」と信じて10年以上自分を追い詰めていたSさんのお話です。

 

返事は一切返ってこない。ただ無視、ため息、大きな音で脅かされる

「おかえりなさい!と玄関まで夫を迎えに行くと、夫は私の存在が見えないかのように通り過ぎて自分の部屋に入っていきます。夕食の準備はできてるのでいつでも声をかけてねと明るく話しかけても、一切返事はありません」

 

そう話し始めたSさん。

 

「夫は黙ってダイニングの椅子に座り、いただきますも言わずにご飯を食べ始めます。お疲れさまと言ってビールをグラスに注いでも何も言ってはくれません。『ご飯中ごめんなさい。塾の夏期講習代の請求書がきたの』と娘の塾からの手紙を渡すと、チッと舌打ちをして私をにらみつけました。そんな夫の態度に、塾の手紙を出すタイミングが悪かったから夫の機嫌を悪くしてしまった、と私は自分を責めていました」

 

ご主人は結婚前から無口な人だったそうですが、結婚後は返事もしてくれない日が数日続くことがありました。その理由はわからないのですが、徹底的な無視、威圧的な態度、ため息や独り言でSさんの心を追い詰めていくのです。

 

それはもはや「女性として尊重された妻」ではなく、いたぶられる奴隷の姿

モラハラは一般的に暴言や侮辱、罵倒などの言葉の暴力で相手を攻撃し支配するものと認識されています。そのため、Sさんの夫のように、罵声も暴言もなく、空気感で妻を追い詰めていくことがモラハラだと認識している妻は多くありません。このタイプのモラハラをサイレントモラハラといいます。

 

サイレントモラハラとは、一般的なモラハラのように面と向かって相手に対して暴言を浴びせたりせず、相手に気をつかわせるような空気感で、相手を追い詰めていくモラハラ行為のことをいいます。

 

「夫が私を無視をするのは月に数回あり、だいたい1週間くらい続きます。私とは一切目を合わせず、ため息と『めんどくせえ』『うるせえな』という不満たっぷりなひとりごと、ばたんと大きなドアの開け閉めや騒がしい足音などで私の心を怒りを伝えてきます」

 

Sさんはご主人夫に「なぜ私を無視するの?」と聞いたことがありました。その時のご主人は、恐ろしいほどに冷たい蔑むような目で私を見て「何が俺を怒らせているのかもわからないのか」と言うだけだったそう。 それからはご主人が不機嫌な態度で無視してきても、なぜ怒っているのか、なぜ不機嫌なのか怖くて聞くことはできなくなりました。

 

「ただ夫を怒らせないように、夫が居心地の良い家庭を作ることが自分の役目だと思い込んでいました。私はフルタイムで働いていますが、 夫が起床する1時間前には起きて、お味噌汁は出汁からとり、魚と卵焼きを焼き朝食を作ります。夫が朝食を食べている間に、夫が着るスーツとシャツとネクタイ、ハンカチ、靴下を揃えておく。そして夫を車で駅まで送るのも私の役目です」

 

「行ってらっしゃい」と声をかけても何も言わず、振り返りもせずに改札に入っていくご主人の後ろ姿を見て、自分の存在って一体なんなんだろうと思い何度も涙ぐんだそうです。

 

つづき>>>「つかえねえ女だな」「センス悪すぎ」夫の暴言に耐えかねた妻が最後にたどり着いたまさかの「選択」は

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