更年期のホットフラッシュ、腸内環境とは関係あるの?「日本人女性が有利な点」って何ですか?

更年期に多くの人が経験する「ホットフラッシュ」。ホルモンバランスの乱れによって起こる症状ですが、腸内環境との関係はあるのでしょうか。実はそれらの関係はまだまだ研究が必要な段階。はっきりとした相互関係はわかっていません。

 

この記事では、腸活プロデューサーの長瀬みなみが、ホットフラッシュが腸内環境に与える影響の可能性や、現段階で発表されているエビデンスから改善のヒントを探ります。

 

ホットフラッシュとは

ホットフラッシュはのぼせ、ほてり、発汗などが突然起こる、更年期の代表的な症状の1つです。皮膚に近いところにある血管が拡張して血流が増えると脈拍が増加し、体が熱をおびてしまいます。持続的に症状があるわけでなく、1回のホットフラッシュは2〜3分程度。熱さを感じた後に、悪寒を感じる場合もあります。

 

更年期に入ると約60%の女性がホットフラッシュを経験すると言われています。閉経前後の7〜10年程度の期間続きますが、通常は時間経過によって症状が軽減していくことがほとんどです。

 

2002年に発表された論文*1では、ホットフラッシュは閉経前後に女性ホルモン「エストロゲン」の減少によって脳の視床下部の暑さ・寒さの閾値が狭まる症状であると定義されました。そのほかの更年期症状と同じく、ホルモンバランスが乱れることで視床下部がつかさどる自律神経にも乱れが生じて、血管の収縮と拡張のコントロールができなくなるとのぼせやほてりを起こしてしまうのです。

 

ホットフラッシュと腸内環境の関係

ホットフラッシュと腸内環境は関係するのでしょうか。現在、世界中で更年期障害やホットフラッシュに関する研究が行われていますが、ホットフラッシュと腸内環境の直接的な関係を証明する論文は、残念ながら発表されていません。

 

ホルモンバランスが乱れたところに、ストレス、寝不足、運動不足などが加わると、ホットフラッシュのトリガーになりえると言われています。特にストレスは、ホットフラッシュによって感じるストレスが更なるホットフラッシュを引き起こす可能性があり、ストレスの負のループを作り出してしまう可能性も。

 

ストレスのループによって、自律神経にも乱れが生じる可能性があります。自律神経は腸にも影響を与えており、自律神経が乱れると便秘や下痢を引き起こします。さらに、腸は「第2の脳」とも呼ばれ、脳の状態と腸内環境が相互関係にあるとする「脳腸相関」についてもあらゆる研究が進められています。ホットフラッシュ症状と腸内環境の直接的な関係性はわかりませんが、ホットフラッシュによるストレスが腸内環境の悪化に関係しそれらの影響がさらなるストレス要因を作り出す可能性は否めません。

 

また、腸内細菌が大豆イソフラボンから作り出す「エクオール」は、女性ホルモンのような働きをすることもわかっています。50~60代の日本人女性386人を対象にした研究*2では、ホットフラッシュ症状がある女性に12週間継続して1日86グラムの大豆と低脂肪の植物性食品中心の食事を摂取する実験を行いました。すると、約80%の女性のホットフラッシュ症状が減少したのです。この他にもエクオールがホットフラッシュ症状を軽減することを示唆する論文はいくつか発表されており、腸内環境がホットフラッシュ症状の軽減に関係する可能性はまだまだ研究の余地がありそうです。今後の研究にも期待したいところですね。

 

ここまでの記事ではホットフラッシュとエクオールの働きを解説しました。続く後編記事ではアジア女性、中でも日本人の有利な点をご説明します。

つづき>>>更年期女性が健康対策のために「もう1品プラスする」なら何を選ぶべき?食事の改善、考える基準は

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